毎年9月8日が近づくと「国際識字デー」という言葉をニュースで見かけることがありますよね。
この記事を読めば国際識字デーがどんな記念日なのか、なぜこの日に定められたのか、その由来や歴史がしっかりわかります。
「聞いたことはあるけど詳しくは知らない」
という方も、
「子どもに聞かれて答えられなかった」
という方もこの記事を読めばすっきり説明できるようになると思います。
国際識字デーの基本情報
まずはこの記念日がどんなものなのか日付や制定した機関といった基本のところから押さえていきますね。
毎年9月8日に制定された国際デー
国際識字デーは毎年9月8日に世界各国で記念行事が行われる国際デーです。
制定したのはユネスコ、つまり国際連合教育科学文化機関になります。
1966年10月26日、ユネスコ第14回総会において9月8日を国際識字デーとすることが宣言されました。
実際に最初の記念日が祝われたのは翌1967年からで、以来ずっと途切れることなく続いているんですよね。
2026年は制定から60周年という節目にあたるそうでメキシコのチアパス州で記念式典が開催。
識字とは何を指すのか
そもそも「識字」という言葉自体、普段の生活ではあまり使わないかもしれません。
ユネスコの定義によると識字とは日常生活で使われる簡単で短い文章を理解し、読み書きできる能力のことを指します。
識字率は基本的に15歳以上の人口を対象に算出されていて、その国の教育水準を測る指標としても使われているんです。
読み書きができるかどうかは実は仕事に就けるかどうかや、社会に参加できるかどうかにも直結する、けっこう大きな問題だったりします。

国際識字デーが生まれた由来
ここではこの記念日がどういう経緯で生まれたのか、その発端になった出来事を順を追って見ていきます。
テヘラン会議での提案がきっかけ
国際識字デーの由来をたどると1965年9月8日にイランの首都テヘランで開催された「世界教育相会議」、通称テヘラン会議にたどり着きます。
この会議は世界各国の教育担当大臣が集まり、非識字問題の解消について話し合う場でした。
この場で、当時のイラン国王であったパーレビ国王が各国の軍事費のうち1日分を識字教育のための基金にあてるべきだと提案したんですね。
当時は東西冷戦のさなかで軍事費が膨らんでいた時代ですから、この提案はなかなか大胆な内容だったんじゃないかなと思います。
アメリカ議会への呼びかけとユネスコの制定
会議のあとアメリカのジョンソン大統領がこの提案に感銘を受け、テヘラン会議を記憶にとどめるため、またユネスコの識字教育への貢献に感謝の意を示すために、9月8日を国際識字デーにするようアメリカ議会に呼びかけました。
この流れを受けてユネスコが正式に1966年の総会で9月8日を国際識字デーとして宣言することになったわけです。
最初のきっかけが一国の国王による軍事費削減の提案だったという点は、あまり知られていないかもしれませんが、けっこう象徴的なエピソードだなと感じています。
国際識字デーが制定された背景
由来がわかったところで次はなぜこの記念日がそもそも必要とされたのか、その社会的な背景を掘り下げてみますね。
開発途上国の低い識字率という課題
1960年代当時、世界には読み書きができない人が非常に多く存在していました。
背景には貧困や差別、戦争といった要因によって教育を受けられる環境が整っていない地域が数多くあったことが挙げられます。
特にアフリカや一部のアジア地域では、教育インフラの不足が深刻な問題として認識されていました。
識字率の低さは単なる教育の遅れという話にとどまらず、貧困の連鎖や社会参加の機会喪失にもつながる、根深い課題だったんですよね。
世界の非識字問題
国連機関の発表によると2024年時点で世界にはおよそ7億7500万人もの非識字者がいるとされていて、そのうちの約3分の2は女性だと言われています。
半世紀以上前にこの記念日が生まれたときと比べれば識字率は大きく改善しているものの、地域差やジェンダー差が依然として残っているのが実情です。
この数字を見ると、国際識字デーが今もなお必要とされている理由がなんとなく腑に落ちる気がしますね。
参考:https://www.unesco.org/sites/default/files/medias/fichiers/2025/09/ild-2025-factsheet.pdf
国際識字デーの歴史的な歩み
制定からの歩みを振り返ると、この記念日がどのように育まれてきたかが見えてきます。
時代ごとの節目を追ってみましょう。
1967年の第1回開催から半世紀を超えて
初めての国際識字デーが祝われたのは1967年9月8日でした。
それ以来、毎年欠かさず世界各地で記念行事が続けられていて、2026年で60回目、つまり60周年を迎えることになります。
半世紀以上にわたって毎年テーマを変えながら継続されてきたという点は、国際デーの中でもかなり息の長い取り組みと言えるのではないかと思います。
毎年掲げられるテーマの変遷
国際識字デーは年ごとに異なるテーマを掲げて世界的な議論を呼びかけるのが恒例になっています。
2026年のテーマは「Literacy for people,the planet and prosperity(人々、地球、繁栄のための識字)」で、識字が社会的包摂や持続可能な未来、そして経済的な機会の拡大にどう貢献するかに焦点を当てているそうです。
テーマを通じて単に読み書きができるかどうかだけでなく、識字が環境問題や経済発展ともつながっているという視点を打ち出しているのが印象的だなと思います。
ユネスコ国際識字賞という取り組み
国際識字デーに合わせて、ユネスコは識字教育に功績のあった団体や個人を表彰する「ユネスコ国際識字賞」も授与しています。
こうした表彰制度があることで世界各地の草の根の識字教育活動にもスポットライトが当たる仕組みになっているんですよね。
地道な活動が国際的に評価される機会があるというのは、なかなか意義深いことだと感じます。
日本と国際識字デーの関わり
海外の話ばかりになりがちですが、日本国内でもこの記念日に関連した活動が行われています。
どんな取り組みがあるのか見ていきましょう。
世界寺子屋運動という日本発の活動
日本ユネスコ協会連盟は国際識字デーに合わせて「世界寺子屋運動」という活動を長年続けています。
江戸時代の寺子屋にちなんだこの取り組みは、開発途上国での識字教室や学びの場づくりを支援するもので、書き損じはがきを集めて活動資金にあてるなど、市民が参加しやすい形になっているのが特徴です。
個人的には江戸時代の教育文化を現代の国際協力に結びつけているところが、なかなかうまい発想だなと感じました。
日本の識字率が高い理由
ちなみに日本は識字率がほぼ100%に近い国として知られています。
この背景には江戸時代からすでに寺子屋という庶民のための教育機関が広く普及していたことや、明治時代以降に義務教育制度が早期に整備されたことが関係していると考えられます。
もちろん識字の定義や測定方法は国によって異なるため単純比較は難しい部分もありますが、教育インフラへの投資が識字率に直結するという点は、日本の歴史からもうかがえるのではないかなと思います。
まとめ
国際識字デーについて由来から歴史まで一通り整理してきました。
最後に要点をまとめておきますね。
- 国際識字デーは毎年9月8日、ユネスコが1966年に制定した国際デー
- きっかけは1965年のテヘラン会議でのパーレビ国王による軍事費削減の提案
- 開発途上国の低い識字率という社会課題が制定の背景にある
- 初開催は1967年で、2026年には制定60周年を迎える
- 2026年のテーマは「人々、地球、繁栄のための識字」
- 日本ではユネスコ協会連盟の世界寺子屋運動などが関連する取り組みとして知られている
識字という言葉は普段あまり意識しないかもしれませんが、世界にはまだ7億人を超える非識字者がいるという事実を知ると、この記念日の重みが少し違って感じられるのではないでしょうか。
9月8日を迎えたときにはぜひこうした背景も思い出してもらえたら嬉しいです。
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