この記事では6月20日がなぜ「ペパーミントの日」なのか、その由来や北海道北見市との深い関係、そしてペパーミントそのものの知識までまるごとわかりやすく解説します。
「なんとなく聞いたことあるけど、ちゃんと知らない」
という方にこそ読んでほしい内容です。
ペパーミントの日の基本情報
6月20日は「ペパーミントの日」。名前だけ聞くと海外発祥の記念日みたいに感じますけど、じつは日本で生まれた記念日なんです。
制定したのは北海道北見市
この記念日は1987年(昭和62年)に北海道北見市まちづくり研究会によって制定されました。
ペパーミントの和名である「ハッカ(薄荷)」が北見市の特産品であり、その普及とPRを目的として制定された経緯があります。
北見市観光協会のオフィシャルサイトによると研究会が「勝手に」制定したというユーモラスな背景もあるそうで、なんか親しみやすいですよね。
「20日」=「ハッカ」という語呂合わせ
日付の選び方がなかなか面白くて、「20日(はつか)」を「ハッカ」と読む語呂合わせがベースになっています。
当初は毎月20日を「ハッカの日」と呼ぼうとしていたようですが、その後6月の北海道の爽やかな気候がハッカのイメージそのものだという理由から、6月20日に絞って制定されました。
語呂合わせと気候イメージ、ふたつの理由が重なって生まれた記念日なんですね。
北見市とハッカの歴史
ペパーミントの日を語るうえで、北見市のハッカ産業の歴史は外せないと思います。
というか、この歴史を知ると記念日の意味合いがグッと深くなるんです。
世界シェア70%を誇った「ハッカ王国」
北見市でのハッカ生産は明治35年(1902年)ごろから始まり、最盛期は1939年(昭和14年)に訪れました。
この時期、北見ハッカは世界のハッカ市場の約70%を占めるという、驚くほどのシェアを誇っていたんです。
作付面積は約2万1,000ヘクタール、精油の生産量は780トンにも達していて、北見の街はハッカの香りで満ちていたと伝えられています。
上湧別から屯田兵によってハッカ栽培が北見に広がり、1934年に「北連野付牛薄荷工場」が操業を開始してから一気に基幹産業へと成長していきます。
小豆や大豆、小麦よりも儲かったため平地から山地までハッカ畑が広がっていったそう。当時の北見はまさに世界を相手にしたハッカ産業の中心地だったわけです。
衰退と工場閉鎖の経緯
ところが、その勢いは長くは続きませんでした。
第二次世界大戦中にハッカ生産は一時中断、戦後は道庁の奨励により再興を図ったものの、ブラジルをはじめとした外国産の台頭、そして合成メントールの登場によって需要が急速に失われていきます。
追い討ちをかけるように1983年、ハッカ輸入関税の引き下げが決定的となり、同年3月31日に北見ハッカ工場は操業を断念して閉鎖。
約50年の歴史に幕が下りました。
ペパーミントの日が制定された1987年は、工場閉鎖からわずか4年後のこと。「ハッカの文化を忘れないでほしい」という強い想いが背景にあったのかもしれません。
北見ハッカ記念館
北見市南仲町には「北見ハッカ記念館・薄荷蒸溜館」が残されています。
閉鎖後も「薄荷の文化は北見の財産」という想いから建物や史料が保存・公開されていて、開館日には毎日ハッカの蒸溜実演が行われています。
毎年6月20日に近い日曜日には「ペパーミント・フェスティバル」が開催されるなど、記念日を通じて文化継承の取り組みが続いています。
ペパーミントとハッカって、じつは別物?
「ペパーミント=ハッカ」と思っていませんか?実はこれ、似ているけれど厳密には違う植物なんです。これ、意外と知られていない話だと思います。
和ハッカとセイヨウハッカ(ペパーミント)の違い
日本で栽培されてきた和種ハッカ(ニホンハッカ)の学名は「Mentha canadensis」で、一方のペパーミント(セイヨウハッカ)の学名は「Mentha piperita」と、異なる植物です。
ペパーミントはスペアミントとウォーターミントの交配種とされていて、ヨーロッパ南部が原産とされています。
最大の違いはメントールの含有量。和種ハッカのほうがペパーミントよりも1.5倍以上メントールが多いため、より鋭くシャープな清涼感があります。
一方でペパーミントには「メントフラン」という成分が含まれていて、これが和ハッカにはない甘さをもたらしています。
ガムや歯磨き粉で感じるあの甘いスーッと感はまさにペパーミントならではのもの、といった感じです。
ペパーミントに含まれる成分と使い道
爽快な香りが特徴のペパーミントですがその香りの正体は「メントール」という有機化合物です。
メントールには冷却作用だけでなく、抗菌作用や痛みを和らげる働きがあるとされていて、古代から頭痛への活用が知られているんですよね。
現代ではガムやキャンディーの香料、歯磨き粉やシャンプー、制汗剤、洗顔料、入浴剤、さらに医薬品まで幅広い場面で活用されています。
料理にも使えて、乾燥させたドライペパーミントはハーブティーやデザート、肉料理の風味づけにも対応します。
消化を助ける働きも注目されていて、イギリスでは消化不良や過敏性腸症候群の治療薬にも使われているそうです。
日常の中での活用方法も意外と豊富でハーブティーとして飲むだけでなく、うがい用に水に数滴垂らしたり、乾燥ペパーミントをお茶パックに詰めてお風呂に入れたりと、手軽に取り入れられる点が個人的にはうれしいなと感じています。
まとめ
- 6月20日がペパーミントの日になった理由は2つ
「20日(はつか)→ハッカ」という語呂合わせと、6月の北海道の爽やかな気候がハッカのイメージと重なること - 制定したのは北海道北見市まちづくり研究会(1987年・昭和62年)で特産品のハッカをPRする目的があった
- 北見市のハッカは1939年に世界シェア約70%を誇ったが、1983年に工場閉鎖。記念日はその後の文化継承の想いとともに誕生した
- ペパーミントと和ハッカは別の植物でメントール含有量や香りの質に違いがある
- 北見市では「北見ハッカ記念館」を拠点に、毎年6月20日前後にペパーミント・フェスティバルが開催されている
6月20日が近づいたら、ペパーミントティーを一杯飲みながら、世界を席巻した北海道の小さな街の歴史に想いを馳せてみるのもなかなかいいものではないでしょうか。

コメント