この記事を読めば6月22日が「DHAの日」に定められた理由と、DHAが私たちの健康にどう関わっているのかが丸ごとわかります。
「DHAって聞いたことあるけど、実はよく知らない」
という方も多いんじゃないでしょうか。
記念日の由来から脳への働き、日本人の魚離れとの関係まで、ひとつひとつ丁寧にお伝えしていきます。
DHAの日とは何か
6月22日は「DHAの日」として日本記念日協会に認定されている記念日です。
誰が、いつ制定したのか
「DHAの日」を制定したのは株式会社マルハニチロ食品(現:Umios株式会社)です。2012年に日本記念日協会へ申請し、正式に認定・登録されました。
水産事業や食品事業を手がけ、DHAなどの水産機能性油脂の研究開発も行ってきた同社が、「DHAの認知度をもっと高めたい」という思いから制定に踏み切ったとのこと。
きっかけとして、DHA・EPA協議会にも事前に相談があり、幹事会で検討されたうえで賛同を得たという経緯もあります。
まあ、企業が制定する記念日のなかでもこれはかなり「理に適った」日付の選び方だなと感じます。
6月22日になった理由
なぜ6月22日なのかというのがこの記念日の一番おもしろいところです。
DHAの正式名称は「ドコサヘキサエン酸(Docosahexaenoic Acid)」。
その分子構造を見ると、炭素が22個(=ドコサ)連なっていて、6つのシス型二重結合(=ヘキサエン)を持っています。
つまり、「6つの二重結合」と「22個の炭素鎖」という数字が、そのまま6月22日という日付になったわけです。
化学的な特性と日付がぴったりリンクしているっていうの、なんかすごく好きです。こういう遊び心、理系っぽくて好み。
DHAってそもそも何者?
必須脂肪酸の基本知識
DHAはオメガ3系の多価不飽和脂肪酸のひとつで体内ではほとんど合成できません。なので、食事から摂るしかない。そこが重要なポイントです。
体内ではEPA(エイコサペンタエン酸)から一部つくられることもありますがその量はごくわずか。
ちなみに脳の乾燥重量の約60%は脂質で、そのうちDHAが大きな割合を占めているとも言われています。脳って文字通り「脂でできている」臓器なんですよね。ちょっと驚き。
DHAが多く含まれる食材
DHAはとくに青魚に豊富です。100gあたりの含有量を見ると、以下のような目安になります。
- サンマ:DHA約1,700mg(100g中)
- マイワシ:DHA約1,300mg(100g中)
- ノルウェーサバ:DHA約2,600mg(100g中)
- ブリ:DHA約1,700mg(100g中)
- アジ:DHA約500〜900mg(100g中)
サバやサンマがトップクラスというのはよく知られていますが実はノルウェーサバ(大西洋サバ)がDHA量でトップというのは意外と知られていないかも。
サバ缶を使う習慣がある方は、選ぶ産地を意識してみると面白いですよね。
DHAが体に与える効果
DHAには以下のような働きが認められていたり、研究によって示唆されていたりします。
- 脳の神経細胞の情報伝達をスムーズにして、記憶力や学習能力の向上をサポート
- 中性脂肪の低下や善玉(HDL)コレステロールを増やすことで、動脈硬化や血栓の予防に貢献
- 血圧降下作用、免疫反応の調整
- 目の網膜を構成する成分としても重要
子どもの脳発達への影響
これ、個人的にかなり印象深かったのですが。
英国オックスフォード大学の観察研究ではDHA血中濃度が高い子どもは、読解力や記憶力が高い傾向にあるという結果が示されています。
また、5〜12歳の112人にDHAサプリを3か月間摂取させた研究では読解力と書き取り能力が有意に向上したという報告もあります。
もちろん、これだけで学力が決まるというわけじゃないし、あくまで傾向の話ですが育ち盛りの時期に青魚を積極的に食べさせることには意味がありそうです。

高齢者の認知機能への関わり
研究では高齢者への影響も注目されています。
島根大学の研究ではDHAの摂取量が多い高齢者は、加齢に伴う認知機能の低下が緩やかだったことが確認されています。
さらに2025年には米国・ピッツバーグ大学の研究で、長期的なDHA濃度の上昇がアルツハイマー病リスクのある高齢者のアミロイドベータ蓄積を減少させる可能性があるという結果が報告されています。
DHA297mgを含む乳飲料を1日200ml、12ヶ月間飲み続けた試験でも、認知機能低下の抑制が確認されました。量が意外と少なくて驚きますよね。

日本人とDHAの現状
深刻な魚離れの実態
この記念日が制定された背景には日本人の深刻な魚離れがあります。
農林水産省のデータによると1人当たりの魚介類消費量はピーク時(2001年度)の40.2kg/人年から、2012年度には28.4kg/人年へと約3割も減少しています。
肉食化が全年齢層で進んでいて、その結果としてDHAやEPAの摂取量も減っている。というわけです。
厚生労働省の基準でいうと成人男性で1日あたり0.32g、成人女性で0.23gという摂取目標がありますが、多くの人がそれを下回っているとも言われています。これ、正直けっこう深刻だなと思っていて。
「魚嫌い」じゃなくて「食べる機会がない」
面白いのは「魚離れ」はかならずしも「魚嫌い」が原因じゃないという点。水産庁のコラムでも「魚離れ≠魚嫌い」という見方が示されています。
忙しくて調理が面倒、魚をさばく機会がない、外食で魚を選ばなくなった。そういう生活習慣の変化が大きいようです。
だったらサバ缶やイワシ缶といった缶詰を活用するのがひとつの現実的な解決策かもしれないですね。実際、缶詰には魚の脂がそのまま残っているので、DHAをしっかり摂れます。
まとめ
- 「DHAの日」は2012年にマルハニチロ株式会社が制定し、日本記念日協会が認定
- 日付の由来は、DHAの分子構造「炭素22個・二重結合6つ」→6月22日
- DHAは体内でほとんど合成できない必須脂肪酸で、食事から補う必要がある
- 子どもの学習能力や高齢者の認知機能にポジティブな影響があることが複数の研究で報告されている
- 背景には日本人の魚介類消費量の約3割減という魚離れの現状がある
- 手軽にDHAを補うには、青魚の缶詰の活用がおすすめ
6月22日の「DHAの日」はただの企業PRのための記念日ではなく、私たちの食習慣を見直すきっかけとして作られたものです。今日の夕食、久しぶりに青魚を食べてみませんか?


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