この記事を読めば9月10日が「弓道の日」と呼ばれる理由や、この記念日が生まれた背景、そして誰がどんな思いで制定したのかがしっかりわかります。
なんとなく
「弓道の日ってあるらしいけど、詳しくは知らない」
という方、けっこう多いんじゃないでしょうか。
私も最初に耳にしたとき、正直「語呂合わせかな」くらいの軽い気持ちだったんですが、調べていくうちに背景にある人の思いや歴史がなかなか深くて、印象が変わりました。
今回はそのあたりを丁寧にお伝えしていきますね。
弓道の日とは何か
まずは弓道の日がどんな記念日なのか、基本情報から押さえていきましょう。
9月10日に制定された記念日
弓道の日はその名の通り毎年9月10日に定められている記念日です。
日本の伝統武道である弓道の魅力をより多くの人に伝え、この日にちなんで弓道大会などの催しを行うことを目的として制定されました。
記念日としての認定は一般社団法人日本記念日協会によって行われていて、平成27年、つまり2015年に登録されています。
意外と最近できた記念日なんですよね。
歴史がとても長い伝統武道である一方で、それを記念する日自体はまだ10年ほどしか経っていないというギャップが、個人的にはちょっとおもしろいなと感じます。
なぜ9月10日なのか
日付の理由はいたってシンプルです。
9と10という数字を「きゅう」「どう」と読み、これをつなげると「弓道(きゅうどう)」になるという語呂合わせから選ばれました。
日本語ならではの言葉遊びですよね。
数字の読み方をずらして組み合わせる記念日はほかにもいろいろありますが、弓道の日はその中でもかなり素直で覚えやすいタイプだと思います。
9月10日と聞いたら「きゅうどう」とすぐ変換できる人も多いはずです。
弓道の日の由来を詳しく解説
ここでは、この記念日がどのような経緯で生まれたのか、より踏み込んでお伝えします。
制定したのは大阪の弓具店
弓道の日を制定したのは、大阪市に本店を構える有限会社猪飼弓具店の代表取締役、猪飼英樹氏です。
弓道用品の製造と販売を専門に手がける会社で、大阪本店のほかに福岡市博多区にも支店を持っています。
猪飼弓具店自体の歴史はかなり古く、1941年に初代の猪飼秀重氏が御弓師である十九代柴田勘十郎氏に弟子入りし、滋賀県栗東市で弓師として独立したのが始まりだそうです。
そこから拠点を大阪に移し、代々受け継がれてきた職人気質を弓具に込めるという考え方を大切にしながら営業を続けているんですね。
弓道の日を制定した猪飼弓具店・代表取締役の猪飼英樹です!
— 猪飼 英樹 Hideki Ikai (@ikai_hideki) September 10, 2020
この日を弓道の日に制定しようとした理由は、弓道を知らない多くの方へ弓道の素晴らしさを知ってもらうことで、弓道をもっと普及させたいと思ったからです。
また、9月10日は9(きゅう)と10(どう)で語呂が良かったからです…#弓道の日 pic.twitter.com/eLttsn8Ifs
弓道の魅力を広めたいという思い
猪飼氏がこの記念日を制定した目的は、日本の伝統武道である弓道をもっと多くの人に知ってもらい、後の時代へ伝えていくことにあります。
弓具を扱う会社だからこそ、弓道人口の広がりや道具の伝統技術が途切れてしまうことへの危機感みたいなものがあったのかもしれません。
これはあくまで私の見立てですが、伝統文化を扱う職人の立場からすると担い手や愛好者が増えないと道具づくりの技術自体も先細りしてしまう心配があるように思います。
だからこそ、SNSという当時まだ新しかった発信手段を使って、弓道への関心を広げようとしたのではないでしょうか。
弓道の日にまつわる歴史
制定からこれまで、弓道の日がどんなふうに広がってきたのかを振り返ってみます。
2015年9月10日9時10分の盛り上がり
弓道の日が特に注目を集めたのは、制定初年の2015年9月10日午前9時10分です。
この時間帯に合わせて、多くの弓道家がSNS上で「弓道の日」というキーワードを投稿し、ちょっとしたお祭りのような盛り上がりを見せました。
9月10日9時10分というのも、数字の並びを意識した仕掛けなんでしょうね。
日にちだけでなく時刻まで語呂合わせにこだわるあたり、企画としてかなり練られているなと感じました。
翌年から始まった交流射会
この盛り上がりを受けて、翌2016年からは弓道の日を記念した交流射会が開催されるようになりました。
オンラインでの発信だけで終わらせず、実際に集まって弓を引く場を設けたという点は、ただの話題づくりで終わらせたくないという主催側の姿勢が表れているように思います。
ちなみに、弓道の日は英語圏の紹介記事でも取り上げられていて、Kyudo Dayという呼び方でハッシュタグ運動が海外の弓道愛好者にも知られているようです。
国内にとどまらず、世界の弓道コミュニティにもじわじわ浸透しているのかもしれませんね。
弓道の日が大切にする発信の形
なぜSNSでの発信という手段が選ばれたのか、その狙いを掘り下げてみます。
ハッシュタグを使った啓発活動
弓道の日には「#弓道の日」や「#9月10日」といったハッシュタグを使い、実践者どうしが投稿をシェアし合う文化が根付いています。
海外向けの紹介記事では、こうした投稿がトレンド入りすることを目指す動きもあると説明されていて、弓道を知らない人にも写真や動画を通じて興味を持ってもらうことが狙いなんだそうです。
普段は静かで内省的なイメージの強い弓道ですが、この日ばかりはSNS上でにぎやかになる。
そのギャップがなんだか微笑ましいなと個人的には思います。

流派を問わず祝われる一日
弓道の日は現代弓道の実践者だけでなく、日置流や小笠原流、本多流といった古くからの流派を稽古する人たちにも開かれた記念日とされています。
一つの団体や組織だけのものにせず、弓道に関わるすべての人、さらには弓道未経験の人まで巻き込もうとする姿勢がうかがえますね。
競技としての弓道と武道としての弓道、その両方を尊重しながら広めていこうという思いが込められているように感じます。
まとめ
今回お伝えした弓道の日のポイントを整理しておきますね。
- 弓道の日は毎年9月10日に制定されている記念日
- 日付の由来は9を「きゅう」10を「どう」と読む語呂合わせ
- 制定したのは大阪の有限会社猪飼弓具店代表取締役の猪飼英樹氏
- 2015年に日本記念日協会に認定され、同年9月10日9時10分にSNSで大きな話題となった
- 翌2016年からは交流射会が毎年開催されている
- SNSのハッシュタグ発信を通じて、流派を問わず弓道の魅力を伝える取り組みが続いている
こうして振り返ってみると弓道の日はただの語呂合わせの記念日というより、伝統文化を次の世代につなごうとする一人の職人の思いから生まれた日なんだなと感じます。
9月10日を迎えたら、ぜひ弓道という武道に少しだけ意識を向けてみてはいかがでしょうか。
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