この記事を読めば6月23日が「ドラベ症候群の日」に制定された理由と歴史的な背景、そしてドラベ症候群という病気の基礎知識まで、まとめて理解できます。
難病の記念日ってなんでその日なんだろう?と気になったことはありませんか?
実はこの6月23日という日付には世界中の患者家族が一緒に声をあげようという想いが込められているんです。
ドラベ症候群の日とは
6月23日は乳幼児期に発症する難治性てんかん「ドラベ症候群」の認知向上を目的とした記念日です。
記念日の概要
「ドラベ症候群の日」はドラベ症候群患者家族会(DravetSyndromeJP)の申請によって、2017年(平成29年)に一般社団法人・日本記念日協会に正式認定・登録された記念日です。
毎年この日を中心に、6月23日までの約1ヶ月間が啓発月間として設定されていて、ドラベ症候群の認知向上や環境改善に向けたさまざまな活動が行われています。
SNSでの情報発信や家族交流会の開催、学術集会での研究発表など患者家族が中心となった活動が1年でもっとも活発になる時期ですね。

6月23日という日付の理由
なぜ6月23日なのかというとこれは日本独自で決めた日付ではありません。
世界各国に設立されているドラベ症候群の患者会・家族会がもともと6月23日をアウェアネスデー(啓発の日)として定めていたからです。
日本の患者家族会がこの世界的な日付に合わせて記念日登録をすることで、SNSなどを通じて同じ日に世界と一緒に情報発信できる。
そういう連帯の意味が込められているんですよね。
実際、欧州のドラベ症候群連合(DSEF)をはじめ、世界28か国以上の患者団体が毎年6月23日に一斉に啓発活動を行っているみたいです。
ドラベ症候群という病気について
この記念日の背景にある病気についてまず知っておきましょう。
シャルロット・ドラベ医師による発見
ドラベ症候群の歴史は1978年にフランスの女医シャルロット・ドラベ(Charlotte Dravet)博士が初めて詳細に報告したことから始まります。
当時は「乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI:Severe Myoclonic Epilepsy of Infancy)」と呼ばれていました。
その後、ミオクロニー発作(体がピクッとするけいれん)が見られない患者さんもいること、そしててんかん発作が成人期まで続くことが次第にわかってきました。
そうした経緯を経て2001年に国際抗てんかん連盟(ILAE)が正式に「Dravet症候群」という名称に統一しています。
病気の特徴と罹患率
ドラベ症候群は約2万〜4万人に1人という非常にまれな指定難病です。
日本国内の患者数は約3,000人〜4,000人と推計されていますが、未診断の方も少なくないと考えられているので、実際はもう少し多いかもしれません。
多くの場合1歳未満で発症し、発熱や入浴による体温上昇で発作が誘発されやすい点が大きな特徴のひとつです。患者の約75%にSCN1A遺伝子の異常が確認されていて、知的障害や運動障害を伴うことも多い難治性の疾患です。
現時点では承認された「疾患修飾治療薬」(根本的に進行を抑える薬)がまだない状況で、それだけに啓発活動の重要性はとても高いですよね。
記念日の歴史と広がり
この記念日がどんなふうに広まってきたのか少し振り返ってみましょう。
世界的な啓発活動の始まり
国際的なドラベ症候群啓発デーは世界各国の患者団体が協力しながら育ててきたものです。
欧州ではドラベ症候群欧州連合(DSEF)が中心的な役割を果たしていて、「第5回ドラベアウェアネスデー」という表現が2020年の記事に登場していることから、少なくとも2016年頃から国際的な啓発デーとして定着していたと考えられます。
啓発カラーには紫色(パープル)とバタフライ(蝶)のシンボルが使われています。
紫はてんかん啓発の国際的なカラーとして2008年から使われていて蝶は神経科学の父と呼ばれるサンティアゴ・ラモン・イ・カハル博士が「脳の神経細胞を魂の蝶」と表現したことに由来しているんです。
なんか、すごく詩的で印象的だなと思いました。
日本での記念日登録(2017年)
日本では2017年に日本記念日協会への登録証授与式が神奈川県の新横浜で執り行われました。
これを機、日本の患者家族会が世界の患者会と同じ日付・同じ方向を向いて啓発できる公式な拠点ができた、という意味で大きな一歩だったと感じます。
登録以降、毎年6月23日には世界の患者団体とSNSを通じて連携しながら啓発活動を展開しています。各年のテーマも設定されていて、2023年のテーマは「Creating The Future Together(共に未来を創る)」でした。
患者さんと家族だけでなく医療関係者や社会全体に向けてメッセージを発信し続けているんですよ。

啓発活動の内容
実際にどんな取り組みが行われているのか気になりませんか?
SNS・メディアを通じた発信
毎年6月23日には患者さんの日常写真を使った川柳企画や動画制作などが行われています。
患者さんの「普段の様子」を知ってもらうことが第一の目的で、医療情報の啓発だけでなく、「ドラベ症候群の子どもも地域で楽しく生きている」というリアルな姿を届けることが大切にされています。
患者家族会では救急搬送カードや学校向けマニュアルなど実際の生活を支える資料も無料公開していて、記念日を通じて支援物資の存在も広く知ってもらおうという狙いがあります。
それはかなり実用的な啓発だなと思います。
研究支援と署名活動
記念日の啓発活動を通じて新薬の早期承認に向けた活動や治験参加の促進なども同時に行われています。
かつてはレスキュー薬(発作時の緊急投薬)が日本では家庭で使えなかった時期もあり、承認を求める署名活動が展開されたこともありました。
認知度が上がることで治験への参加者が増え、薬の開発が前進する。そういう連鎖が記念日の背後にはあるんですね。
まとめ
- 6月23日「ドラベ症候群の日」は2017年に日本記念日協会が認定した記念日で、ドラベ症候群患者家族会の申請によって登録された
- 6月23日という日付は、世界各国の患者団体がもともとこの日を啓発デーとして使っていたため、国際的な発信と同じタイミングで情報を届けられるよう採用された
- ドラベ症候群は1978年にフランスのシャルロット・ドラベ医師が最初に報告し、2001年に現在の名称に統一された難治性てんかんで、日本の患者数は約3,000〜4,000人と推計されている
- 毎年6月23日前後の約1ヶ月が啓発月間とされ、SNS発信・家族交流会・新薬承認活動など幅広い取り組みが行われている
- 啓発シンボルは紫色とバタフライでてんかんと神経科学の歴史的な文脈に由来している
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