登山の日は毎年10月3日で「と(10)ざん(3)」という語呂合わせから生まれた記念日です
この記事では由来や始まりの経緯、そして今の私たちがこの日をどう使えるかまで、順番にお話ししていきます。
「明日って登山の日なんだっけ?」
「なんで10月3日なの?」
「そもそも誰が決めたの?」
と気になって、ここにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
実はネットで調べると制定の年や団体の説明がサイトごとに少しずつ違っていて、私も最初は戸惑いました。
その食い違いもあわせて整理したので最後まで読んでもらえたらうれしいです。
登山の日とは?まず押さえたい基本
ここでは登山の日がどんな記念日なのか、日付と性格を最初に整理します。
ここを読むとあとの由来や歴史の話がぐっと頭に入りやすくなります。
毎年10月3日、登山を楽しむための記念日
登山の日は毎年10月3日です。
山に登ることを楽しみ、自然に親しみ、安全についても考えるきっかけにしようという趣旨の記念日になっています。
国民の祝日ではないので学校やお仕事が一斉にお休みになるわけではありません。
カレンダーに赤い字で載っているタイプではなく、登山を愛する人たちの間で大切にされてきた日、というイメージです。
全国の山で行われる活動
登山の日のころには登山イベントや登山学校、レスキュー講習会といった活動が各地で行われています。
山に出かけて体を動かすと日頃のストレスから解放されて心身がリフレッシュできる、という趣旨の紹介もされています。
個人的には「記念日」というと買い物やグルメのイメージが先に浮かびがちなので、体を動かして学ぶ日というのがちょっと新鮮でした。
登山の日の由来は「とざん」の語呂合わせ
ここでは10月3日という日付が選ばれた理由を、語呂合わせと季節の両面から見ていきます。
ここを読むと、「なぜ10月3日?」という疑問がすっきりします。
10(と)と3(さん)で「とざん」
由来はとてもシンプルで、10を「と」、3を「さん」と読んで「とざん」と重ねた語呂合わせです。
ちなみに公式な資料で確認できる日付の由来はこの語呂合わせです。
法律の施行日や特定の登山記録を由来とする説明は私が確認した範囲の公式資料には見当たりませんでした。
秋のよい季節が選ばれた背景
もうひとつ、時期の面も見逃せません。
この記念日を作った山の団体は、行楽シーズンの真っ只中でしかも晴れの日が多い10月という時期を選んだようです。
語呂合わせで日付が決まったとはいえ、秋の山の気持ちよさを多くの人に知ってほしいという気持ちもあったのだと思います。
とはいえ、日付そのものは語呂合わせ、季節は活動を行うのにちょうどよかった背景、と分けて考えるのがいちばん正確そうです。
10月の山は場所によって別世界
ここは私の補足です。
10月は低い山なら紅葉のはしりで歩きやすい一方、標高の高い山では朝晩がかなり冷え込み、雪の便りが届くこともあります。
同じ10月3日でも近所の里山と北アルプスでは装備がまるで別物、と考えておくと安心です。
誰がいつ始めた?制定の経緯を整理
ここでは登山の日を始めた団体と年に食い違いが出る理由を整理します。ここを読むとサイトによって説明が違う理由が見えてきます。
始めたのは日本アルパイン・ガイド協会
登山の日を呼びかけたのは日本アルパイン・ガイド協会です。
現在の公益社団法人日本山岳ガイド協会の前身にあたる団体で、山のガイドをする人たちが集まる組織ですね。
「山岳ガイドの人たちが言い出した記念日」
と知ると、のちほど触れる安全登山の取り組みともしっくりつながります。
発案者としては同協会の重野太肚二さんの名前を挙げているサイトが複数あります。
ただ、これは一次資料まで確認できていないので、「そう紹介されることが多い」という程度に留めておきますね。
1991年と1992年、年が分かれる理由
制定年はサイトによって1991年だったり1992年だったりします。
全国山の日協議会の沿革には1991年に日本アルパイン・ガイド協会が10月3日を登山の日として集会を行った記録があり、同協議会の歴史解説では1992年に提唱されたと紹介されています。
つまり、「1991年にすでに活動があり、1992年に改めて提唱の形で広がった」と見るのがいちばん矛盾が少ない読み方です。
これは私の整理ですが「1992年制定」と一言で言い切るのは少し乱暴かもしれません。
「日本山岳会が制定」という説明について
もうひとつ、混乱のもとになりやすいポイントがあります。
インターネット上には「1992年に日本山岳会が制定した」と書いているページがありますが、日本山岳会と日本アルパイン・ガイド協会は別の団体です。
全国山の日協議会の解説では、呼びかけたのは日本アルパイン・ガイド協会とされています。
ですから、団体名の取り違えが広まった可能性が高いのではというのが私の見立てです。あくまで仮説ですけどね。
日本記念日協会の認定は1995年?
日本記念日協会が1995年(平成7年)に認定したという説明も一部にあります。
ただ、協会の公式ページで直接確認できたわけではないので、ここは「そう紹介されている」という程度で受け止めてください。
登山週間があった頃のお話
ここではかつて10月3日が1日だけでなく、9日間のイベントになっていた時期を紹介します。ここを読むと登山の日に込められていた熱量が伝わると思います。
10月3日から11日までの9日間
日本アルパイン・ガイド協会は、10月3日から11日までの9日間を「登山週間」としていた時期があります。
1日だけの記念日にとどめず、1週間以上かけて登山の魅力を広めようとしていたわけです。
集中登山にガイド祭り
期間中は人気の山での集中登山や、三ツ峠でのガイド祭り、東京都内で登山をすすめる催しなどが行われたとされています。
人気の山にみんなで一斉に登る「集中登山」って、聞いただけでちょっとワクワクしませんか?山のガイドさんたちが、登山をもっと身近にしたいと工夫していた様子が目に浮かぶようです。
今も続いているの?
気になるのはこの登山週間が今も続いているのかどうかですよね。
私が調べた範囲では、毎年同じ形で続いていると確認できる公式情報は見つかりませんでした。
ですから「かつて行われた時期があった」と書くのがいちばん誠実だと思います。
日本の登山文化と10月の意外なつながり
ここでは登山の日の話と合わせて知っておきたい、日本の近代登山の始まりを紹介します。ここを読むと「登山」という言葉の背景がちょっと立体的に見えてきます。
日本山岳会は1905年10月に誕生
日本で最初の山岳団体である日本山岳会は1905年(明治38年)に小島烏水らの手で設立されました。
最終的な打ち合わせが行われたのは10月14日、東京の飯田橋にあった料亭だったそうで、この日が設立の日とされています。
発起人は小島烏水を含む7人です。
当初の名称は「山岳会」でのちに「日本山岳会」になりました。
ウェストンの一言がきっかけに
きっかけの一つとして語られるのが、イギリス人宣教師のウォルター・ウェストンです。
1902年の来日時に小島烏水が訪ねて、山岳会の設立をすすめたといわれています。
山登りが信仰や測量のためだけでなく趣味として楽しまれるようになる、その入り口に立っていた人たちがいたということですね。
登山の日との関係は?ここは慎重に
「登山の日は日本山岳会の発足にちなむ」と説明するサイトも少なくありません。
ただ、公式な解説で確認できる由来は語呂合わせで、日本山岳会の設立と結びつける記述は私が見た範囲ではありませんでした。
しかも設立は10月でも、設立の日は14日です。
3日とは重なりません。
ここは私の推測ですが後から「10月に発足した」という事実が付け足された可能性もありそうです。
歴史の話としては面白いので並べて知っておくのは悪くないと思います。
今の登山の日は安全登山を考える日
ここでは登山の日の過ごされ方と安全面のデータを紹介します。ここを読むと記念日が「楽しむ」から「無事に帰る」へつながっている理由がわかります。
日本山岳ガイド協会の安全啓発活動
日本山岳ガイド協会は「百万人の山と自然安全のための知識と技術」という安全登山の啓発活動を進めています。
公開講座や実技講座を通じて、知識と技術を伝えています。
2026年10月3日(土)の登山の日には、東京都の御岳山で実技講座が予定されているとのことです。
過去には東京の文京シビックホールで「山を楽しむ、挑戦する、無事帰る!」という無料の公開講座が10月3日に開かれたこともありました。
このタイトルが今の登山の日をよく表している気がします。
山岳遭難のリアルな数字
数字を見ると現実が見えてきます。
警察庁によると、令和6年の山岳遭難は2,946件、遭難者は3,357人でした。そのうち死者と行方不明者は300人、負傷者は1,390人です。
都道府県別では長野県が321件ともっとも多く、北海道が189件、東京都と神奈川県が183件で続きます。
東京や神奈川でも多いのはちょっと意外でした。身近な山でも遭難は他人事ではありません。
参考:https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/r06_sangakusounan_gaikyou.pdf
いちばん多いのは「道迷い」
もう少し細かく見ると態様別では道迷いが30.4%でもっとも多く、転倒が20.0%、滑落が17.2%です。
「遭難というと滑落」というイメージを持っていた私には、驚きでした。
しかも警察庁は天候についての不適切な判断や、不十分な装備、体力に見合わない計画といった、知識と経験と体力の不足が原因になりやすいとまとめています。
つまり、備えれば減らせる部分がかなり大きいということですよね。
体づくりに役立つ体操も
安全登山のための体づくりでは鹿屋体育大学の山本正嘉先生らが制作した「Exhike(エクスハイク)」という体操の動画が紹介されています。
山に登る前の準備運動として、頭の片隅に置いておくと役に立ちそうです。
登山の日の過ごし方アイデア
ここでは10月3日を自分なりに楽しむための具体的なアイデアをまとめます。登山の経験がない方でも今日からできることが見つかるはずです。
初心者さんは低い山からゆったりと
登山の日だからといっていきなり高い山に挑む必要はまったくありません。
近所の低山や整備された遊歩道のある山で十分です。
個人的には、「山頂に着くこと」より「無事に気持ちよく帰ること」をゴールにするのがちょうどいいと思っています。
行く前にできる3つの準備
道迷いが最多という事実を踏まえて私なら次の3つは必ずやります。
- 地図アプリのオフライン地図を事前に保存しておく
- 登山届を出して、家族や友人にコースと帰宅予定時刻を伝える
- 日没時刻を調べて、早めの下山計画にする
秋は思った以上に日が短くなります。
肌感で言うと10月はまだ明るいと油断して、下山が遅れるケースが意外と多そうな気がします。
山に行けない日もできること
仕事や天気で山に行けない年だってありますよね。
そんなときは地図を広げて次に登る山を決めたり、ガイドさんが開く講座の情報を調べたり、装備を見直したりするだけでも立派な「登山の日」だと思います。
まとめ
登山の日についてここまでの内容を整理します。
- 登山の日は毎年10月3日で、10(と)と3(さん)を「とざん」と読む語呂合わせが由来
- 呼びかけたのは日本アルパイン・ガイド協会(現在の日本山岳ガイド協会)で、1991年に活動の記録があり、1992年に提唱されたとする解説がある
- 「日本山岳会が制定した」という説明は団体名の取り違えの可能性があり、日本山岳会の設立は1905年10月14日
- かつては10月3日から11日までの登山週間があり、集中登山やガイド祭りが行われた
- 令和6年の山岳遭難は2,946件で道迷いが30.4%でもっとも多い
- 備えと計画で減らせる部分が大きいので、無理のない山選びと事前準備が大切
天気と相談しながら近所の低山でも、地図を広げるだけでもかまいません。
自分のペースで「無事に帰るまでが登山」を意識して、秋の山を楽しんでくださいね⛰️

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