この記事を読めば5月5日「手話の日(手話記念日)」の由来や制定の背景、手話の歴史、そして9月23日の「手話言語の国際デー」との違いまで、ひとつひとつ丁寧に理解できます。
「5月5日ってこどもの日じゃないの?」
そう思っている方もいると思います。
実はこの日、手話の日(手話記念日)でもあるんです。
なんか、あまり知られていないですよね。
でも、その背景には手話の普及を願い続けたある人物の強い思いがあってそれを知るとちょっとグッとくるものがあります。
5月5日「手話の日」とは
誰がいつ制定したのか
手話の日(手話記念日)は2003年(平成15年)に日本デフ協会が制定しました。
提唱したのは耳が聞こえない写真家・後藤田三朗(ごとうだみつお、1956〜2012年)氏です。
自らがろう者として生きてきた経験から、「もっと多くの人に手話を知ってほしい」という思いで発案されたそうで、個人的にはとても心に刺さる話だなと感じています。
ちなみに日本デフ協会は聴覚障害者の権利向上を目的とした団体で、この記念日の制定を機に手話への理解を広める活動を続けています。
なぜ「5月5日」なのか
日付の由来はシンプルですがなかなか洒落が効いています。
手話は右手の5本指と左手の5本指、両手を使うことから、「5・5=5月5日」に選ばれました。
また、「手と手で話す、指と指が語り合う」という意味も込められているんです。
こどもの日と同じ5月5日というのも意味深でいい。
子どもも大人も、きこえる人もきこえない人もみんなが対等に語り合える社会を、という象徴のような気がします。
9月23日「手話言語の国際デー」との違い
5月5日の手話の日は日本国内で制定された記念日で9月23日の「手話言語の国際デー」は国連が定めた国際的な記念日です。
| 5月5日(手話の日・手話記念日) | 9月23日(手話言語の国際デー) | |
|---|---|---|
| 制定主体 | 日本デフ協会(2003年) | 国連総会(2017年決議) |
| 対象 | 日本国内 | 世界各国 |
| 日付の由来 | 手話が左右5本指を使うことから | 1951年世界ろう連盟設立日に由来 |
| 法的根拠 | なし(記念日として制定) | 国連総会決議、日本では手話施策推進法(2025年施行) |
さらに補足すると2025年6月に施行された「手話施策推進法」によって、9月23日は日本の法律にも明記された「手話の日」として正式に位置づけられました。
ですから今後は、「5月5日=手話記念日(日本デフ協会制定)」「9月23日=手話の日(法律に基づく)」という使い分けが一般的になっていくのかもしれませんね。
手話の歴史を知ると見えてくること
手話が「禁止」されていた時代
少し驚く話をします。
1880年、イタリアのミラノで開かれた国際的なろう教育の会議(ミラノ会議)で、「口話(こうわ)が手話より優れており、学校での手話使用を禁止する」という決議が採択されました。
この決議によって世界中のろう学校から手話が排除されていったんです。
日本でも影響は深刻でした。
1933年(昭和8年)には文部大臣の訓示によって口話法推進が決定的となり、ろう学校での手話使用が事実上禁止される状況になります。
「みっともない」
「猿真似」
などと言われてきた歴史もあって当時のろう者がどれだけ苦しんだか…まあ、想像するだけで胸が痛くなりますよね。
復権への転換点
ミラノ会議から130年後の2010年、バンクーバーで開かれた聴覚障害教育国際会議で歴史的な転換が起きます。
1880年の決議を全面撤廃し、「ろう教育はすべての言語を受け入れる」という新たな方針が示されました。
日本国内でも動きが続きます。
2011年(平成23年)に障害者基本法が改正され、法律に初めて「言語(手話を含む)」という文言が明記されました。
手話が日本の法律で「言語」と認められた初めての瞬間だったんです。
ただ、これはあくまで法律上の定義にとどまり、教育や行政での実質的な制度変更はすぐには伴いませんでした。
そこから今日まで制度を整えていく取り組みが続いています。
手話とはどんな「言語」なのか
音声言語とは根本的に違う
手話はただの「ジェスチャー」ではありません。
文法構造を持ち、複雑な意思疎通が可能な独立した言語です。
指の形(指文字)で五十音を表す方法と単語や動作を直接的に表す手話単語があって、これらを組み合わせて会話します。
実は手話は国ごとに異なっていて「国際手話」があるにしても日本手話、アメリカ手話、イギリス手話はそれぞれ別の言語といえます。
英語を話すからといってアメリカ人とイギリス人の手話がまったく同じかというと、そうでもないんです。意外ですよね。
「5本指」が持つ意味
手話の日が5月5日なのは右手と左手それぞれ5本の指を総動員して表現するからです。
数字の「1」から「5」を表す際にも指を使い分け、さらに手の向きや動かし方の組み合わせで膨大な表現が可能になります。
個人的に思うのは両手の10本指をフルに活かして言葉を作る、その豊かさが「5月5日」という日付に凝縮されている感じがしてなんか、ロマンがあるなと。
手話の日をきっかけに何ができるか
「知る」から始める一歩
手話を完璧にマスターしなくてもまずは指文字(五十音)だけでも覚えてみるのがおすすめです。
自分の名前を指文字で表せるだけで、ろう者との間に小さな橋がかかる感覚があります。
それに最近はSNSやドラマ、映画などで手話が登場する機会も増えてきています。以前より手話が身近になっているのは確かで、こういう流れが続くといいなと思っています。
社会全体の変化を知る
2025年6月に施行された「手話施策推進法」は手話をより広く社会に浸透させるための法律です。
法的な整備が進むことで、学校や行政窓口での手話通訳体制が充実していくことが期待されています。
ろう者が手話で情報にアクセスできる権利は音声言語を使う人の権利と同等でなければならない、という考え方が、ようやく法律にも反映されてきた段階といえます。
記念日の一日だけでなく、日常的にこうした視点を持ち続けることが大事なのかもしれませんね。
まとめ
- 5月5日の手話の日(手話記念日)は2003年に日本デフ協会が制定した記念日で、提唱者は耳が聞こえない写真家・後藤田三朗氏
- 日付の由来は「手話が左右の5本指を使うことから5・5=5月5日」
- 9月23日は「手話言語の国際デー」(国連総会2017年決議)かつ「手話の日」(手話施策推進法・2025年施行)として別途定められている
- 1880年のミラノ会議で手話がろう教育から排除され、2010年のバンクーバー会議でその決議が撤廃された
- 日本では2011年の障害者基本法改正で初めて法律に「手話は言語」と明記された
- 手話は独自の文法を持つ独立した言語であり、国や地域ごとに異なる
5月5日という日に手話のことをほんの少しでも意識してみるきっかけになれば嬉しいです。
指文字で自分の名前を調べてみるだけでも、新しい世界が開くかもしれませんよ。

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