この記事を読めば5月3日が「ごみの日」とされる由来や背景、そして日本のごみ問題の現状まで、ひとつひとつ丁寧に把握できます。
毎年この日が来るたびに「なんとなく知ってる」で終わらせてしまっていた方にこそ、読んでほしい内容です。
「ごみの日」とは何か
5月3日を「ごみの日」として知っている方はけっこう多いと思いますがなぜこの日になったのか、ちゃんと説明できる人はそれほど多くないかもしれませんね。
語呂合わせから生まれた記念日
「ごみの日」は「ご(5)み(3)」という語呂合わせから5月3日に制定された記念日です。
ごみとは使い終わって役立たなくなった紙くずや食べかす、その他の不要物の総称で、この日はごみ問題への意識を高めることを目的に設けられています。
ちなみに、同じ「ごみ」つながりで5月30日には「ごみゼロの日」もあります。
「ご(5)み(3)ゼロ(0)」という語呂合わせでこちらは1975年に愛知県豊橋市の山岳会会長・夏目久男氏が始めた「530(ごみゼロ)運動」をきっかけに制定されたもの。
5月の間に2つのごみ関連記念日が集中しているのも、なかなか面白いですよね。
日本のごみの歴史
記念日の背景を知るには日本のごみ問題がどう発展してきたかを押さえておくと理解度が上がります。
江戸時代から始まるリサイクルの精神
実は日本のリサイクルの精神は江戸時代から根付いていたんです。
使い終わった紙を回収してちり紙に漉き直す「紙屋」や古着・古道具を扱う行商人など、現代でいうリユース・リサイクルの仕組みが庶民の日常に溶け込んでいました。
生ごみのような再利用できないものは空き地や川への投棄が常態化していて、たびたび禁止の触書が出されるほどでした。
明治〜戦後の廃棄物処理の近代化
明治時代になっても江戸時代そのままの廃棄物処理が続いていましたが伝染病がたびたび流行したことで、ようやく公衆衛生の観点から「汚物掃除法(明治33年)」が公布・施行されました。
これが日本における廃棄物処理の近代化の出発点と言えます。
高度成長期と「ごみ問題」の勃発
戦後の高度経済成長期に入ると便利な使い捨て製品が普及し、紙の大量消費やプラスチック容器が急増します。
ごみの量が激増したこの時代、「ごみ問題」は初めて社会問題として広く認識されるようになりました。
この流れを受けて1970年(昭和45年)に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」が制定され、各市区町村が地域の実情に合わせた廃棄物処理計画を策定する義務が生まれます。
これが現在も自治体によってごみの分別ルールが異なる理由です。
ごみゼロ運動の歴史と広がり
「ごみの日」を語るうえで欠かせないのが5月30日「ごみゼロの日」の誕生背景となった市民運動の存在です。
豊橋から全国へ広がった「530運動」
1975年(昭和50年)5月、愛知県豊橋市において「自分のごみは自分で持ち帰ろう」をスローガンに、当時の豊橋山岳会会長・夏目久男氏が「530(ごみゼロ)運動」を開始しました。
自然遊歩道への散乱ごみを何とかしたいという、草の根からの市民運動がきっかけです。
この活動はやがて全国へと広がり1985年(昭和60年)7月には10周年を記念した全国大会が開催され、毎年5月30日を「ごみゼロの日」とする宣言がなされました。
さらに1993年には厚生省(現・厚生労働省)が5月30日を初日とする「ごみ減量化推進週間」を制定し、全国的な環境保護活動の基盤が整います。
現在では5月30日から6月5日を「ごみ減量・リサイクル推進週間」として各地でさまざまな取り組みが実施されています。
今の日本のごみ問題、実は深刻です
記念日の由来を知ったうえで現在の日本のごみ事情を見てみましょう。数字が想像以上に大きくて、個人的にちょっとびっくりしました。
年間約3,900万トンのごみが出ている
環境省のデータによると令和5年度における日本のごみ総排出量は3,897万トンで、東京ドーム約105杯分に相当します。
1人あたり1日に出すごみの量は851グラム。
前年(880グラム)より減少してはいるものの、まだまだ大量のごみが毎日排出されている状況です。
参考:https://www.env.go.jp/recycle/waste_tech/ippan/r5/data/env_press.pdf
リサイクル率はわずか19.5%
日本のリサイクル率は令和5年度時点で19.5%です。
ドイツの約65%やベルギーの約60%と比べると大きな差があり、課題の大きさが伝わってきます。
とはいえ、例外的に鹿児島県大崎町は徹底した分別によってリサイクル率83.0%を達成していて、自治体の努力次第でここまで変えられるというのは、希望の持てる事例だと思います。
ごみ処理にかかる費用は国民1人あたり年間18,300円
あまり意識しないところですがごみを処理するためのコストも年々増加しています。
令和5年度のごみ処理事業経費は22,912億円で国民1人あたりに換算すると年間18,300円。
これは自分では払っている感覚がないだけで税金から負担されているコストです。
ごみを減らすことは家計にも間接的につながっているんですよね。
ごみの分別は自治体によって違う理由
「引越し先でごみの出し方が全然違って戸惑った」という経験、ありませんか?
廃棄物処理法が分別の自治体差を生んでいる
1970年制定の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」によって、各市区町村が地域の実情に合わせた廃棄物処理計画を策定することが定められています。
そのためごみの分別方法は燃えるごみ、燃えないごみ、粗大ごみ、資源ごみ(プラスチック、缶、びん、ペットボトル、古紙など)という大きな枠組みは共通でも細かいルールは自治体によってかなり違います。
全国1,741市区町村のうち生活系ごみの収集を有料化している自治体は82.0%(1,427市区町村)。
意外と多いと感じるかもしれませんがそれだけごみ処理のコストが逼迫しているということでもあります。
私たちが5月3日にできること
せっかく「ごみの日」という記念日があるので具体的なアクションにつなげてみましょう。
3Rを意識した暮らし
「3R」とはReduce(減らす)、Reuse(再利用する)、Recycle(資源化する)の頭文字です。
日本政府も令和12年度までにごみの総排出量を令和4年度比約9%削減する目標を掲げていて、個人の取り組みが積み重なることで数字は動きます。
自分でできることから始めてみるのがきっと一番の近道です。
- Reduce(リデュース)
買いすぎない・使い捨てを避ける・食品ロスを意識する - Reuse(リユース)
フリマアプリを使う・詰め替え製品を選ぶ・修理して使い続ける - Recycle(リサイクル)
自治体のルールに従って正確に分別する・集団回収を活用する
まとめ
- 5月3日の「ごみの日」は「ご(5)み(3)」の語呂合わせから制定された記念日
- 同日には「そうじの日」や「ゴミ片付けの日」も制定されている
- 日本のごみ問題は1970年代の高度成長期に深刻化し、廃棄物処理法の制定につながった
- 市民運動から生まれた「530(ごみゼロ)運動」が全国に広まり、5月30日「ごみゼロの日」の誕生につながった
- 令和5年度の日本のごみ総排出量は3,897万トン、1人1日あたり851グラム
- 日本のリサイクル率は19.5%と欧州に比べて低く自治体差も大きい
- ごみ処理費用は国民1人あたり年間18,300円にのぼる
5月3日は憲法記念日として休日を楽しむ方も多い日ですが、ちょっとだけ立ち止まって自分の暮らしとごみの関係を見つめ直すきっかけにしてみてください。
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