うなぎの未来を考える日とは?由来や歴史を解説【5月22日】

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この記事を読めば「うなぎの未来を考える日」がなぜ制定されたのか、その背景にある研究の歴史と、いまうなぎが置かれている現状まで一通りわかります。

「土用の丑の日」は知っていても、「うなぎの未来を考える日」って聞いたことありますか?

実はこの記念日、ただの食文化PRじゃなくて、日本の研究者たちが2000年以上解けなかった謎をついに解明した、あの瞬間を刻んだ日なんです。

目次

うなぎの未来を考える日とは

この記念日ひとつ知っておくだけでうなぎへの見方がだいぶ変わってくると思います。

5月22日が記念日になった理由

「うなぎの未来を考える日」は5月22日に制定された記念日です。

この日付にははっきりとした根拠があります。

2009年(平成21年)5月22日、海洋生物学者・塚本勝巳先生が率いる研究チームが、マリアナ諸島付近の海域で世界で初めて天然ニホンウナギの卵を採取することに成功しました。

ニホンウナギの産卵地点は、それまで2000年以上にわたって「謎」のままだったんです。その歴史的な発見の日を後世に伝えるために、この日が選ばれています。

誰が制定したの?

この記念日を制定したのは東京・浅草を拠点に飲食業などを展開する株式会社鮒忠(ふなちゅう)です。

同社は「うなぎの未来を考える日普及推進委員会」を設立し、うなぎの研究発展や食文化の継承に少しでも貢献したいという思いから、記念日の申請を行いました。

ちなみに、日本記念日協会による正式な認定・登録は2019年(平成31年)のこと。

制定の経緯から認定まで10年の時間をかけて形になった記念日でもあります。

記念日の目的とテーマ

目的は大きくふたつ。限りある天然資源であるうなぎを絶滅から守ること、そしてうなぎの生態と正しい食文化を広めて後世に残すことです。

「食べる日」ではなく「考える日」というのが、個人的にはすごく大事だと感じています。美味しく食べるだけじゃなく、資源としてのうなぎと向き合う姿勢を社会全体で持とうよ、というメッセージが込められているんですよね。

卵発見までの長い道のり

この記念日の由来を理解するには卵発見に至るまでの研究の歴史を知っておく必要があります。正直、調べてみて「こんなに長い話だったのか」と驚いてしまいました。

2000年以上謎だったうなぎの産卵場

ニホンウナギは古くから日本人に親しまれてきた魚ですが、どこで産卵するかは長らく不明でした。

研究の進展とともに「マリアナ諸島付近の海山域ではないか」という仮説が立てられましたが、実際の産卵地点を特定するのは容易ではありませんでした。

2005年と2009年、二段階の大発見

大きな転機は2段階で訪れます。

まず2005年、マリアナ諸島西方海域でふ化直後の「プレレプトセファルス」を大量採取することに成功し、ニホンウナギの産卵地点がほぼ特定されました。

そして2009年5月22日、さらに踏み込んだ調査によって西マリアナ海嶺の南端・水深150〜180メートル付近でウナギの卵31個の採取に成功したんです。

この卵こそが、「うなぎの未来を考える日」の由来となった発見です。

完全養殖への道が開けた

卵の採取成功は完全養殖研究に大きな弾みをつけました。

2010年には水産研究・教育機構(当時の水産総合研究センター)が世界初のニホンウナギ完全養殖に成功。

さらに2023年には近畿大学が大学として初めて完全養殖を達成したことも発表されています。

うなぎを取り巻く現状

記念日を知るだけじゃなく、なぜ「未来を考える」ことが必要なのかも押さえておきましょう。

漁獲量は過去最低水準

ニホンウナギの国内漁獲量は1960年代には3,000トン台があった一方、2024年の漁獲量は過去最低の52トンにまで落ち込んでいます。

シラスウナギの国内採捕量も、かつては100トンを超えていた時代がありましたが、近年は大きく落ち込み、2019年漁期には過去最低の3.7トンを記録。

2025年漁期は14.8トンと回復傾向を見せてはいますがそれでも歴史的な水準と比べるとかなり厳しい状況です。

参考:https://kokushi.fra.go.jp/R07/R07_83S_ELJ.pdf

ワシントン条約と国際的な動き

2025年11月〜12月にウズベキスタンで開催されたワシントン条約(CITES)第20回締約国会議ではEUなどがニホンウナギを含む全ウナギ属の国際取引規制を提案しました。

最終的に規制案は否決されましたが、日本政府は「今後は資源管理に力を入れる」との考えを示しており、うなぎの国際的な議論はまだ続いています。

完全養殖の商業化は近い?

コスト面では着実に前進していて完全養殖の稚魚1匹あたりの生産コストは、研究開始当初の約4万円から2024年度には約1,800円まで下がっています。

水産庁は2025年度補正予算に「ウナギ安定供給緊急総合対策」として7億円を計上し、2026年には人工ふ化のウナギを使ったかば焼きの試験販売も見込まれています。

2027年度には1匹1,000円を下回る見通しも示されていて、「手軽にうな重が食べられる時代」がわりと現実的に近づいているかもしれません。

私たちにできること

「考える日」があるなら実際に何を考えればいいのか。そこが気になりますよね?

「食べること」と「守ること」は両立できる

うなぎが絶滅危惧種に指定されているからといって、今すぐ食べるのをやめればいい、という単純な話ではありません。

大切なのは産地や入手経路を意識した購入、そして土用の丑の日だけに集中して食べる消費パターンの見直しです。過剰な需要が価格高騰と乱獲を招く構造を変えていく意識が、消費者にも求められています。

研究と食文化を応援する視点

「うなぎの未来を考える日」は研究者への感謝を伝えるきっかけにもなります。

塚本勝巳先生のチームが2009年に行った卵の採取は、2000年以上解けなかった謎への挑戦でした。

そういう積み重ねの上にいま私たちがうなぎを食べられる日常があるんだということ、ちょっと頭の片隅に置いておくだけで、うなぎへの見方がぐっと変わってくると思います。

まとめ

  • 「うなぎの未来を考える日」は5月22日が正しい日付で2009年5月22日の天然ニホンウナギの卵採取成功を由来とする
  • 制定したのは株式会社鮒忠で2019年に日本記念日協会が正式認定
  • 研究者・塚本勝巳先生らのチームによる発見は、2000年以上謎だった産卵地点の特定につながった
  • ニホンウナギの国内漁獲量は2024年に過去最低の52トンを記録
  • 完全養殖の商業化は着実に進んでおり、2026年には試験販売の見込みも
  • この記念日は「うなぎを食べる日」ではなく、資源と食文化の両方を次の世代に残すために考える日
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