この記事を読めば8月29日がなぜ焼き肉の日なのか、その由来から日本での焼き肉文化がどう育ってきたのかまで、しっかりわかると思います。
毎年この時期になると
「そういえば焼き肉の日ってなんだっけ」
と気になる方、けっこう多いんじゃないでしょうか。
今日はそんな疑問をひとつずつ丁寧にほどいていきますね。
焼き肉の日とは何の日なのか
まずはこの記念日の基本を押さえておきましょう。8月29日がどんな日で誰が決めたのかを知ると、その後の話がすっと入ってきやすくなると思います。
全国焼肉協会が制定した記念日
焼き肉の日は1993年に事業協同組合の全国焼肉協会によって制定されました。
協会は焼肉店を運営する企業などで構成されていて、1992年10月に焼肉店経営者や業界関係者の交流と発展を目的として設立されたそうです。
設立の翌年にこの記念日ができたというのはけっこう早い動きだったんだなと感じます。
ちなみに協会は1998年に農林水産省の認可を受けていて、事業協同組合としての体制もしっかり整っているんですね。

語呂合わせが由来になっている
日付の理由はシンプルです。
8月29日を「や(8)きに(2)く(9)」と読む語呂合わせから決まったんですね。
数字を組み合わせただけと言われればそうなんですが覚えやすくて広まりやすい仕組みだなと個人的には感心してしまいます。
日本の記念日にはこういう語呂合わせ由来のものがけっこう多くて、焼き肉の日もその代表格と言えそうです。
焼き肉の日が生まれた理由をもう少し深掘り
語呂合わせだけが理由ではなくてそこにはちゃんとした目的も込められていたようです。
ここではその背景を見ていきますね。
夏バテ防止という狙いがあった
8月の終わりというのは夏の暑さで体力が落ちてきやすい時期ですよね。
全国焼肉協会はこの時期に夏バテ気味の人へ焼き肉を食べてスタミナをつけてもらいたいという思いを込めて制定したとされています。
スタミナ食としての焼き肉というイメージは昔からなんとなく持っていた方も多いんじゃないでしょうか。
実際、焼き肉には牛肉や豚肉から取れるビタミンB群やタンパク質が豊富に含まれていて、疲労回復に効くとされる成分も多いんですよね。
業界としての販売促進の意味合いも
目的はスタミナ補給だけじゃなくて業界全体の販売促進や地域社会への貢献という側面もあったみたいです。
この日を中心に、加盟している焼き肉店では社会福祉施設の方を店舗に招待したり、出張バーベキューを行ったりする活動が続けられているそうです。
単に売り上げを伸ばすだけじゃなく、地域とのつながりを大事にする姿勢が見えるのは、ちょっと意外だったし嬉しいポイントでした🍖
焼き肉という料理そのものの歴史をたどる
記念日の話だけじゃなくて、そもそも焼き肉という料理がどうやって今の形になったのかも知っておくと、この記念日の重みがぐっと増す気がします。
肉食が長く避けられていた時代
日本では675年、天武天皇によって肉食を禁じる詔が出されたと伝わっていて、明治時代に至るまでおよそ1200年間、表立った肉の消費は避けられていたと言われています。
これだけ長い間肉を食べる文化が制限されていたというのは正直かなり驚きました。
江戸時代には地方に「ももんじ屋」という獣肉を扱うお店があって、猪や鹿、馬、牛などが薬用や滋養強壮の目的でひっそり提供されていたようです。
近江牛のルーツともされる彦根藩の味噌漬け牛肉は、薬のような扱いで知られていたという話もあって、当時の肉との距離感がなんとなく想像できますね。
明治時代に焼肉という言葉が記録に残る
「焼肉」という言葉自体は明治初期の料理書、1872年発行の『西洋料理通』や『西洋料理指南』にすでに登場していて、焼いた獣肉を指す言葉として使われていたそうです。
当時はまだ西洋のバーベキューに近い感覚で受け取られていたようですがそこから日本独自のスタイルへゆっくり形を変えていったみたいです。
幕末には外国人の増加で屠畜業が広がり、神戸を中心に西洋式の処理法が導入されたことも、今の神戸牛ブランドにつながっているとされています。
戦後のホルモン焼きから今の焼き肉店へ
現代の焼き肉の形に大きく影響したのが戦後の食糧難の時代だと言われています。
当時、牛や豚の内臓は捨てられていたそうなんですが、在日朝鮮人の方々が闇市でその部分を直火で焼いて提供する屋台を始めたことが、ホルモン焼きの起源とされています。
そこからロースやカルビといった部位も提供されるようになり、今の焼き肉店に近づいていったという説がよく言われていますね。
大阪の鶴橋には今も焼き肉店が集まっていますが、あの一帯は元々闇市だった場所なんだそうです。
この由来については確定した資料が少なく、あくまで通説のひとつという前提で受け取っておくのがよさそうです。
肉の消費量から見える焼き肉人気の広がり
ここでちょっとした数字を紹介したいんですがこれがなかなか印象的でした。
1960年頃、日本人1人あたりの年間肉消費量はわずか3.5キログラムだったのに対して、2013年には30キログラムを超えるまでになったと言われています。
50年ほどでおよそ8倍以上に増えたということになりますね。
たれの普及が家庭への浸透を後押しした
この急激な変化には焼き肉のたれを大量生産して家庭に売り込んだメーカーの努力が関係しているとも言われています。
フライパンだけじゃなくホットプレートも家庭に広く普及したことで、家族で焼き肉を楽しむスタイルが定着していったようです。
肌感で言うと今の一人焼き肉ブームもこの流れの延長線上にあるのかなという気もしますね。
焼き肉ライクのような一人焼き肉専門のチェーン店が伸びているのも、家庭での焼き肉文化が個人の食スタイルにまで広がった結果なんじゃないかと自分では思っています。
夏バテ防止の三大記念日としての位置づけ
焼き肉の日は単独の記念日として語られることが多いんですが、実は近い時期にある食の記念日とセットで語られる場面もあります。
ここではその関係性だけ簡単に触れておきますね。
7月から8月にかけて集中する食の記念日
焼き肉の日は7月20日前後の土用の丑の日、7月23日の天ぷらの日とともに、夏バテ防止の三大記念日と呼ばれることがあるそうです。
いずれも精のつく食べ物を通じて夏の体力低下をカバーしようという発想が共通していますね。
土用の丑の日はうなぎ、天ぷらの日は天ぷら、そして焼き肉の日は焼き肉というふうに、それぞれ違う食材で似た目的を持っているのがちょっと面白いなと感じました。
まとめ
最後にこの記事の内容を整理しておきますね。
- 焼き肉の日は8月29日で、1993年に全国焼肉協会が制定した記念日です
- 日付の由来は「や(8)きに(2)く(9)」の語呂合わせによるものです
- 夏バテ気味の人にスタミナをつけてもらう目的と、業界の地域貢献という側面があります
- 日本では675年頃から明治まで肉食が長く避けられていた歴史があり、焼肉という言葉自体は1872年の料理書に登場しています
- 戦後のホルモン焼きが今の焼き肉店の形につながったという説が広く知られています
- 1960年から2013年までの間に、日本人の肉消費量はおよそ8倍以上に増えたと言われています
焼き肉の日について由来から歴史まで一通り追ってみましたが、語呂合わせのシンプルさの裏に、想像以上に長い食文化の積み重ねがあったんだなと改めて感じました。
8月29日はそんな背景を思い出しながら焼き肉を楽しんでみるのもいいかもしれませんね。
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