この記事を読めば5月29日がなぜ「こんにゃくの日」なのか、その由来から歴史、こんにゃくが秘めた驚きの健康パワーまで、まるごと理解できます。
「こんにゃくって何となく地味な食材だよね」
と思っていた方、実はその印象、かなりもったいないかもしれません。
日本の食卓に1000年以上居続けた理由、ちゃんとあるんです。
こんにゃくの日って何?
5月29日が「こんにゃくの日」に制定された経緯とその背景にある思いを紹介します。
制定したのは誰?いつ?
「こんにゃくの日」は1989年(平成元年)に全国こんにゃく協同組合連合会と一般財団法人・日本こんにゃく協会が制定した記念日です。
その後、一般社団法人・日本記念日協会にも正式に認定・登録されています。
要するに、こんにゃく業界全体が一丸となって「もっとこんにゃくのことを知ってほしい!」という想いから生み出した記念日なんですね。
なんかそういう背景を知るとちょっと愛着が湧きませんか?
なぜ5月29日なの?
日付の決め方が面白くて「こ(5)んに(2)ゃく(9)」という語呂合わせが主な理由です。
でもそれだけじゃなくて、もう一つちゃんとした理由があります。
こんにゃくの種芋の植えつけが5月に行われるから、というのも大切な理由なんです。
しかも、本格的な夏を迎える前にこんにゃくの効用や機能性を再確認して健康に過ごしてほしい、という願いも込められているそうです。
語呂合わせでありながら農業のサイクルや健康への願いまで重なっているのが、個人的にとても印象深かったです。
こんにゃくの歴史、実はすごく深い
こんにゃくが日本に来てからどんな歩みをたどってきたか時代を追って解説します。
原産地と日本への伝来
こんにゃく芋の原産地はインドシナ半島(ミャンマー、マレーシア、タイなどの東南アジア)とされています。インドシナ半島ではその芋の形状から「象の足」という異名があるほど。
日本への伝来については「縄文時代から伝わった」という説と「飛鳥・奈良時代に仏教とともに中国から医薬品として渡ってきた」という説があり、どちらが正しいかは諸説あります。
食用こんにゃくの起源としては中国・唐代(700年頃)にこんにゃく芋を灰汁で煮て食べた記録があり、仏教の広まりとともに肉の代替食として発展したと考えられているようです。
貴族から庶民へ 鎌倉〜江戸時代の普及
日本でこんにゃくが最初に食べられたのは貴族や僧侶の間でのこと。
間食や医薬品として珍重されていた、いわばハイクラスな食材だったんです。
それが一般市民に広まったのは仏教が庶民にも浸透した鎌倉時代以降と言われています。そして江戸時代になると、大きな転機が訪れます。
水戸藩の農民・中島藤右衛門がこんにゃく芋を乾燥させて粉にする製法を1776年頃に考案し、保存や長距離輸送が可能になりました。
この技術革新によって季節を問わず全国どこでもこんにゃくが食べられるようになり、庶民の食卓に根付いていったんですね。
ちなみに水戸藩は財政難のとき、このこんにゃく原料を江戸や大阪で専売し、苦しい財政をしのいだとも言われています(諸説あり)。
食べ物が藩の命綱になるってなかなかスケールが大きい話だなと思いました。
知ってた?こんにゃくの白と黒の違い
見た目は違うのに何が違うの?と思っている方、意外とこれを知っている人は少ないかもしれません。
白こんにゃくと黒こんにゃくの秘密
白こんにゃくはこんにゃく粉(精粉)だけで作られているので、そのまま白い仕上がりになります。
一方、黒こんにゃくは海藻(アラメやヒジキ、カジメなど)の粉末を混ぜて色をつけているんです。
もともと生芋から作るこんにゃくは芋の皮などが混ざって黒っぽくなるので、江戸時代に粉から白いこんにゃくが作られるようになったとき、「白いと見慣れなくて違和感がある」という西日本の人々の感覚に合わせて、海藻で黒く色付けしたのが始まりとのこと。
東日本では白こんにゃくが主流で西日本では黒こんにゃくが主流という地域差も、こういった歴史的な背景から来ているのが面白いですよね。
こんにゃくが「胃のほうき」と呼ばれる理由
昔の人はなぜこんにゃくを健康食として大切にしたのか。その理由は科学的にもちゃんと説明できます。
主成分グルコマンナンの働き
こんにゃくの主成分は水溶性食物繊維「グルコマンナン」です。
水分を吸収するとゲル状に膨らみ、腸内の老廃物やコレステロール、余分な糖分を絡め取って排出する働きがあります。これが昔から「胃のほうき」「腸の砂おろし」と呼ばれてきた理由なんですね。
具体的にはグルコマンナンを1日3g摂取することで血中コレステロールが低下した例も報告されています。
血糖値の急上昇を抑える効果もあるので、糖尿病の予防・改善にも期待できるとのこと。

研究で注目される健康効果
群馬大学の研究ではグルコマンナンを含む食事を与えたマウスで大腸がんの発生数やがん細胞の定着率が抑制されたことが確認されているそうです。
しかも、こんにゃくの消費量が多い山形市において直腸がんの罹患率が低い傾向も見られたとか。
さらに、こんにゃく芋に豊富に含まれるセラミドが美肌効果やアルツハイマー型認知症の進行抑制にも関わる可能性が研究されていて、50歳前後からの摂取が推奨されているそうです。
これは意外と知られていない視点だなと感じました。

こんにゃくの産地は群馬県がほぼ独占
「こんにゃく=群馬」というイメージがありますよね。その数字を見ると改めてすごさを実感します。
全国シェア95%という圧倒的な数字
日本のこんにゃく芋の収穫量のうち95.3%を群馬県が占めています。
栽培面積でも全国の92.6%。第1位群馬、第2位栃木、第3位茨城という順番ですが、群馬一強の状態です。
群馬がこれほど強い理由は全国トップクラスの日照時間と水はけの良い土壌にあります。渋川市や昭和村を中心とした中山間地域が、こんにゃく栽培に適した環境なんですね。
ただ、国内のこんにゃく消費量は年々減少傾向にあって、昭和45年度の一人あたり14.4kgから平成24年には5.3kgにまで落ち込んでいる。
「こんにゃくの日」のような記念日を通じてもっと消費を増やしていきたいという業界の切実な思いも、こういう数字を見ると伝わってきます。

こんにゃくの日にやりたいこと
記念日だとわかったら、せっかくなので何か食べてみたいですよね。
定番から試してみよう
こんにゃくの日には身近なこんにゃく料理を一品取り入れてみるのがおすすめです。
定番の煮物(こんにゃくと椎茸の醤油煮)や、ごま油で炒めるきんぴらこんにゃくは作りやすくて食べやすい一品。
生さしみこんにゃくや刺身こんにゃくをわさび醤油でいただくシンプルな食べ方も、こんにゃく本来の食感を楽しめます。
こんにゃくは低カロリーで食物繊維が豊富なのでダイエット中の方にも取り入れやすい食材です。
「健康のために食べる」と気構えなくても、田楽や煮物として日常にすっと馴染む。
それが1000年以上愛されてきた理由なのかもしれませんね。
まとめ
- 「こんにゃくの日」は1989年(平成元年)に全国こんにゃく協同組合連合会と日本こんにゃく協会が制定した記念日
- 日付は「こ(5)んに(2)ゃく(9)」の語呂合わせと、5月に種芋の植えつけが行われることの2つの理由
- こんにゃくの原産地はインドシナ半島で、日本には縄文時代〜奈良時代に伝わったとされる(諸説あり)
- 江戸時代に水戸藩の農民・中島藤右衛門が粉末化の製法を考案し、全国へ普及
- 黒こんにゃくの黒色は海藻の粉末によるもので、白こんにゃくと中身はほぼ同じ
- 主成分グルコマンナンには便通改善・血糖値抑制・コレステロール低下などの効果が期待される
- 日本のこんにゃく芋生産の約95%は群馬県産
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