この記事を読めば「探偵の日」がなぜ5月21日なのか、その由来と歴史、そして世界や日本の探偵業の成り立ちまで一気にわかります。
「探偵の日なんてあるの?」と思った方、けっこう多いんじゃないでしょうか。
実はこの記念日、ちゃんとした歴史的な根拠があって知れば知るほど面白いんです。
探偵に少しでも興味がある方も、単純に「今日は何の日?」と調べてたどり着いた方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
探偵の日とは?
5月21日は「探偵の日」という記念日です。
制定したのは社団法人探偵協会の「探偵の日選定委員会」で、探偵という職業に親しんでもらい、あらゆる問題解決のパートナーとしての探偵をPRすることを目的として設けられました。
なんか、「探偵の日」って聞くと最初はちょっと意外な感じがしますよね。でも、ちゃんとした由来がある記念日なんです。
制定の目的
探偵協会がこの記念日を設けたのには、明確な狙いがあります。
「社会公共に対し探偵に親しんでいただき、あらゆる問題解決の力強いパートナーである探偵という職業をPRする」
フィクションの世界では名探偵が大活躍するのに現実の探偵業については誤解されていたり、そもそも知られていなかったりすることが多いもの。
そういう認知のギャップを埋めたいという気持ちが、この記念日の根底にあるように思います。
5月21日になった理由
なぜよりによって「5月21日」が選ばれたのかその歴史的な背景を解説します。
日本初の探偵広告が掲載された日
1891年(明治24年)5月21日、「帝國探明會」という民間企業が朝日新聞に広告を出稿しました。
その広告の内容はというと
「詐欺師や盗人の所在を調べる。他人の行動調査を実施する。」
…うん、すごくシンプル。でもこれが日本で初めて一般市民に向けて公開された探偵調査の広告とされているんです。
「民間資本・一般公開」が選定基準のポイント
探偵の日選定委員会が設けた基準は「日本国内で100%民間資本の日本人が、広く一般大衆に対し探偵調査を請け負う広告を実施した日」というもの。
ここが個人的に面白いと感じたポイントで、単に「探偵らしき人が存在した日」ではないんですよね。
権力者や官公庁と関係なく、純粋な民間業者が一般市民に向けて開かれた形で探偵サービスを提供した最初の記録、という点にこだわっているわけです。
ちなみに現在も「もっと古い記録があるかもしれない」として探偵協会は歴史調査を続けていて、確定情報として「明治24年5月21日」が採用されている状態です。
あくまで現時点での最有力候補、という感じなんですね。
帝國探明會とは何者だったのか
この章の最大の謎は「帝國探明會」という会社の実態です。詳細な記録は現存していませんが、わかっていることと考察をまとめます。
明治時代の社会背景
明治24年(1891年)といえば、日本が近代化の真っただ中にあった時代。西洋文明が怒涛のように流入してきて、社会の構造が大きく変わっていた頃です。
その激動の時代に詐欺師や盗人の所在を民間が調べるというビジネスモデルが登場したのは、案外必然だったのかもしれません。
社会が複雑化するほど、人々の「誰かに調べてもらいたい」というニーズは高まるものですから。
広告内容から見える当時の探偵業
広告に記された「詐欺師・盗人の所在調査」「他人の行動調査」という2項目は、現代の探偵業務とほとんど変わらないことに気づきます。
130年以上前にすでに今と同じような調査ニーズがあったというのは思いのほか驚きでした。
世界の探偵業の歴史
日本の話だけじゃなく世界の探偵業がどのように始まったのかも知ると、この記念日がさらに見えてきます。
世界初の探偵はフランス人
世界で最初の民間探偵とされているのがフランソワ・ヴィドック(1775〜1857年)という人物です。
実はこの人、もともとは犯罪者でした。
脱獄と投獄を繰り返した末にパリ警察の密偵となり、国家警察パリ地区犯罪捜査局(現パリ警視庁の前身)の初代局長に就任。
そして退職後に個人の探偵事務所を開設したことで世界初の探偵と呼ばれるようになりました。利用者は3000人を超えたという記録もあります。
元犯罪者が世界初の探偵業を開いたという事実はかなりドラマチックですよね。
しかも彼の著書や経歴は後にエドガー・アラン・ポーやコナン・ドイルといった探偵小説の巨匠たちにも影響を与えたとされています。
アメリカ初の私立探偵社
アメリカでは1850年にアラン・ピンカートンがシカゴで「ピンカートン探偵社」を設立しました。
最盛期にはアメリカ陸軍の州兵を上回る人数の探偵を雇用したというから、その規模はちょっと想像を絶します。
エイブラハム・リンカーンの暗殺計画を未然に防いだことでも知られていて、後のFBI(連邦捜査局)の礎を作った存在とも言われています。
ただ、ヴィドックにしてもピンカートンにしても、軍や政治家と深く関わっていた点は現代の日本の探偵業とは大きく性質が異なります。
日本の探偵業は純粋に民間の依頼に応じるスタイルが基本なのでその違いは意識しておくといいかもしれません。
日本の探偵業の法的な歩み
探偵業というと何となくグレーなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、日本では法律でしっかりと整備されています。
探偵業法の成立まで
日本で探偵業に対する法的な規制の歴史は意外と長く、明治43年(1910年)に大阪府令として「信用告知取締規則」が発令されたのが最初とされています。
その後、個人情報保護法の制定(2003年)を経て、平成18年(2006年)6月8日に「探偵業の業務の適正化に関する法律」(探偵業法)が成立し、翌2007年6月1日から施行されました。
これにより、探偵業を営む際は都道府県公安委員会への届出が義務付けられるようになりました。
現代の探偵業務の範囲
探偵業法では探偵業務を
「他人の依頼を受けて、特定人の所在または行動についての情報を収集することを目的として面接による聞込み・尾行・張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査結果を依頼者に報告する業務」
と定義しています。
重要なのは探偵には一般市民を超えた特別な権限は一切与えられていないという点です。
捜査権も逮捕権もなく、あくまで民間人として法の範囲内で調査を行うのが日本の探偵の姿です。
探偵の日を通じて知りたい、現代の探偵業
「探偵の日」を知ったからには現代の探偵が実際にどんな仕事をしているかも気になりませんか?
実は「浮気調査」だけじゃない
探偵の仕事といえば浮気調査のイメージが強いですよね。
でも実際には行方不明者や家出人の調査、会社役員の不正行動の調査、所在確認など、個人向けから法人向けまで業務内容はわりと幅広いんです。
聞き込みや尾行・張り込みといった現地調査のほか、公開情報を使ったデスクトップ調査(オープンソースインテリジェンス)まで行うケースもあります。
そういう意味では現代の探偵はかなりの情報収集スキルを持ったプロフェッショナルだと言えそうです。
まとめ
- 探偵の日は毎年5月21日。社団法人探偵協会の「探偵の日選定委員会」が制定した記念日
- 由来は1891年(明治24年)5月21日に帝國探明會が朝日新聞に日本初の探偵広告を掲載したこと
- 選定基準は「100%民間資本の日本人が一般大衆に向けて探偵調査の広告を実施した日」であること
- 世界初の探偵はフランスのヴィドック(19世紀)、アメリカではピンカートン探偵社が1850年に設立
- 日本では2007年に探偵業法が施行され、現在は公安委員会への届出が義務
- 現代の探偵業務は浮気調査に限らず、所在調査や企業向け調査など多岐にわたる
5月21日が近づいたらちょっと「日本で初めて探偵の広告が出た日なんだよな」と思い出してみてください。130年以上前から脈々と続く探偵業の歴史、なかなか奥深いですよね。



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