この記事を読めば6月25日が「詰め替えの日」に制定された理由や、その背景にある歴史がまるごとわかります。
「なんでそんな記念日があるんだろう?」
って思った方、実はこの日の誕生には、50年前の日本が直面した深刻な社会問題が深く絡んでいるんです。
知れば知るほど日常のちょっとした「詰め替え」行動に意味が生まれてくるかもしれません。
詰め替えの日ってどんな日?
毎年6月25日は「詰め替えの日」です。
詰め替え用商品を積極的に使って、省資源や環境保護の大切さを実感してもらうことを目的として制定されています。
誰が制定したのか
制定したのはちふれホールディングス株式会社(旧・ちふれ化粧品)という埼玉県に本社を置く化粧品メーカーです。
同社は2014年に、一般社団法人日本記念日協会へ6月25日を「詰め替えの日」として正式に登録しました。
記念日協会への登録は発売から40周年を迎えた2014年のこと。50年近く前に始まったちふれの取り組みが、こうして公式な形で記念されているんですよね。

由来と歴史 1973年のオイルショックから始まった
「詰め替え」という発想の原点は1973年(昭和48年)に起きた第1次オイルショックにあります。その時代背景と、ちふれが何を考えて動いたのかを掘り下げます。
オイルショックが引き起こした危機
1973年、中東の石油輸出国機構(OPEC)が原油の輸出を制限したことで、日本国内では石油関連の物価が急騰しました。
化粧品の容器に使われるプラスチックが入手困難になり、原材料費が跳ね上がったのです。
当時の化粧品業界は使い捨て容器が完全に当たり前の時代。容器ごと捨てることに誰も疑問を持っていなかったわけですね。
ちふれが「空の容器」に注目したこと
プラスチックが高騰している中、ちふれが着目したのが「使い終わった空の容器」でした。
「容器はまだ使えるのに、なぜ毎回捨てるのか」
この発想の転換はシンプルですけど、当時としては革新的だったと思います。
価格を上げずにお客さんに商品を届け続けたいという強い思いと、資源を無駄にしたくないという2つの考えが重なって生まれたのが、詰め替え化粧品というアイデアでした。
1974年6月25日、日本初の詰め替え化粧品が誕生
そして1974年6月25日、ちふれは化粧品業界で日本初となる「詰め替え化粧品」を正式に発売します。
発売時のラインナップは化粧水や乳液、クリームなど10種類・25商品。今では当たり前の詰め替えスタイルが、ここからスタートしたんです。
この日のスローガンは「今あるものを大切に」。SDGsという言葉が世に出るよりも30年以上前の話ですから、当時の先進性が伝わってくる気がします。
記念日に込められた想い
「詰め替えの日」はただの企業の自己アピールではなく、社会への問いかけとして機能している面があります。
1年に1度、立ち止まるきっかけとして
ちふれが「詰め替えの日」を制定した目的は1年に1度でいいから、身の回りで取り組める省資源活動や環境保護についてちょっと考えてみるきっかけを作ることです。
毎日の習慣の中に溶け込みすぎて意識されなくなってしまった「詰め替え」という行為を、あえて記念日という形で可視化しているんですよね。
個人的にこのアプローチはなかなか面白いなと感じています。
SDGsより先に動いていたという事実
SDGsが国連で採択されたのは2015年のこと。ちふれが詰め替え化粧品を発売したのは1974年ですから、約40年も前から環境と向き合っていた計算になります。
「SDGsに取り組んでいます」と声高に語る企業が増えた現代ですが、ちふれの場合は時代の要請ではなく、危機的な状況の中で生まれた必然的な選択だったわけです。
そこが他との違いかもしれないと思っています。
日本の「詰め替え文化」が世界を驚かせる理由
ちふれの取り組みを皮切りに、日本の詰め替え文化は独自の進化を遂げてきました。
今や8割が詰め替えを実践
マイボイスコムの調査によれば詰め替え用商品を購入した経験がある人は全体の約82.4%に達しています。さらに、詰め替えを「必ずする」または「ほぼする」と答えた人の合計は約70%。
日本でここまで詰め替え習慣が根付いているのは、実はかなりレアなことなんです。
電通と電通総研が世界12か国を対象に行った調査でも、詰め替え習慣は日本が突出していることが示されています。

環境への貢献は数字でも見えてくる
実際にどれくらいの削減効果があるのか、という話をすると。。
詰め替えパックのプラスチック使用量は、本体容器と比較して約70〜80%削減できるというデータがあります。
ボディーソープでは本体容器だけで販売した場合と比べて約7割のプラ削減効果があると日本化粧品工業会が試算しており、シャンプーやリンスでも6割超の削減効果が確認されています。
ちふれ自身の取り組みについてはパウチタイプへの変更や詰め替え商品の展開によって、年間約400トンのCO2排出量削減に貢献しているとのこと。ちょっと想像を超えた数字ですよね。
化粧品以外にも広がった詰め替えの波
化粧品で始まった詰め替え文化はその後じわじわと日用品全体に広がっていきます。
サラヤは1982年に食器用洗剤で初めてスタンディングパウチ型の詰め替えパックを発売し、花王は1991年からシャンプーなどの詰め替え容器を展開。
今では洗濯洗剤やボディソープ、ハンドソープにまで詰め替え文化は浸透していて、日用品全体の販売シェアの約80%に詰め替えが対応しています。
1974年にちふれが化粧品で始めた小さな発想が、ここまで広がったと思うとすごいですよね。
まとめ
- 6月25日は「詰め替えの日」
ちふれホールディングスが2014年に日本記念日協会へ登録した記念日 - 由来は1973年の第1次オイルショック
プラスチック高騰を背景に、ちふれが1974年6月25日に日本初の詰め替え化粧品を発売 - 発売時のラインナップ
化粧水・乳液・クリームなど10種類25商品からスタート - スローガン
「今あるものを大切に」という考えが根底にある - SDGsより40年以上先を行く取り組み
時代の流行ではなく、危機への必然的な応答として生まれた文化 - 詰め替えによる環境効果
プラスチック使用量を最大70〜80%削減、ちふれは年間約400トンのCO2削減に貢献
6月25日が近づいたらいつも使っているシャンプーや化粧水のボトルを眺めてみてください。
そこにある詰め替えの仕組みが、50年以上前の「資源を無駄にしたくない」という一つの決断から来ていると思うと、なんか少し感慨深いものがありますよね。
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