毎年9月15日になるとなんとなく「敬老の日と似てる名前だけど何が違うんだろう」って感じませんか?
この記事を読めば老人の日の意味や由来、敬老の日との違い、そして今の時代にどんな取り組みが行われているのかがすっきりわかります。
名前が似ているせいで混同しやすいこの二つの日、実はしっかり調べてみると背景にちゃんとした歴史があって、個人的にはかなり奥が深いテーマだなと感じました。
老人の日とは何かをまず解説
ここでは老人の日がどんな法律に基づいて、いつ定められた日なのかを整理していきます。
制定した法律と日付
老人の日は老人福祉法という法律で定められた9月15日の記念日です。
厚生労働省の説明によると、老人福祉法の第5条には
「国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すため、老人の日及び老人週間を設ける」
と書かれています。
祝日ではなくあくまで福祉についての関心を高めるための記念日という位置づけなんですよね。
ちなみに9月15日という日付そのものは、あとで触れる歴史的な経緯からそのまま引き継がれたものです。
老人週間との関係
老人の日である9月15日から21日までの7日間は「老人週間」とされています。
この期間中は全国各地で高齢者の社会参加や健康長寿を後押しする行事が集中的に行われるんです。
全国社会福祉協議会が主唱団体の一つとなってキャンペーンを展開していて、内閣府や消防庁、日本医師会といった団体も名を連ねています。
単発のイベントというより1週間かけて福祉について考える機会をつくる、そんな仕組みになっているのが老人週間の特徴だと思います。
老人の日と敬老の日の違い
ここを読むと名前が似ている老人の日と敬老の日が、実は目的も根拠となる法律も違うということがわかります。
趣旨や目的の違い
敬老の日は「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日」として祝日法で定められた国民の祝日です。
一方、老人の日は「高齢者自身が生活の向上に努める意欲を促す」ことに重きを置いた日なんですね。
つまり敬老の日はお年寄りをお祝いする日、老人の日はお年寄り本人が元気に暮らすことや社会全体で福祉を考えることを促す日という違いがあります。
似た名前だからこそ、この目的の違いは意外と知られていないのかなという気もします。
祝日か記念日かという違い
敬老の日は祝日法に基づく国民の祝日で、休みになる日です。
それに対して老人の日は老人福祉法による記念日で祝日ではありません。
ですから9月15日が平日であっても会社や学校がお休みになるわけではないんです。
この違い、けっこう混同されやすいポイントだなと感じています。
老人の日ができた歴史的な経緯
ここでは老人の日という記念日がどうやって誕生したのか、その流れを時系列で追っていきます。
兵庫県野間谷村の敬老会が始まり
老人の日、そして敬老の日のルーツをたどると、1947年、当時35歳という若さで村長に就任した門脇政夫氏が、兵庫県多可郡野間谷村(現在の多可町)で「敬老会」を開いたことがきっかけだったといわれています。
長く社会に貢献してきたお年寄りに敬意を示すとともに、その知識や経験を次の世代へつないでいく場をつくろうという趣旨で、55歳以上の方を招いて村主催の敬老会が催されたそうです。
今の兵庫県多可町にゆかりのある行事がここまで全国に広がったというのは、かなり感慨深い話だなと思いました。
としよりの日から老人の日への呼び名の移り変わり
この野間谷村の敬老会に触発され、1950年には9月15日を「としよりの日」とする県民運動が兵庫県で始まりました。
翌1951年には中央社会福祉協議会(現在の全国社会福祉協議会)が全国運動として提唱し、9月15日を「としよりの日」、そこから21日までの1週間を運動週間とする活動が全国的に広がったんです。
ただ「としより」という呼び方の響きがあまり良くないという意見があったようで、1963年の老人福祉法制定にあわせて「老人の日」へと名称が変わりました。
呼び方一つでこんなに議論があったというのは、ちょっと意外な真実だなと感じます。
老人福祉法の制定と敬老の日の誕生
1963年に老人福祉法が制定され、9月15日が正式に「老人の日」として定められました。
そしてその3年後、1966年に祝日法が改正されて「敬老の日」が国民の祝日として誕生します。
もともと「としよりの日」として広まっていた活動が法律のうえでは老人の日と敬老の日という二つの形に整理されていったわけですね。
2001年の法改正で老人の日が復活した背景
2001年、ハッピーマンデー制度の導入にともなって祝日法が改正され、敬老の日は9月の第3月曜日に移動することになりました。
ところが9月15日という日付を変えることに反対する声もあったようで、あらためて老人福祉法が改正され、9月15日を「老人の日」、同日から21日までを「老人週間」とすることが定められたんです。
この改正は2003年から実施されていて、それ以降、敬老の日は移動祝日、老人の日は固定日という形で今に続いています。
個人的には日付にこだわった当時の議論があったからこそ、今でも9月15日という日が福祉の記念日として残っているんだなと感じました。
老人の日にちなんだデータ
ここでは老人の日の時期に発表される高齢者人口や百歳以上の方の統計を紹介します。
数字を見ると、老人の日が持つ意味がより実感できると思います。
65歳以上人口の推移
総務省統計局が敬老の日にあわせて発表しているデータによると、2025年9月15日時点の65歳以上人口は3619万人で、前年の3624万人に比べると5万人減少しました。
ただ、総人口に占める割合は29.4パーセントとなり、前年の29.3パーセントから0.1ポイント上昇して過去最高を記録しています。
人口自体は減っているのに割合は増え続けているというのが、日本の高齢化の現実を物語っているなと感じますね。
参考:https://www.stat.go.jp/data/topics/pdf/topics146.pdf
百歳以上の高齢者数と内閣総理大臣からの記念品
厚生労働省の発表では、令和7年、2025年9月1日時点の住民基本台帳に基づく百歳以上の高齢者の総数は99,763人で、前年比プラス4,644人となりました。
そのうち女性が87,784人で、全体のおよそ88パーセントを占めています。
老人福祉法が制定された昭和38年、1963年当時はわずか153人だったことを考えると、60年余りでここまで増えたのかとちょっと驚きました。
今年度中に百歳を迎える、または迎える見込みで「老人の日」に存命の方には、内閣総理大臣からお祝い状と記念品の銀杯が贈られる仕組みも続いています。
海外に住む対象者にも外務省を通じて大使館や総領事館から届けられるそうで、国を挙げてお祝いする姿勢が伝わってきますよね。
老人の日に私たちができること
ここを読むと老人の日という記念日を、単なる知識としてではなく日常の行動につなげるヒントが見つかります。
家族としての向き合い方
老人の日や老人週間は遠くに住む家族に電話をしたり、実家に顔を出したりするきっかけとしてちょうどいい時期だと思います。
敬老の日にプレゼントを贈るという方は多いと思いますが、老人の日から老人週間の1週間は、贈り物よりも「最近どう過ごしてる?」と話を聞く時間をつくるのに向いている気がします。
あくまで自分の見立てですがモノよりも会話の時間そのものが、高齢の家族にとって嬉しいことが多いんじゃないかなと感じています。
地域や職場でできる小さなアクション
老人週間のキャンペーンで紹介されている見守り活動やボランティアはいきなり大きなことを始めなくても、
- 近所の一人暮らしの高齢者に挨拶をする
- 町内会の集まりに顔を出してみる
そういった小さな一歩からでも十分意味があると思います。
職場でも老人週間の期間に合わせて介護や地域包括ケアについて話す機会をつくるのも一つの方法かもしれません。
福祉というテーマは自分には関係ないと思われがちですが、実はけっこう身近なところから始められるものなんですよね。
まとめ
老人の日につい、由来や歴史、そして今のキャンペーン活動まで整理してきました。
最後に要点をまとめておきます。
- 老人の日は毎年9月15日、老人週間は同日から21日までの7日間で、老人福祉法によって定められている
- 敬老の日は祝日法に基づく国民の祝日で9月の第3月曜日、趣旨や根拠となる法律が老人の日とは異なる
- ルーツは1947年に兵庫県野間谷村(現在の多可町)で開かれた敬老会にあり、としよりの日、老人の日、敬老の日という順で呼び名や制度が整理されていった
- 2001年の老人福祉法改正で、9月15日が改めて老人の日として固定され、老人週間もあわせて定められた
- 2025年時点で65歳以上人口は3619万人、総人口比29.4パーセントで過去最高、百歳以上の高齢者は99,763人にのぼる
- 令和8年の標語は「みんなで築こう健康長寿と地域共生社会」で、全国各地で見守り活動や多世代交流の取り組みが行われている
9月15日が近づいたらぜひこの記念日の背景を思い出しながら、身近な高齢者との時間を少しだけ増やしてみてはいかがでしょうか。

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