この記事を読めば「同窓会の日」がいつ・なぜ制定されたのか、そして「同窓会」という言葉そのものが持つ意外な歴史的背景まで一気に理解できます。
「毎月第3土曜日が同窓会の日?それってどういう意味?」
と思った方、けっこう多いんじゃないでしょうか。
実はこの記念日、あるインターネット黎明期のサービスと深く結びついていて調べてみると思いのほか面白い話が出てきます。
ちょっと懐かしいような切ないような気持ちにもなるかもしれません。
同窓会の日とは?まずは基本から
「同窓会の日」は毎月の第3土曜日に設定されている記念日です。
日付が特定の「月日」ではなく「毎月の第3土曜日」という形になっているのがこの記念日のちょっと変わったところ。
なぜ「毎月第3土曜日」なのか
この日付が選ばれた理由は第3土曜日が3連休になる確率が高いから、というシンプルなものです。
具体的には2000年に施行されたハッピーマンデー制度の影響が大きいんです。
この制度によって海の日(7月第3月曜日)や敬老の日(9月第3月曜日)などの祝日が月曜日に移動し、土日と合わせた3連休が生まれやすくなりました。
なので、少なくとも年に数回は「第3土曜〜第3月曜」がそのまま3連休になる仕組みになっているんですね。
同窓会って正直なところ「わざわざ平日を使ってまで参加したい」と思う人は少なくて、連休じゃないと予定を合わせにくい側面があります。
だからこそ「3連休になりやすい日」に設定されたというわけでこれは当たり前のようで、意外とよく考えられた設計だなと感じました。
制定したのは「株式会社ゆびとま」
この記念日を作ったのはウェブ同窓会サイト「この指とまれ!」を運営していた株式会社ゆびとまです。
目的は懐かしい再会と感動の場である同窓会により多くの人に参加してもらうこと。シンプルですがサービスへの愛情が伝わってくる動機ですよね。
「この指とまれ!」の誕生と波乱の歴史
「ゆびとま」というサービスを知らない世代も増えてきたと思うので少し掘り下げてみます。
1996年、個人が立ち上げたウェブサービス
「この指とまれ!」は1996年に小久保徳子さんという一人の女性が立ち上げたサービスです。
インターネットが日本に普及しはじめた翌年、つまり本当に草の根の時期に「ネット上で同窓生と繋がれる場所を作りたい」という発想でスタートしています。
長崎発のインターネットベンチャーとして当時メディアに注目され、2000年には法人化して「株式会社ゆびとま」へと組織替えが行われました。
登録ユーザーが111万人を突破した段階で法人化に踏み切っていてその成長の速さがよく分かります。
358万人が集まった巨大コミュニティに
ピーク時には全国約6万4,000校が登録され、会員数は358万人に達したといわれています。
当時のSNSも整っていない時代にこれだけの人を集めた同窓会サービスというのは、かなりすごいことだったんじゃないかと思います。
その後、会社の経営権が暴力団関係者に渡るというトラブルが発覚し、2009年5月にはサービスが一時停止。
同年6月に仮設サイトとして再開はされましたが往時の勢いは戻らなかったようです。インターネット史の一幕として、なんか感慨深い話ですよね。
「同窓」という言葉の由来
ここで少し視点を変えてそもそも「同窓会」の「窓」ってなんで窓なの?という話をしたいと思います。
これ、わりと知られていない話で、けっこう奥深いんです。
中国の故事に由来する「窓」の意味
「同窓」という言葉の語源は中国の晋の時代の故事にさかのぼります。
貧しくて油が買えず、蛍の光で書を読んだ車胤と窓の外の雪明かりで書を読んだ孫康という二人の学者の話。
この故事から「蛍雪の功」という言葉が生まれ、「窓=勉学の場」という意味が定着しました。
そこから派生して「同窓=同じ学び舎で同じ師に学んだ仲間」という意味になったのが「同窓」という漢語です。
つまり「窓」は字義通りの窓ではなく「学ぶ場所」を指しているんですね。
「蛍の光」との意外な繋がり
唱歌「蛍の光」の歌い出し「蛍の光、窓の雪」はまさにこの車胤と孫康の故事をもとにした歌詞です。
卒業式の定番曲がそのまま「同窓」という言葉の語源とつながっているわけで考えてみると、すごく奥行きのある話だなと思います。
日本では卒業式に「蛍の光」を歌う習慣がありますがそれ自体が「勉学の場を離れる」という意味を深く含んでいるんですね。
日本の同窓会はいつ始まったのか
明治時代に生まれた近代的な同窓会
日本に現代的な意味での同窓会が生まれたのは明治時代です。
明治以降、全国から学生が集まる近代的な学校制度が整備されるにつれ、出身校ごとに結束を図る動きが生まれました。
記録として残っている中で確認できる最も古い「同窓会」は明治21年(1888年)の赤坂小学校のものです。
同年、麻布小学校でも卒業生数十名が恩師とともに集まり「吐情会」と呼ばれる会を開いています。
一方、大学レベルでは一橋大学の校友会「如水会」の前身が明治22年(1889年)に創立されており、これも相当な歴史の深さを感じます。
派閥形成から「懐かしの再会」の場へ
当初の同窓会は政界や官界での出身校による派閥形成という側面が強かったといわれています。今のイメージとはずいぶん違いますよね。
現代では昔の仲間と会いたい、恩師にお礼を伝えたい、という純粋な動機がメインになっています。
時代が変わると同窓会の意味合いもここまで変わるんだなというのが、個人的には印象深かったです。
実は、同窓会は健康に良いという話
最後にひとつ、あまり知られていない事実を。
学術誌『Personality and Individual Differences』に発表された研究によると同窓会のような再会の場は「感謝の気持ち」を高める効果がある可能性が示されているそうです。
懐かしい思い出を共有することが、現在への感謝につながるというんですね。
それだけじゃなく、Mayo Clinicの研究では感謝の気持ちを持つことで睡眠の質や免疫力が向上することも確認されています。
社会的なつながりが希薄な中年層は、家族や友人と毎日交流できる人と比べて死亡リスクが39%高いというデータもあって、これはちょっと驚きました。
同窓会って「気が重い」と感じる人もけっこういると思うんですけど、実は心身にとって思った以上にポジティブな効果があるのかもしれないですね。
まとめ
この記事でお伝えしたことを整理すると、こんな感じです。
- 同窓会の日は毎月第3土曜日でウェブ同窓会サイト「この指とまれ!」を運営していた株式会社ゆびとまが制定した
- 第3土曜日が選ばれた理由はハッピーマンデー制度による3連休になりやすさ
- 「この指とまれ!」は1996年に個人が立ち上げ、最終的に358万人が登録した草分けサービス
- 「同窓」の「窓」は中国の故事に由来し、「学び舎・勉学の場」を意味する
- 日本の近代的な同窓会は明治21年(1888年)頃に始まったとされている
- 同窓会への参加は感謝の気持ちや社会的つながりを育み、健康面でも効果があるとする研究がある
「同窓会の日」というシンプルに見える記念日の裏側にこんなにいろいろな歴史が詰まっているとは、調べてみて初めて実感しました。
次の第3土曜日が来たら、ふと昔の仲間のことを思い出してみてはいかがでしょうか。

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