「ふくの日って毎月あるの?」
と気になってこのページに来てくれた方、正解です。
この記事を読めば毎月29日の「ふくの日」の意味・由来・歴史がまるごとわかります。
「ふくの日」には実は2つの起源があるんです。
一つは下関のふぐ(ふく)文化、もう一つは和菓子業界の販売促進。
知らなかった方も多いんじゃないでしょうか?ちょっと驚きました。
食と文化が交差する、意外と奥深い記念日の話を一緒に見ていきましょう。
ふくの日とは何か
毎月29日は「ふくの日」として制定されています。「ふ(2)く(9)」という語呂合わせが由来なんですが、実はこの記念日、制定した企業が2つあってそれぞれ意味が少し違うんですよね。
日本アクセスが制定した「ふくの日」(毎月29日)
毎月29日のふくの日を制定したのは東京都品川区に本社を置く総合食品商社・株式会社日本アクセスです。
この日の「ふく」は「福」、つまり幸福を意味します。
2017年(平成29年)に一般社団法人・日本記念日協会により正式に認定・登録されました。
目的はシンプルで和菓子市場の活性化と売上拡大。全国のスーパーマーケット約500店舗の和菓子売り場に販促物を設置し、消費者キャンペーンを展開しています。
毎月29日をふくの日としているのは「大福の日(2月9日)」と合わせて、年間を通じて和菓子の販売促進を行うためなんですね。なかなか戦略的だなと思いました。
下関ふく連盟が制定した「2月9日のふくの日」
もう一つのふくの日は2月9日限定です。
協同組合・下関ふく連盟が1980年(昭和55年)に制定し、ふぐの豊漁・航海の安全・ふぐ業界の発展を祈って毎年この日にイベントを行っています。
下関では毎年2月11日(建国記念の日)に「下関ふくの日まつり」として大規模なイベントも開催されています。

「ふく」という呼び名の由来
なぜ「ふぐ」じゃなくて「ふく」なのか。これ、知らないと少し不思議ですよね。
「不遇」を嫌って「福」を呼ぶ
山口県下関市では、古くから「ふぐ」を「ふく」と発音します。
「ふぐ」という音が「不遇(ふぐう)」に通じるため縁起が悪いとされ、幸運を意味する「福(ふく)」という呼び名が定着したのです。
ただし、これはあくまで諸説あるとのことで、正確な起源については研究者の間でも議論があります。若い世代は普通に「ふぐ」と発音することも増えているみたいです。
ふぐと日本人の歴史
ふぐと人間の関係はとにかく長い。思った以上に深くて驚きます。
縄文時代から食べていた事実
日本人がふぐを食べていた歴史は実に6000年前の縄文時代にまで遡ります。
縄文時代の遺跡から、他の魚や貝類とともにふぐ科の魚の骨が見つかっています。
下関の弥生時代の遺跡からも2000〜2500年前のものと考えられるふぐの骨が出土していて 農耕が発達する前からふぐが人々の食生活を支えていたことがわかるんです。
2500年以上の食の歴史。なかなかすごい数字ですよね。
豊臣秀吉が出した「河豚食禁止令」
ところが1592年〜1598年の文禄・慶長の役(豊臣秀吉の朝鮮出兵)の際、下関に集結した兵士たちがふぐを食べてふぐ中毒に相次いでかかったため、豊臣秀吉が「河豚食禁止令」を出したとされています。
この禁止令以降、ふぐ食は江戸時代を経て明治時代まで実に約300年にわたって禁じられていました。
江戸幕府も禁止令を出して各藩がそれぞれ「ふぐ食用禁止の掟」を設けるまでになったとのことです。禁止が禁止を生むという連鎖だったんですね。
伊藤博文がふぐを解禁した話
300年近い禁止に終止符を打ったのが初代内閣総理大臣・伊藤博文です。
1888年(明治21年)、伊藤博文が下関の料亭「春帆楼(しゅんぱんろう)」を訪れたその日、あいにく海が大しけで魚が一切捕れませんでした。
女将がお手討ち覚悟で禁制のふぐを御前に出すと、伊藤はその美味しさに感嘆し、「これほど美味いものを禁じるのはかえって国益を損なう」として当時の山口県令(知事)に働きかけふぐ食を解禁させたのです。
嵐が来なければあの女将が決断しなければ、私たちが堂々とふぐを食べられる日はもっと先だったかもしれません。ちょっとロマンのある話だなと感じます。
毎月29日のふくの日と大福の関係
和菓子の記念日ってけっこうよく考えられているんです。
日本アクセスが毎月29日をふくの日にした理由の一つは、「大福(だいふく)」と音がつながるからでもあります。
2月9日は同社が「大福の日」とも定めていて、「ふくの日」と「大福の日」を両輪にした形で通年の和菓子販促を展開しています。
「大福」の「福」が幸福を象徴するとして、和菓子売り場の活性化に結びつけているわけです。
そのほか5月29日は「幸福の日」、12月29日は「福の日」と、29のつく日付に「福」にまつわる記念日を散りばめているのも面白いなと思いました。
ふくの日が持つ意外な側面
ここ個人的にすごく興味深かった話です。
「同じ名前の記念日が複数存在する」という事実
ふくの日という名称は下関ふく連盟の制定したふぐ(2月9日)と、日本アクセスの制定した和菓子(毎月29日)の2種類が存在します。
同じ名前なのに主体が違い、対象が違う。これ、調べてみるまで気づかなかったです。
「ふくの日って何?」と調べると、ふぐのことを指す記事と和菓子のことを指す記事が混在して出てくるのは、この二重構造があるためなんですよね。
どちらが「正解」という話でもなくそれぞれ正式に制定されている記念日です。
まとめ
- 毎月29日のふくの日は株式会社日本アクセスが制定し、「ふ(2)く(9)」の語呂合わせ+「福=幸福」が由来
- 2月9日のふくの日は協同組合・下関ふく連盟が1980年(昭和55年)に制定し、ふぐ(ふく)の豊漁と業界発展を祈るもの
- 下関では「ふぐ」を「不遇」に通じるとして嫌い、「福(ふく)」と呼ぶ文化がある
- ふぐと人間の関係は縄文時代(約6000年前)から始まる
- 豊臣秀吉が1592年頃に「河豚食禁止令」を出し、以後約300年間禁止が続いた
- 1888年(明治21年)に伊藤博文が下関・春帆楼でふぐを食べ、解禁を働きかけた
- 毎月29日の「ふくの日」は和菓子(特に大福)の販売促進と連動した取り組みでもある
ふくの日はふぐへの敬意と、食文化を守ってきた人々の歴史、そして和菓子の「福」にまつわる願いが重なった、なかなか味わい深い記念日なんです。
毎月29日が来たらふぐ料理か大福を食べながらこの歴史を思い返してみると、ちょっと豊かな気持ちになれるかもしれません。😊
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