この記事を読めばEPAの日がいつ・誰が・なぜ制定したのか、そしてEPAが体にどう働くのかまで一通りわかるようになります。
「毎月30日がEPAの日」って聞いたとき、「あ、そういう記念日もあるんだ」くらいに思った方、多いんじゃないでしょうか。
でも調べてみるとこの記念日、意外としっかりした科学的背景と企業の歴史がセットになっていて、けっこう奥が深いんですよね。
日本人の食生活と健康への思いが詰まったちょっと心温まる記念日です。
EPAの日とは?基本情報
毎月30日は「EPAの日」です。
水産事業や食品事業を手がける日本水産株式会社(ニッスイ)が制定し、一般社団法人・日本記念日協会により2012年9月に認定・登録された記念日なんです。
毎月30日になった理由
日付の由来はシンプルなようで実はちゃんと考えられていて。「肉(29)を食べた次の日(30)には魚を食べてほしい」という思いが込められています。
毎月29日は「肉の日」として広く知られていますよね。
その翌日を「EPAの日」に設定することで、「肉を食べたら次の日は魚でバランスを取ろう」という食習慣を年間を通じて意識してもらいたい、というわけです。
個人的にはこのセットで覚える発想がなかなか賢いなと思いました。
記念日を作った目的
肉中心の食生活が当たり前になった現代人、EPAを含む魚を積極的に食べてバランスの良い食生活を一年中送ってほしいというメッセージが込められています。
「年間を通じて」という点がポイントで、だから毎月30日に設定されているんですね。
EPAとは何か?基礎知識
EPAとはエイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid)の略称で、体内でほとんど作ることができない必須脂肪酸の一種です。
体への主な働き
EPAの健康効果として研究で報告されているものをまとめるとこんな感じです。
- 中性脂肪を下げる
肝臓からの中性脂肪の放出を抑え、血中の中性脂肪を分解する働きがある - 血液をサラサラにする
血小板の凝集を抑制し、血栓ができにくくする - 動脈硬化・心筋梗塞の予防
血管の健康維持に役立つとされる - 炎症を抑える
免疫バランスの調整にも関与していると言われている
ちなみにDHAと一緒に語られることが多いEPAですが、DHAが脳内に入れるのに対してEPAは脳には入れないという違いがあります。
そのぶん、EPAは全身の血管系に広く働くイメージですね。
EPAの日の歴史的背景
この記念日が生まれた背景には60年以上前の医学的発見があります。
グリーンランドのイヌイット研究
1960年代、当時ヨーロッパで最も心筋梗塞による死亡率が高かったデンマークのダイアベルグ博士とバング博士が、ある「謎」に気づきました。
それは、グリーンランドに住むイヌイット(エスキモー)の人々に心筋梗塞がほとんど見られないという事実です。
1971年に発表された調査によると、イヌイットの人々はアザラシ・クジラ・魚を主食としていて血中の中性脂肪やコレステロールが少なく、EPAの値がヨーロッパ人に比べてきわめて高かったことが明らかになりました。
この研究が後の「オメガ3脂肪酸の心血管保護作用」という概念の出発点になったんです。
ニッスイのEPA研究開発史
この研究発表に目をつけたのがニッスイ。1978年にEPA研究に着手、1979年から大学との共同疫学調査を開始しています。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1978年 | イヌイット研究を受け、EPAの研究に着手 |
| 1980年 | 魚油から高純度EPAを抽出・精製する技術を世界で初めて開発 |
| 1988年 | EPAサプリメントを発売 |
| 1990年 | 閉塞性動脈硬化症の世界初の治療薬として医薬品承認 |
| 1994年 | 高脂血症の治療薬としても承認 |
| 2012年 | 「EPAの日(毎月30日)」を日本記念日協会に登録 |
世界で初めてEPAを医薬品として実用化したのがニッスイというのは個人的にちょっと驚いた事実でした。
医薬品としての承認からやがて食文化の啓発活動へ、という流れが見えてきますよね。
EPAが多い魚と食べ物
せっかく「EPAの日」を知るなら実際にどの魚に多く含まれるかも押さえておきたいところ。可食部100gあたりのEPA含有量の目安はこちらです。
| 魚の種類 | EPA(約mg/100g) | 特徴 |
|---|---|---|
| 大西洋サバ (ノルウェーサバ) | 1,800mg | 含有量トップクラス |
| サンマ | 1,400mg | 旬は9〜10月と短め |
| ブリ | 940mg | 冬の寒ブリは脂が豊富 |
| マイワシ | 780mg | バランスが良く日常的に手に入りやすい |
| マサバ | 690mg | 缶詰でも安定して摂れる |
| アジ | 300mg | サバ・イワシより少なめ |
DHAとEPAを合わせて1日1,000mg以上摂取することが望ましいとされています。
これはたとえばサンマの塩焼き半尾分、サバの水煮缶の約3分の1で達成できる量です。意外と少ない量で摂れるんですよね。
調理法での注意点
EPAは熱や酸化に弱いという性質があります。
焼き魚や揚げ物にすると多少は流出してしまうので汁ごと食べられる「煮魚」や「缶詰の汁も使う料理」がより効率的です。調
理法ひとつで吸収量がわりと変わってくるので、知っておくと得ですよ。
まとめ
- 毎月30日はEPAの日でニッスイが制定し日本記念日協会が2012年に認定した記念日
- 由来は「肉(29)の次の日(30)に魚を食べてほしい」という語呂合わせ
- 起源は1960〜70年代のイヌイット疫学調査にあり、EPAが心疾患リスクを下げる可能性を示したことがきっかけ
- ニッスイは1980年に世界初のEPA高純度精製技術を開発、1990年に医薬品として世界初の承認を取得
- EPAの主な働きは中性脂肪の低下・血液をサラサラにする・動脈硬化予防など
- 効率よく摂るにはサバ・サンマ・イワシが代表的で1日1,000mg以上が目安
- 調理は煮魚・缶詰活用がEPAの損失を抑えやすい

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