毎年8月20日が近づくとテレビやラジオでちょっとだけ話題になるのが「NHK創立記念日」ですよね。
でも正直なところ、名前は知っているけど詳しい由来までは分からないという方も多いんじゃないかなと思います。
この記事を読めばNHK創立記念日がどうして8月20日に定められているのか、そしてNHKという放送局がどんな経緯で生まれたのか、その歴史の流れがすっきり分かるようになっています。
放送業界の話って専門的で堅そうに見えますが、実はドラマみたいな展開もあって、けっこう面白いんです。
NHK創立記念日は何を記念する日なのか
まずはこの記念日そのものが何を指しているのかそこから整理していきますね。
1926年8月20日に起きたこと
NHK創立記念日は1926年(大正15年)8月20日に社団法人日本放送協会、つまりNHKの前身が発足したことにちなんで位置づけられている記念日です。
この日、それまで別々に活動していた東京放送局、大阪放送局、名古屋放送局という3つの社団法人が解散して、新たに設立された社団法人日本放送協会にすべての施設や従業員が引き継がれました。
つまり3つの放送局がひとつの組織にまとまった日というわけです。
設立総会は8月6日だった
ちょっと意外に思われるかもしれませんが、実は設立総会そのものは8月6日に開かれています。
この総会で当時の逓信大臣だった安達謙蔵の指名によって、初代会長に岩原謙三が就任することが決まりました。
つまり組織としての意思決定は8月6日にすでに済んでいて実際に3法人が解散して新法人が業務を開始したのが8月20日、という2段階の流れになっているんですね。
ここ、混同されがちなポイントかもしれません。
NHK創立記念日の由来をもう少し深掘り
なぜ8月20日という日付が「創立」の日として扱われているのか、その背景をさらに詳しく見ていきます。
東京・大阪・名古屋、3つの放送局が別々に生まれていた時代
そもそもNHKが1926年に一気に誕生したわけではなく、その前段階として1924年から1925年にかけて、地域ごとに放送局が個別に設立されていました。
東京放送局は1924年11月29日に設立され、1925年3月には仮放送を開始しています。
大阪放送局は同年6月、名古屋放送局は同年7月にそれぞれラジオ放送を始めました。
つまり日本のラジオ放送自体は1925年にすでに始まっていてNHKという統一組織ができたのはそこからさらに1年ほど後、ということになります。
なぜ統合が必要だったのか
3つの放送局がそれぞれ独立して運営されていたのは、正直なところ非効率だったんだろうなと思います。
放送設備の規格や運営方針がバラバラだと全国的にラジオを広めていくうえで支障が出てきますよね。
そこで逓信省の指導もあって東京・大阪・名古屋の3法人を解散させ、ひとつの社団法人としてまとめる方針が取られました。
この統合によって東京は関東支部、大阪は関西支部、名古屋は東海支部という形になり、それぞれ「中央放送局」という呼称で放送を続けることになったそうです。
初代会長・岩原謙三とNHKの発足
創立記念日を語るうえで欠かせないのが初代会長を務めた人物についての話です。
実業家としての顔を持つ会長
初代会長に就いた岩原謙三はもともと三井物産で活躍したのち、足利紡績や芝浦製作所の社長も務めた実業家でした。
放送の専門家というより、経営の手腕を期待されて招かれた人物だったようです。
1924年に東京放送局が設立された際には理事長を務めていて、その延長でNHK初代会長に指名された、という流れですね。
1926年8月6日から1936年7月12日まで、なんと10年近くにわたって会長職を務め上げています。在任中に心臓の病で亡くなったというのも、なんだか時代を感じさせる話だなと思いました。
全国中継網の完成と昭和天皇の即位放送
岩原会長の時代に特筆すべき出来事として、1928年(昭和3年)に全国中継網が完成したことが挙げられます。
これは昭和天皇の即位式を全国に放送するためだったという記録が残っています。
創立からわずか2年で全国規模の放送体制を整えたスピード感は、当時の国としての力の入れようがうかがえますね。
NHKという略称はいつから使われ始めたのか
ここは意外と知られていない部分で個人的にはこの記事の中でもいちばん面白いなと思うポイントです。
発足当初は「NHK」ではなかった
1926年に発足した時点では組織名は「社団法人日本放送協会」で、戦前の英語名称も「The Broadcasting Corporation of Japan」となっていて、「NHK」という略称は使われていませんでした。
「NHK」という呼び方が放送で実際に使われ始めたのは1946年3月4日からだそうです。
戦後になってからようやく浸透していったというのはちょっと驚きでした。
正式な略称として定められたのは1959年
さらに、「NHK」が正式な略称として定款に明記されたのは1959年4月22日だという点です。
つまり創立から30年以上経ってから、ようやく「NHK」という3文字が公式に認められたことになります。
日常的に使われていた呼び方が、後から正式なものとして採用されるというのは言葉の歴史としてもなかなか興味深い流れだなと感じます。
特殊法人化以降のNHKの歩み
創立記念日の1926年からさらに時代が進み、NHKは大きな組織改編を経験しています。
1950年の放送法とNHKの再出発
第二次世界大戦後、1950年(昭和25年)6月1日に放送法が施行されてNHKは社団法人から特殊法人として新たに設立されました。
ただ、1926年に設立された社団法人日本放送協会の業務はそのまま引き継がれていて、法律上も業務の継続性が明記されています。
つまり、今のNHKの「設立日」を1950年とする見方と1926年を創立の起点とする見方の2つが存在していて、これが記念日の話をちょっと複雑にしている部分でもあるんですよね。
テレビ放送、そして衛星放送へ
戦後の再出発以降、NHKは1953年にテレビ放送を開始し、1989年(平成元年)には衛星放送もスタートさせています。
ラジオから始まった組織がテレビ、そして衛星という新しい技術に対応していった過程は、日本の放送史そのものと言ってもいいくらいの広がりを持っているなと思います。
まとめ
NHK創立記念日について由来や歴史を整理してきました。最後にポイントをまとめておきますね。
- NHK創立記念日は1926年8月20日、東京・大阪・名古屋の3放送局が統合して社団法人日本放送協会が発足したことに由来する
- 設立総会自体は同年8月6日に開かれ、初代会長には実業家の岩原謙三が就任した
- 日本のラジオ放送自体は1925年から始まっていてNHKという統一組織はそこから約1年後に誕生した
- 「NHK」という略称が使われ始めたのは1946年、正式な略称として定款に定められたのは1959年
- 1950年には放送法に基づく特殊法人として現在のNHKが新たに設立され、1926年設立の団体の業務を引き継いでいる
こうして振り返ってみると8月20日という一日だけを切り取っても、その裏には10年単位、30年単位で積み重ねられてきた歴史があるんだなと感じます。
次に8月20日を迎えたときはラジオの第一声から始まったこの長い道のりを、ちょっと思い出してみるのも良いかもしれませんね📻


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