この記事を読めばみどりの日の意味や由来、歴史の流れが一通りわかります。
「ゴールデンウィーク中にある祝日だけど、なんで『みどり』なの?」
って思ったことはありませんか?
実はこの祝日、1989年から数えてすでに1度、日付が変わっているんです。
しかも昭和天皇の自然への深い想いが名前の由来に関わっていて知れば知るほど味わい深い。
みどりの日ってそもそも何の日?
みどりの日の意義をひとことで言えば、「自然に感謝して、心を豊かにする日」です。
国民の祝日に関する法律(祝日法)第2条ではみどりの日について
「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」
と定めています。
なかなか格調のある言葉ですよね。
法律で定められた趣旨
祝日法の第1条では
「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために」
国民の祝日を定める、という前置きがあります。
みどりの日は単に「お休みの日」じゃなくて自然の恵みに気づいて感謝する、そういう意味を持った祝日なんです。
ちなみに4月15日から5月14日の1か月間は「みどりの月間」とも呼ばれていて、この期間中に全国各地で緑化関連の行事が重点的に開催されます。
みどりの日はその中心に位置する日、という位置づけでもあります。
みどりの日の歴史と由来
この祝日の成り立ちは昭和天皇の崩御という出来事に深く結びついています。
もともとは「天皇誕生日」だった
4月29日は昭和天皇がご存命中、天皇誕生日として国民の祝日でした。
そのルーツをたどると天皇の誕生日を祝う「天長節」まで遡れます。
天長節という名は「天長地久」(天は長く地は久し)という老子の言葉が由来で、天皇の治世が永遠に続くようにという願いが込められていたそうです。
起源は775年、光仁天皇の誕生日を祝ったことにあるとされています。
その後、1948年(昭和23年)に4月29日が「天皇誕生日」として正式に制定されました。
昭和天皇崩御とみどりの日の誕生
1989年(昭和64年)1月7日、昭和天皇が崩御されます。
元号が昭和から平成に変わったことで4月29日は「天皇誕生日」ではなくなりました。
ただ、長年休日として親しまれてきた日を廃止するのは難しい…
そこで登場したのが「みどりの日」という名称です。
「みどり」という名前が選ばれた理由は「昭和天皇は植物に造詣が深く、自然をこよなく愛されたことから、緑にちなんだ名がふさわしい」という主旨から来ています。
実際、昭和天皇は生物学者として世界的に高い評価を得ていて100種類以上の新種を発見し、9編の専門論文と20冊以上の生物学書籍に関わるという研究実績を残されていました。
「雑草という名の草はない」という有名な逸話
そのご人柄を象徴するエピソードとして、「雑草という草はない」という言葉は有名です。
三木武夫政権のときに農林大臣を務めた安倍晋太郎氏が、昭和天皇のご旅行先で「ここから先は雑草です」とご説明したところ、天皇は「雑草という草はない」とおっしゃったとされています。
植物それぞれに固有の名前と生き方があるそういう視点を持ち続けた方だったんですね。
この言葉は牧野富太郎博士の植物研究への情熱に感化されたものとも言われています。
自然への深い敬意を持ち続けた昭和天皇の名残として「みどりの日」という名前が生まれた、という背景を知ると、この祝日の見え方が少し変わる気がしませんか?
なぜ5月4日なの?日付変更の経緯
実は最初から5月4日だったわけではなく、2007年まではみどりの日は4月29日でした。
「昭和の日」制定との関係
時代が進むにつれ、「昭和という時代を振り返る日を作りたい」という声が高まってきました。
4月29日を「昭和の日」として制定しようという動きが生じ、2005年(平成17年)の法改正で正式に決定します。
内閣府の説明では「青葉若葉の時節であり、ゴールデンウィーク中の一日である5月4日をみどりの日とすることとされた」とあります。
確かに5月4日のほうが新緑の季節感とぴったりですよね。
5月の濃い緑の空気の中でこそこの名前は似合うかもしれません。
2007年以前の5月4日はどんな日だった?
これ、意外と知られていない話なんですが2007年より前の5月4日は祝日でも記念日でもなく、祝日法の規定による「休日」でした。
憲法記念日(5月3日)とこどもの日(5月5日)という2つの祝日に挟まれた日に当たるため、自動的に休日とされていたんです。
みどりの日が移ってきたことで、
5月4日は「なんとなく休み」から「意味のある祝日」へとアップグレードされた、ということでもあります。
みどりの日の日付変更まとめ
| 時期 | 4月29日 | 5月4日 |
|---|---|---|
| ~1988年 | 天皇誕生日 | 挟まれた休日 |
| 1989年~2006年 | みどりの日 | 挟まれた休日 |
| 2007年~現在 | 昭和の日 | みどりの日 |
この表を見ると、2つの日が入れ替わるように動いた経緯がよくわかると思います。
みどりの日にできること 関連行事
知識として覚えるだけじゃなくせっかくなら実際に楽しみたいですよね。
入園無料になるスポットが多い
みどりの日は全国各地の動植物園や水族館、庭園などが入場無料になることが多い日です。
東京都内でも葛西臨海水族園、上野動物園、多摩動物公園、小石川後楽園、神代植物公園などが無料となるケースがあります。
自然に親しむという趣旨に沿って一歩外に出るきっかけになりますよね。
※施設によって年度ごとに対応が変わることもあるのでお出かけ前に公式サイトを確認するのがおすすめです。
みどりの月間とみどりの感謝祭
4月15日から5月14日は「みどりの月間」です。
この月間の締めくくりとして農林水産省・林野庁が中心となって「森と花の祭典―みどりの感謝祭」が開催されます。
皇族殿下のご臨席のもと行われる式典のほか、一般の方が無料で参加できる「みどりとふれあうフェスティバル」も同時開催されます。
みどりの学術賞という賞もある
あまり知られていないかもしれませんがみどりの月間には「みどりの学術賞」という賞の授与式も行われます。
緑に関する学術上の顕著な功績を持つ個人が表彰される賞で、昭和天皇の生物研究への深い関わりを反映した賞とも言えるかもしれません。
まとめ:みどりの日のポイントをおさらい
- 5月4日が「みどりの日」。「自然に親しみ、その恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」日として祝日法で定められている
- 起源は4月29日の「天皇誕生日」。昭和天皇崩御後の1989年に「みどりの日」となり、2007年から5月4日へ移動した
- 「みどり」という名前は自然と植物をこよなく愛した昭和天皇のお人柄にちなんで名づけられた
- 昭和天皇の「雑草という草はない」という言葉はその自然観を象徴するエピソードとして語り継がれている
- みどりの日には全国の動植物園が入場無料になるスポットが多く、また「みどりの月間」として4月15日〜5月14日に各地で緑化行事が開催される
「ゴールデンウィーク中のなんとなく休みの日」だと思っていたみどりの日が、実はこれだけ深い背景を持つ日だったとは、ちょっと意外でしたか?
自然への感謝という視点で5月4日を過ごしてみるといつもとは少し違う連休になるかもしれません。

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