この記事を読めば5月15日が「ストッキングの日」になった理由や、ストッキングのルーツから日本への普及まで、まるごとわかります。
「ストッキングって、いつから女性が履くようになったの?」
「5月15日って何かあったっけ?」
そんな素朴な疑問を持ったことはありませんか?
実はこの記念日、ファッション史をガラッと変えたけっこう大きな出来事がきっかけになっているんです。
ストッキングの日とは何か
5月15日は「ストッキングの日」です。
1940年(昭和15年)のこの日、アメリカの化学会社デュポン社がナイロン製ストッキングを全米で発売したことに由来しています。
この日は英語で「N-DAY」とも呼ばれ、当時のアメリカ人の記憶に強く刻まれた歴史的な日なんです。
誰が制定したの?
日本の「記念日」として広く認知されているものの、特定の団体が正式に制定したという明確な記録は確認できていません。
あくまでも「歴史的な出来事にちなんだ日」として、記念日として語り継がれているものとみられています。
ナイロンストッキング誕生の背景
ナイロンストッキングの登場は繊維の世界における革命でした。それまでストッキングといえば絹製が主流で、非常に高価なものだったんですよね。
ナイロンを発明した男の話
ナイロンを開発したのはアメリカの化学者ウォーレス・カロザース(1896〜1937年)です。1928年に31歳でデュポン社に招かれ、10年近い研究の末、1935年についに世界初の合成繊維「ナイロン」の合成に成功しました。
当時のキャッチフレーズは「石炭と水と空気から作られ、鋼鉄よりも強く、クモの糸より細い」というもの。今読んでも、なんかロマンがありますよね。
ところが彼はナイロンストッキングが発売される3年前の1937年に、41歳という若さで自ら命を絶ちました。
自分の発明がどれほど世界を変えたか本人は知らなかったわけです。ちょっと切ない話だなと思います。
発売前日、テスト販売で何が起きたか
全米発売の前年、1939年10月24日にデラウェア州ウィルミントンでテスト販売が行われました。4,000着を売り出したところ、なんとわずか3時間で完売。
この反応を受けて1940年5月15日に全米販売を開始。
なんと500万足が4日間で売り切れたという記録もあります。
初年度だけで6,400万足を売り上げた大ヒット商品になりました。

実はもともと男性のものだった
「えっ、ストッキングって男性が履いてたの?」って思った方、意外と多いんじゃないでしょうか。
ストッキングのルーツは中世ヨーロッパの男性貴族が履いていた「ホース」と呼ばれた長靴下にあるとされています。
ジャケットに短いパンツを合わせ、その下に膝まである絹製の長靴下を合わせるというスタイルが、当時の上流階級の男性ファッションでした。
イギリスのヘンリー8世がシルクストッキングを知ったのは1547年のこと。その娘エリザベス1世も1558年にスペインから贈られた黒のシルクストッキングを愛用していたそうです。
いつ女性のものになったの?
16世紀に編み物技術が発達するなかで「ストッキング」という呼称が生まれ、女性用として広まったのは17世紀頃とみられています。
要するに今は完全に女性アイテムのイメージがありますけど、歴史をさかのぼるとまったく逆だったわけです。
日本にストッキングが広まった経緯
日本でストッキングが本格的に普及したのは第二次世界大戦後のことです。
アツギの創業と日本初のシームレスストッキング
1947年、神奈川県海老名市にアツギの前身「厚木編織株式会社」が創業しました。
創業者の堀禄助は「やがて人々は食の次に衣を求めるようになる」と確信して、ナイロンやシルクをおしゃれに使う製品開発に取り組み始めたんです。
1955年には日本で初めて脚の後ろに縫い目のない「シームレスストッキング」の製造に成功。
この技術が日本のストッキング産業の礎になりました。
ツイッギー来日が火をつけたパンスト革命
1967年(昭和42年)10月18日、イギリスの伝説的モデル・ツイッギーが来日します。ひざ上30センチの超ミニスカート姿が日本中を驚かせ、ミニスカートブームが一気に巻き起こりました。
このブームが日本のストッキング事情を大きく変えます。
それまでのストッキングはガーターベルトで留めるタイプだったのですが、ミニスカートに合わせるにはそれでは不便。
そこでアツギが開発を急ぎ、1968年(昭和43年)に日本初のパンティストッキングを発売します。
実はこのツイッギー来日自体がアツギと「女性自身」誌のパンティストッキング新商品プロモーションを兼ねたものだったという話もあって、なかなか面白いなと思います。
ちなみに「パンティストッキング」は和製英語で英語では「pantyhose(パンティホーズ)」と言います。
日本語で言っても海外では通じないので、覚えておくといいかもしれないですね。
「ナイロン」という名前の意外な由来
ナイロン(nylon)という名前の由来には有力な説がいくつかあります。
もっとも広く知られているのは、「伝線(run)しない(no-run)」という言葉をもじったという説。
ただ、これには「本当にそうなの?」と疑問を持つ研究者もいて、ほかにも「New York(NY)とLondon(LON)を組み合わせた」という説なども語られています。
どれが本当なのかはっきり分からないんですが、まあ、「伝線しない繊維」という説が一番ロマンがあるかなと個人的には思います。
まとめ
- 5月15日は「ストッキングの日」で1940年にデュポン社がナイロンストッキングを全米発売したことが由来
- 開発者のウォーレス・カロザースは1935年にナイロン合成に成功したが、発売3年前の1937年に41歳で亡くなっている
- 発売初年度には6,400万足を売り上げ、「N-DAY」として記憶された歴史的な日
- ストッキングのルーツは中世ヨーロッパの男性貴族が履いていた長靴下
- 日本ではアツギが1955年に日本初のシームレスストッキング、1968年に日本初のパンティストッキングを発売
- 1967年のツイッギー来日によるミニスカートブームが、日本のパンスト普及を大きく後押しした
5月15日がただの「記念日」じゃなくこれだけ深い歴史と人間ドラマを持っているって、なんかすごいと思いませんか?
ストッキングを履く機会があればちょっとだけカロザースのことを思い出してみてください。

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