この記事を読めば「健康住宅の日」がいつ、誰がどんな目的で制定したのかと、その背景にある歴史や住まいと健康の深い関係がまるごとわかります。
「健康住宅」って言葉、なんとなく聞いたことはあるけど、そもそも記念日まであるって知ってましたか?しかも、制定された背景には日本の住宅事情にまつわる、ちょっとゾッとするような歴史があるんです。
梅雨の時期と絡み合った、意外と奥深い話なのでぜひ最後まで読んでみてください。
健康住宅の日とは
6月20日は「健康住宅の日」として制定されている記念日です。
誰が制定したの?
大阪府大阪市淀川区に本部を置くNPO法人・日本健康住宅協会(旧:健康住宅推進協議会)が制定し、一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。
住宅の健康とそこに住む人の健康を守るために、業種を超えた専門家が集まり研究活動などを行っている団体なんです。
6月20日という日付の理由
日付に「語呂合わせ説」を唱えているサイトも一部あるんですが実際のところ、複数のソースによれば、カビをはじめとするさまざまな健康被害が懸念される梅雨の時期であることが、6月20日という日付の選定理由とされています。
梅雨の真っ只中に「住まいの健康」を改めて考えてもらおう、という意図がこめられているんですね。
住宅見学会やセミナーなどもこの記念日に合わせて開催されることがあります。
制定した団体の歴史
健康住宅の日を理解するには制定した団体の成り立ちを知るのが一番の近道です。
1990年の創設から現在まで
日本健康住宅協会の歴史は1990年に発起会社12社による「健康住宅推進協議会」として発足したことに始まります。
その後、2000年6月にNPO法人として認証され、「NPO法人・日本健康住宅協会」と名称を改めて現在に至っています。発足から30年以上、住まいと健康の問題に正面から向き合い続けてきた団体なんです。
当時はまだ「健康住宅」という言葉自体があまり世の中に浸透していなかったそうで、1996年に国会でシックハウスに関する質問が上がって以来、厚生労働省や国土交通省も本腰を入れて取り組み始めたとのこと。
民間の研究団体の地道な活動が国を動かしたとも言えるわけです。これはなかなかすごいことだなと思いました。
研究活動の内容
協会の研究活動の軸になっているのはつの環境(空気・温熱・光視・音振動)と3つの防除(防露・防カビ・防虫)に根ざした「健やかな住まい方」の研究・発信です。
建材メーカー、工務店、医師、研究者など畑の違うプロたちが一堂に集まって議論する場、という性格が特徴的です。
梅雨と住まいの健康問題
なぜ記念日がよりによって梅雨の6月なのか。そこには、日本ならではの気候と住宅が引き起こしてきたリアルな問題があります。
カビが引き起こす健康被害
梅雨の時期は温度と湿度が同時に上がるので住まいの中でカビが急増しやすい環境になります。
カビの胞子を吸い込むと、くしゃみや鼻水といったアレルギー症状はもちろん、喘息や気管支炎を悪化させたり、免疫力が低い子どもや高齢者は特に影響を受けやすいと言われています。
また梅雨時に多く発生するカビは「夏型過敏性肺炎」の原因になることもあるとして、専門家が注意を促しています。
湿気を放置するとカビだけじゃなくシロアリまで呼び寄せることになる場合もありますし、住まいの耐久性自体にも影響が出てきます。
こう考えると梅雨=住宅のメンテナンス強化月間、くらいの意識でいてもいいのかもしれません。

ヒートショックという見えないリスク
梅雨・夏の話だけじゃなく、住まいの健康問題には冬場のリスクもあります。
断熱性能が低い住宅では温かいリビングから寒い廊下や浴室に移動した際に血圧が急激に変化し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすリスクが高まります。
これが「ヒートショック」と呼ばれる現象で高断熱・高気密住宅の普及が推奨されてきた理由のひとつでもあります。
シックハウス問題と法改正の流れ
健康住宅という概念が広まった背景には日本の住宅を揺るがしたシックハウス問題があります。
シックハウス症候群の顕在化
高度経済成長期以降、日本では住宅の高気密・高断熱化が急速に進みました。
ところが、その一方で建材や接着剤に含まれる化学物質が室内に充満し、頭痛やめまい、目・喉の不快感などを引き起こす「シックハウス症候群」が社会問題として表面化していきます。
私が思うには当時の家づくりは「省エネ・高機能化」という目標だけが先走って、中に住む人の体への影響まで追いついていなかったのかもしれません。
2003年の建築基準法改正
社会的な問題への対応として2003年(平成15年)7月1日に改正建築基準法が施行されました。
主な内容としてはホルムアルデヒドを含む建材の使用制限、クロルピリホスの全面使用禁止、そして24時間換気システムの設置義務化が盛り込まれました。
これで一定の規制ができたわけですが、逆に言えば、それ以前の住宅にはこれらの対策がなされていないケースがわりと多い、ということでもあります。
健康住宅の日に改めて考えたいこと
記念日はただ「今日は何の日」で終わるためのものじゃなくて、日常の行動を見直すきっかけとして機能してこそだと思っています。
住まいの健康チェックポイント
梅雨の時期に実践できることとして換気と湿気対策は特に重要です。
協会が長年訴えてきた「4つの環境」(空気・温熱・光視・音振動)という視点から考えると、たとえばこんなことが日常的にできます。
窓を開けた自然換気に加え、24時間換気システムが設置されている住宅ではフィルターの清掃を定期的に行うこと。
結露しやすい窓まわりや洗面所・浴室まわりのカビを早めに除去すること。
室内の温度差を小さくするように断熱改修を検討すること。こういった小さな積み重ねが長期的な健康維持につながっていきます。
健康住宅アドバイザーという専門資格
意外と知られていないのですが日本健康住宅協会は「健康住宅アドバイザー」という資格試験も実施していて、住まいに関する健康問題に詳しいプロを認定する仕組みも整えています。
家を建てる・リフォームする予定がある方はこういった資格を持つ専門家に相談するのも一つの方法かもしれませんね。
まとめ
- 健康住宅の日は6月20日、NPO法人・日本健康住宅協会が制定し、日本記念日協会に認定されている
- 日付の由来は「カビをはじめとする健康被害が懸念される梅雨の時期」であることから
- 制定した団体は1990年に健康住宅推進協議会として発足し、2000年にNPO法人化
- 背景には、日本の住宅問題としてシックハウス症候群の社会問題化があり、2003年の建築基準法改正につながった
- 協会の研究活動は「空気・温熱・光視・音振動」の4つの環境と「防露・防カビ・防虫」の3つの防除が柱
- 梅雨の時期はカビによる健康被害が増加しやすく、住まいの換気・除湿対策を見直すきっかけとして活用したい記念日
コメント