8月11日の「マッシュルームの日」、由来を知っていますか?
実はこの記念日、和歌山から単身アメリカに渡り、秘密のベールに包まれた栽培技術を独学で会得した一人の青年の物語に行き着きます。
「キノコ栽培の父」と呼ばれた森本彦三郎氏の誕生日にちなんで生まれたこの日には、フランスの地下採石場で花開いた栽培文化や、名前の語源をめぐる意外な説など、知れば知るほど奥深いエピソードが詰まっています。
今回はその由来や背景、栄養面での魅力までまるっとご紹介します。
マッシュルームの日とは何かをまず確認
8月11日が「マッシュルームの日」だと聞いて、正直「そんな記念日あったんだ」と思った人も多いんじゃないでしょうか。
ここではまず基本情報をサクッと整理しますね。
日付と制定した企業
マッシュルームの日は毎年8月11日です。
マッシュルーム販売を専門に手がける株式会社ワキュウトレーディングが制定したもので、一般社団法人日本記念日協会にもきちんと認定登録されています。

何のために作られた記念日なのか
目的はいたってシンプルで、マッシュルームの美味しさや栄養価をもっと多くの人に知ってもらい、食べてもらうことなんですよね。
夏場はきのこ類の需要がどうしても落ち込みがちで、その業界の空気を盛り上げたいという思いもあったみたいです。
ちなみに制定年については2011年前後という情報も見かけましたが、資料によって表記がまちまちで、はっきりした年は特定しきれませんでした。
あくまで仮説として受け取ってもらえればと思います。
由来となった人物、森本彦三郎という存在
日付の由来を知ると、この記念日がぐっと身近に感じられます。
和歌山生まれの青年がアメリカへ渡った理由
由来になっているのは森本彦三郎氏の誕生日、1886年(明治19年)8月11日です。
和歌山県出身で県立和歌山中学校を卒業した18歳のときに「文明の進んだアメリカで新しいことを学びたい」という思いだけでアメリカに渡ったそうです。
最初に働いていた食堂でマッシュルーム栽培の話を耳にして、そこから将来の目標に決めたというのがなんとも人間味があって、個人的には結構ぐっとくる話だなと思いました。
栽培成功までの遠い道のり
アメリカやヨーロッパでのマッシュルーム栽培技術は当時秘密にされていて、書籍だけでは核となる部分がわからなかったそうです。
栽培場でアルバイトをしながら技術を探るなど、地道な研究を積み重ねて明治45年(1912年)にようやく栽培に成功したという記録があります。
一方でウィキペディアの記述だと1920年に帰国、1922年に栽培成功という異なる年数が出てきていて、ここは資料同士で食い違いが見られます。
どちらが正確かは断定できないんですが、17年ほどアメリカやフランスで学んだという点は複数のソースで共通していました。
「キノコ栽培の父」と呼ばれるようになったのも納得の努力量だなと感じます。
マッシュルームの日が生まれた背景を深掘り
きのこ業界が抱えていた課題
夏はどうしてもきのこ類全体の消費が落ち込む時期らしく、それを盛り上げるための一手として8月11日にこの記念日を据えたという見立てがあります。
ざっくりした感じで言うと、記念日というPRの形を使って季節ギャップを埋めようとした戦略だったのかもしれません。
日本記念日協会が認定する意味
日本記念日協会の認定を受けているということは単に企業が勝手に名乗っているわけではなく、第三者機関としての一定のお墨付きがある状態なんですよね。
この仕組み自体、意外と知らない人が多い気がします。
マッシュルームという名前の由来も実は深い
由来って人物だけじゃなくて名前そのものにも歴史があるんです。
フランス語のmousseronから生まれた説
英語のmushroomという単語はフランス語のmousseron(苔の意味を持つmousseに由来)が語源になっているという説が有力です。
15世紀ごろにはmuscheronやmusserounという表記だったらしく、そこから徐々に今の形になっていったようです。
ただ、フランス語ネイティブの人の話では、champignonがきのこ全般を指す言葉で、mousseronはビーチの泡を指すこともあるらしく、語源解釈は一枚岩ではないみたいですね。
日本語ではツクリタケと呼ばれていた
日本ではマッシュルームは正式にはツクリタケという和名で、生産初期には「西洋マツタケ」という商品名で流通していたそうです。
個人的にはこの名前のギャップがすごく面白いなと感じました。
西洋マツタケという名前、今ではほとんど聞きませんもんね。
栽培の歴史を世界規模で見てみる
日本だけでなく世界的にも栽培のルーツをたどると意外な発見があります。
パリの地下採石場から広がった栽培文化
マッシュルームの栽培は17世紀中盤のフランス、パリ近郊で始まったとされています。
メロン栽培で出た堆肥を利用して育てたのが最初らしく、その後ナポレオン1世の時代にパリの地下採石場や地下墓地で盛んに栽培されるようになったことから、フランス語で「シャンピニオン・ド・パリ(パリのきのこ)」と呼ばれるようになったんだそうです。
地下という光の入らない環境が実は栽培にぴったりだったというのはちょっと意外ですよね。
19世紀末にはパリの地下鉄工事の影響で栽培地がロワール地方へ移されたという話もあり、都市開発と食文化がこんな形でつながっているのは興味深いなと思いました。
日本への伝来とその後の広がり
日本にこの栽培技術が入ってきたのはまさに森本彦三郎氏の帰国がきっかけです。
京都に森本農園という栽培舎を建てて、日本で初めてのマッシュルーム栽培を成功させただけでなく、輸入に頼っていた種菌の国内製造にも成功したというのはかなりすごい功績だなと思います。
さらにマッシュルームの缶詰を製造して海外へ輸出するなど、事業としても軌道に乗せていったそうです。
ちなみに現在流通しているマッシュルームの缶詰は原料の多くが中国産だという業界データもあり、栽培から加工、輸入の流れが時代とともにかなり変わってきているんだなと感じました。
栄養面から見るマッシュルームの魅力
由来だけじゃなく実際の栄養価も知っておくとより記念日を楽しめると思います。
ビタミンDが摂れる珍しい植物性食品
マッシュルームはビタミンDを含む数少ない植物性食品として注目されています。
紫外線に当たることでビタミンD2を生成する性質があって、100gあたり約0.3マイクログラム程度という数値もありますが、紫外線を多く当てた場合は80gで最大400IUものビタミンDを作れるという報告もありました。
この差はかなり大きくて、栽培環境によって栄養価が変わってくるというのは、正直知らなかったので驚きました。
まとめ
最後に今回の内容をざっくり振り返っておきますね。
- マッシュルームの日は毎年8月11日で、株式会社ワキュウトレーディングが制定し日本記念日協会が認定した記念日
- 由来は日本で初めてマッシュルーム栽培に成功した森本彦三郎氏の誕生日(1886年8月11日)
- 栽培成功の年については資料によって1912年説と1922年説があり、はっきりした断定は難しい
- 「マッシュルーム」という名前はフランス語のmousseronが語源とされているが解釈には諸説ある
- 栽培文化はフランスのパリ近郊から始まり、地下採石場という珍しい環境で広がった
- ビタミンDなど栄養面でも注目ポイントが多く、栽培環境によって含有量に差が出る

コメント