この記事を読めばプレミアムフライデーの意味や由来、歴史や企業事例、現在の状況までひととおり理解できます。
「なんとなく聞いたことあるけど、実はよく知らない」
という方、けっこう多いんじゃないかと思います。
毎月末の金曜日に午後3時に退社して消費を楽しもう、という官民連携のキャンペーンなんですが実はその誕生には日本社会の深い課題が絡んでいて、そこを知ると見え方がだいぶ変わります。
プレミアムフライデーとは何か
毎月末の金曜日、いつもより少し早く仕事を切り上げて買い物や外食や旅行などを楽しもう。
そういう呼びかけのキャンペーンです。
「プレ金」という言葉の意味
正式名称は「プレミアムフライデー」、略してプレ金(プレきん)と呼ばれています。
英語の「premium」には「高級な」「他のものより価値がある」という意味があり、ただの月末金曜日ではなく、ちょっと豊かで価値のある時間を過ごそうという意図が込められているんですね。
国民一人ひとりが「幸せや楽しさを感じられる体験(買い物や家族との外食、観光など)」を楽しめるよう、という経済産業省のパンフレット表現がわりと好きだなと思いました。
なぜ「月末の金曜日」なのか
これ、意外と知られていないポイントなんですが月末の金曜日が選ばれたのは理由があります。
月末は給与が支払われた直後のタイミングが多く、消費活動が自然と高まりやすいからです。
つまり、財布のひもが一番緩みやすい日を狙って設定されていたわけでなかなか計算された設計ですよね。
プレミアムフライデーが生まれた背景
2017年に突然生まれたように見えて、実はいくつかの社会的な流れが重なって誕生したキャンペーンです。
働き方改革との深いつながり
経済産業省と経団連(日本経済団体連合会)が中心となり、2016年に提唱された「働き方改革」の一環として考案されたのがプレミアムフライデーです。
当時の日本はデフレ脱却と賃金上昇が喫緊の課題で、余暇時間を意図的に作ることで消費を活性化しようという狙いがありました。
共働き家庭が当たり前になり、高齢化社会・少子化問題と相まって「がむしゃらに働くことで必ずしも幸せが得られるわけではない」という機運がじわじわと高まっていた時代でもありました。
電通事件が与えた衝撃
もう少し突っ込んだ背景として広告大手の電通に勤めていた高橋まつりさん(当時24歳)が2015年12月に過労で亡くなった事件が、日本社会に大きな問いを突きつけたことも見逃せません。
月100時間を超える残業が認定され、2016年9月に労災と認定されました。
この事件が社会全体に「日本の働き方を根本から変えなければ」という空気を作り、プレミアムフライデーのような取り組みが後押しされた側面があるんだろうなと個人的には感じています。

プレミアムフライデーの誕生と歴史
誕生から現在まで思ったよりいろいろな出来事がありました。
2017年2月24日・第1回の様子
初回のプレミアムフライデーは2017年2月24日(金)。東京・丸の内のカフェでは100人の会社員がシャンパングラスを持って午後3時を祝うイベントが行われ、国内外のメディアが報道しました。
経団連の会長は「毎月末金曜日の午後3時(できれば最遅でも午後3時まで)に仕事を終えられるよう、会員企業に呼びかけている」と会見で明言し、政府も全省庁に早帰りを促す通知を出しています。
認知率90%なのに定着しなかった現実
正直なところこれが一番の驚きでした。
第1回終了直後のアンケートでは、認知率は約90%という高い数字だったんですが、勤め先に「導入されている」と答えた人はたったの約15%。
「どちらともいえない」が40%以上を占め、賛成派は38%にとどまりました。
知っているけど自分には関係ない、という人が大半だったわけです。
みずほ総研の試算では年間0.2〜0.3兆円の消費押し上げ効果が見込まれていたんですが、実際の第1回の効果は「限定的」と評価されています。
中小企業での実施率の低さが特に課題で、そもそも月末は業務が忙しい職種も多く、「午後3時に帰れる現場じゃない」という声は当時からかなりありました。
肌感で言うと大企業向けのキャンペーンだったという印象は否めないんじゃないかと思います。

推進協議会サイトの閉鎖(2023年)
プレミアムフライデー推進協議会のウェブサイトは2023年6月に閉鎖されています。
情報発信の役割は経済産業省に引き継がれており、プレミアムフライデー自体の取り組みは継続されています。
ただ、2025年11月には経産省が注意喚起を出していて、閉鎖されたドメインを第三者が取得して偽サイトを立ち上げている事例が確認されています。
ウイルス感染や情報窃取のリスクがあるのでプレミアムフライデー関連のサイトにアクセスする際は公式の経産省ページを確認してください。
参考:【注意喚起】プレミアムフライデー推進協議会のHP閉鎖について
企業の取り組み事例😊
実際にどんな企業が、どう動いたのか具体的な事例を見ていきましょう。
大企業の具体的な取り組み
| 企業名 | 取り組み内容 |
|---|---|
| 三井住友銀行 | 月末金曜日の早帰り促進 |
| 大和ハウス工業 | 半日有給取得の推奨 |
| ソフトバンクテクノロジー | 15時退社制度の導入 |
| サントリー×TSUTAYA | 全国TSUTAYA店舗でプレミアム・モルツを125,000本プレゼント |
| 高島屋 | 2023年5月にコロナ5類移行に合わせてキャンペーン実施 |
サントリーは毎月最終金曜日にグループ国内社員約5,000人を対象に午後3時の退社を推奨し、主力ビールの拡販と働き方改革を同時に進めた事例として注目されました。
働き方改革の「きっかけ」として機能した部分
取り組みとしての直接的な消費効果は限定的だったとはいえプレミアムフライデーを活用して働き方改革に取り組んだ企業のうち、約7割が「効果があった」と回答しているデータもあります。
しかも従業員300人未満の中小企業でも6割以上が効果を実感しているので、消費喚起というよりは「社内の意識改革のきっかけ」として機能したケースが多かったのかもしれませんね。
実際にプレ金、何をしていたのか
プレミアムフライデーに早帰りできた人は何をしていたのかというと、「家でゆっくり過ごした」「外食・お酒を飲みに行った」がトップで、世代を超えて共通していました。
実際に早く帰れた人の約79%は外出を楽しんでから帰宅したというデータもあり、制度を活用できた人にとっては悪くない体験だったみたいです。
思った以上に「ただ家で休む」が多かったのはなんか正直でいいな、と思ったりも。

現在のプレミアムフライデーの状況
経産省が引き継いだ今も続いている
推進協議会のサイトは閉鎖されましたが、経済産業省がプレミアムフライデーの情報発信を引き継いでおり、毎月末金曜日を中心とした取り組みは現在も推奨されています。
経産省の方針では「職場や地域、個人の実情に応じた月末金曜・15時に限らない柔軟な取り組みも推奨」と、かなりゆるやかな形でアップデートされています。
まとめ
- プレミアムフライデーは2017年2月24日にスタートした官民連携のキャンペーンで毎月末の金曜日に早めに仕事を終えて消費を楽しむことを推奨するもの
- 「プレ金」の略称で呼ばれ、英語の「premium」=「価値がある」という意味が込められている
- 月末金曜日が選ばれた理由は、給与支払い直後で消費が高まりやすいタイミングだから
- 働き方改革の一環として経産省・経団連が主導し、電通過労死事件で高まった「長時間労働を変えよう」という社会的機運が背景にある
- 認知率は約90%に達したが導入企業は約15%にとどまり、消費喚起効果も限定的と評価された
- 推進協議会サイトは2023年6月に閉鎖、経産省に引き継ぎ。偽サイトが存在するので要注意
- 消費拡大よりも「社内の働き方意識改革のきっかけ」として機能した企業が多く、7割が一定の効果を実感
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