この記事を読めば5月18日の「18リットル缶の日」がなぜその日なのか、そして「一斗缶」と呼ばれてきたあの四角い缶にどんな歴史があるのか、一通りわかります。
「一斗缶って聞いたことはあるけど、正式名称は?」
「なんで5月18日が記念日なの?」
そんなふとした疑問を持つ方に向けて由来から歴史、現在の使われ方まで丁寧に解説していきます。
18リットル缶の日とは
5月18日は「18リットル缶の日」として認定・登録されている記念日です。
誰が制定したの?
この記念日を制定したのは全国18リットル缶工業組合連合会という団体。
東京都中央区日本橋茅場町に事務局を置き、18リットル缶の製造に関する指導や教育、調査や研究などを行っている業界団体なんです。
記念日として正式に認定されたのは2000年(平成12年)で一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。
ちなみにこの連合会の前身をたどると面白くて、昭和31年(1956年)にはまだ「東部・西部五ガロン缶工業調整組合」という名前だったそうです。
名前の変遷だけでも缶の歴史が透けて見えますね。
なぜ5月18日なの?
「5ガロン」の「5」と、「18リットル」の「18」を組み合わせて5月18日、というのが日付の由来です。
シンプルといえばシンプルですが昔の名前(5ガロン缶)と今の名前(18リットル缶)の両方を刻んでいるというのが、なんかいいですよね。
ただの語呂合わせにとどまらず、名称の統一という業界の歴史を象徴しているという点で印象深い記念日だなと思いました✨
「18リットル缶」の名前の歴史
この缶、実は時代ごとに呼び名が変わってきた「改名の達人」みたいな存在です。
石油缶→一斗缶→5ガロン缶→18リットル缶
呼び名の変遷はざっくり4段階。
もともとは石油を入れる容器として使われていたので「石油缶」と呼ばれていました。
その後、容量が「一斗」(約18.039リットル)だったことから「一斗缶」という名前が定着していきます。
「斗」というのは尺貫法の単位で10升で1斗になります。明治時代に1升が約1.8039リットルと定められたので、1斗はおよそ18.039リットル。意外と精密な数字ですよね。
そして戦後はアメリカの影響もあってか「5ガロン缶」という呼び名が使われるようになります。
米国液量ガロンは約3.785リットルで5倍すると約18.9リットル。一斗缶と近い容量なので、そのまま呼び名が置き換わった感じですね。
その後、1959年(昭和34年)にメートル法が実施され、JIS規格が改訂されたタイミングで「18リットル缶」が正式名称として統一されました。
現在の規格は「JIS Z1602:2003金属板製18リットル缶」として定められています。
今も「一斗缶」と呼ばれる理由
正式名称は18リットル缶なのに、私たちの日常ではいまだに「一斗缶」という呼び方が普通に使われますよね。
それだけ「一斗缶」という言葉が長い時間をかけて生活に根付いた証拠ともいえます。
個人的には、「18リットル缶」よりも「一斗缶」のほうがなんとなく親しみやすい響きがあるというか、そういう感じはします。
18リットル缶の誕生と歴史年表
この缶の歴史、けっこう古いんです。
明治16年に輸入缶として登場
1883年(明治16年)、輸入缶が米の貯蔵用として初めて日本で使用されたのが始まりです。
この当時のものが愛知県の「古橋懐古館」に百数十缶も現存しているとのことで、それはちょっとびっくりしました。
高度経済成長期に急拡大
戦後の高度経済成長とともに出荷量が右肩上がりに伸び、1973年の第一次オイルショック時には2億7百万缶という出荷量を記録しています。
灯油を一斗缶で買い求める人たちの映像は、当時のニュース報道でも有名です。
その後は低迷期を経てバブル景気に乗って再び増加。1990年には史上最高となる2億4千4百万缶の出荷量を達成しました。90年代前後がピークだったことがわかりますね。
現代のリサイクル率は9割超
出荷量は2014年時点で1億4914万4千缶とピーク時の約7割程度になっています。
ただ、2014年のリサイクル率は93.7%と非常に高く、スチール素材の資源循環という意味では優秀な容器といえるかもしれません。
なぜ四角くて18リットルなの?
一斗缶の形には、ちゃんと理由があります。
人が一人で運べる量
「なぜ18リットルなの?」という疑問に対するメーカーの答えは明快で、「一人で運ぶことのできる最大量だから」。
水の場合、18リットルで約18kg。それが一人で持ち運べるギリギリの目安として設計されているわけです。現場の実用性をとことん意識した設計だなと思います。
四角い形の合理性
四角い直方体の形状も実は合理的で並べても積んでも隙間ができないので運搬効率が高く、しかも衝撃にも強いという理由があります。丸型の缶と比べると収納・輸送面で明らかに有利ですよね。
JIS規格によると天板・地板の一辺は238.0±2.0mm、高さは349.0±2.0mm、質量は1140±60g、容量は19.25±0.45リットルと定められています。
容量が18リットルより少し大きいのは、内容物を「18リットル入れたときに余裕がある」よう設計されているからだと思われます(あくまでも私の考えですが)。
18リットル缶の使われ方
今の一斗缶、灯油入れのイメージを持っている方も多いかもしれませんが、実は使われている現場はかなり広いです。
塗料・化学品から食品まで
18リットル缶の主な用途は大きく分けると塗料(ペイント・シンナー)、油糧(サラダ油・天ぷら油)、化学製品(化成品・洗剤)、鉱油(灯油・潤滑油)、食糧(醤油・農産品)などがあります。
外食産業の厨房では業務用の食用油や醤油が18リットル缶で届くことが多く、あの四角い缶は飲食の現場ではごく普通の光景。
一般家庭ではあまり見かけないからこそ、「業務用感」が強く印象に残るんですよね。
灯油用途の衰退と後継
1970年代までは家庭で灯油を保管する容器といえば一斗缶でしたが、1980年代以降はポリタンクの普及によって急速に使われなくなりました。
それでも、現在の灯油用ポリタンクに18Lサイズが多いのは一斗缶の名残だとされています。
形は変わっても、サイズの基準はしっかり受け継がれていておもしろいですね。
空き缶の意外な再利用
空になった18リットル缶は建設現場や工場での灰皿やゴミ箱として再利用されることも多いです。
ほかにもコント・プロレスの小道具として使われたり(ザ・ドリフターズやダンプ松本選手が使ったことでも知られています)、楽器として叩いて演奏するケースまであるとのことで…
案外、文化的な存在感もある缶だなと感じました🎶
まとめ
- 5月18日は「18リットル缶の日」。全国18リットル缶工業組合連合会が制定し、2000年(平成12年)に日本記念日協会が認定した記念日
- 日付の由来は「5ガロン缶の5」×「18リットルの18」から
- 名前の歴史は「石油缶→一斗缶→5ガロン缶→18リットル缶」と時代ごとに変化
- 正式な名称統一は1959年(昭和34年)のJIS改訂によるもの
- 四角い形と18リットルという容量は一人で運べる合理的なサイズとして設計された
- 1990年の最高出荷量は2億4千4百万缶。現在もリサイクル率93.7%と高水準
- 今も塗料・食品・化学品・油脂類など幅広い現場で活躍中
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