この記事を読めば世界海洋デーがいつどのようにして生まれたのか、なぜ6月8日なのか、そして毎年のテーマや私たちにできることが丸ごとわかります。
「聞いたことはあるけど、実は何の日かよく知らない」
という方も多いと思います。でも知ってみると海との向き合い方がちょっと変わるかもしれません。そういう日なんです。
世界海洋デーとは何か
毎年6月8日は国連が定めた国際デー「世界海洋デー(World Oceans Day)」です。
海は地球の表面積の約70%を占めていて、私たちの暮らしに酸素、食料、気候調節などあらゆる恩恵をもたらしてくれています。
それなのに、海洋全体のうちまだ10%程度しか探査されていないのが現実でしょう。
そのギャップを埋めて、世界中の人々が「海を守る責任がある」と気づくきっかけを作るのがこの記念日の目的なんです。
日本での呼び方について
実は「世界海洋デー」と「世界海の日」、どちらも同じ日を指します。
内閣府の文書では「世界海の日」という表記も使われていて、英語のWorld Oceans Dayの訳語として両方が混在している状態みたいです。
ちょっとわかりにくいですよね。ただ国連や文部科学省の資料では「世界海洋デー」が主流の表記なので、本記事ではこちらで統一します。
誕生の経緯と歴史
1992年 地球サミットでの提案
世界海洋デーの出発点は1992年6月8日にブラジルのリオデジャネイロで開催された「国連環境開発会議(地球サミット)」です。
この会議では178の国と地域が集まって、持続可能な開発のための「アジェンダ21」が採択されました。
その場で、カナダの国際海洋開発センター(ICOD)と海洋研究所(Ocean Institute of Canada)が、海洋問題への世界的な関心を高めるために「毎年6月8日を海洋の日にしよう」と提案したのが始まりです。
この日、カナダ政府の支援を受けたイベント「OCEANS DAY AT GLOBAL FORUM–THE BLUE PLANET」が開催され、国際的な専門家や意見指導者たちが集まりました。
参考:https://oceanweekcan.ca/about/world-ocean-day
非公式期間(1992〜2008年)
正式な国連の記念日になるまでに実は16年という長い時間がかかっています。
1992年の提案以降、世界海洋デーは国連の正式なお墨付きのないまま、各国が自主的に実施するという形が続きました
2002年からは「The Ocean Project」というアメリカのNGOが中心となって世界規模での普及・調整を担い始め、数万人規模の署名運動なども展開されました。
個人的には正式認定までこんなに草の根的な活動が続いていたとは思っていなかったので、けっこう驚きました。
2008年 国連による正式制定
長年の働きかけが実を結んで、2008年12月5日の国連総会(第63回・決議63/111)において、6月8日が国際デー「世界海洋デー」として正式に制定されました。
そして翌2009年が第1回目の公式な世界海洋デーとして実施され、国連事務総長(当時・潘基文氏)がメッセージを発表。
最初の公式テーマは「Our Oceans,Our Responsibility(われらが海洋、われらが責任)」でした。
毎年変わるテーマの役割
テーマはなぜ毎年変わるのか
世界海洋デーでは国連が毎年テーマを設定します。
これは「海洋問題の中でも今年特に注目すべき課題」を世界に伝えるためのものです。
テーマが変わることで、気候変動・プラスチック汚染・生物多様性・ジェンダーなど海をとりまく問題をさまざまな角度からフォーカスできる仕組みになっています。
過去のテーマ一覧
年々テーマが進化してきているのが印象的でした。
| 年 | テーマ(英語) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 2009年 | Our Oceans,Our Responsibility | われらが海洋、われらが責任 |
| 2019年 | Gender and the Ocean | ジェンダーと海洋 |
| 2020年 | Innovation for a Sustainable Ocean | 持続可能な海を目指すイノベーション |
| 2021年 | The Ocean:Life and Livelihoods | 海洋:生命と生活 |
| 2022年 | Revitalization:Collective Action for the Ocean | 再活性化:海洋環境のための集団的アクション |
| 2023年 | Planet Ocean:Tides are Changing | 海洋惑星:潮目が変わる |
| 2024年 | Awaken New Depths | 新たな深みを目覚めさせよう |
| 2025年 | Wonder:Sustaining What Sustains Us | 驚異の海:私たちを支えるものを未来へ |
| 2026年 | Reimagine:Beyond the world we know | 再想像:知られていない世界の向こう |

海洋問題の現状
プラスチックごみの深刻さ
世界海洋デーが毎年取り上げる問題の中でも特に深刻なのが海洋プラスチック汚染です。
2019年の時点で世界のプラスチックごみの発生量は約3億5300万トンに上り、そのうち2200万トンが適切に処理されずに環境中へ流出したと推計されています(OECDデータ)。
プラスチックは微生物に分解されにくく、長期間にわたって環境中に残り続けます。
しかも5ミリ未満の「マイクロプラスチック」になると海から回収することは事実上ほぼ不可能で、魚やミジンコなどの生物に取り込まれ、食物連鎖を通じて私たちの食卓にまで影響が出る可能性があります。
なんか、知れば知るほど他人事じゃないですよね。
気候変動との二重の危機
プラスチック問題だけじゃなく、気候変動も海には大打撃を与えています。
海水温の上昇、海面水位の上昇、そして二酸化炭素の増加による海洋酸性化。
これらが複合的に起きているのが現状で海洋生態系のバランスが崩れつつあります。
世界海洋デーが毎年テーマを設定して発信し続けるのは、こういった問題が簡単には解決しないからでしょう。
世界でのイベントと取り組み
世界海洋デーには世界100カ国以上でさまざまなイベントや取り組みが実施されます。
代表的な活動としてはビーチクリーン(海岸清掃)、教育プログラム、企業・政府との連携イベント、水族館での特別展示などがあります。
日本では環境省と日本財団が「海ごみゼロ」をスローガンにした全国一斉清掃活動も展開されていて、市民や企業が広く参加しています。
個人でできることは意外とたくさんあって思いのほか気軽に参加できるのが嬉しいところです。
国連本部でのメインイベント
国連本部(ニューヨーク)では毎年、政策立案者や科学者、活動家、先住民族コミュニティ代表などが集まる公式イベントが開催されます。
2009年の第1回式典では日本の独立行政法人・産業技術総合研究所と海上保安庁が制作した「三次元海底地形図」が展示されたほどで、日本も早い段階から積極的に関わっていたみたいです
これはちょっと誇らしいですよね。

私たちにできること
世界海洋デーは「その日だけ考える日」ではなくて日常の行動を変えるきっかけにする日だと思っています。具体的には以下のような行動が海につながっています。
- マイバッグやマイボトルを使う(プラスチックごみの削減につながる)
- 地元のビーチクリーンに参加する(全国各地でボランティア活動が行われている)
- SNSで世界海洋デーについて発信する(認知を広げることも立派なアクション)
- 海産物を選ぶ際にMSC認証などを意識する(持続可能な漁業を支援できる)
- 日常の節電・節水を心がける(気候変動の緩和につながる)
プラスチックを減らすとか、ビーチを掃除するとか、一つひとつは小さなことでも、世界中の人が同じ方向に向かえば大きな力になる。
それが世界海洋デーという日が伝えたいことのはずです。
まとめ
- 世界海洋デーは毎年6月8日、国連が定めた国際デーのひとつ
- 起源は1992年のリオ地球サミットでのカナダによる提案
- 2008年12月の国連総会で正式制定、2009年から公式に実施
- 毎年テーマが設定され、2026年は「Reimagine」(再想像)
- 世界100カ国以上でビーチクリーンや教育イベントが開催される
- 海洋プラスチック問題や気候変動など、複合的な課題への関心を高める日
- 日々の小さな行動の積み重ねが海の未来を変えることにつながる
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