この記事を読めば6月9日が「小型家電リサイクルの日」に選ばれた理由、制定の背景、そして小型家電リサイクル法の歴史や現状まで、まるごと理解できます。
「家の引き出しに眠っているスマホや古いデジカメ、どう処分すればいいのかな…」
って、ちょっと悩んだことはありませんか?
実はその古い機器、捨てるには少々もったいないんです。
日本の家庭に眠る使用済み小型家電は、年間で約60〜65万トンにのぼると言われていて、その中には金や銀、レアメタルといった貴重な資源が含まれているんですよね。
そういう背景から生まれたのが「小型家電リサイクルの日」。この記事では、その制定の経緯から小型家電リサイクル法の歴史、そして知っておくべき実態までできるだけわかりやすくお伝えします。
小型家電リサイクルの日とは
6月9日が「小型家電リサイクルの日」として制定されている背景にはリサイクルを推進する法律と、それを広める団体の存在があります。
誰が制定したのか
小型家電リサイクルの日を制定したのは一般社団法人小型家電リサイクル協会です。
神奈川県川崎市川崎区に事務局を置く団体で、「小型家電リサイクル法」を順守する認定事業者が会員として集まり、日本の貴重な資源の有効活用を目的に活動しています。
記念日は2023年(令和5年)に一般社団法人日本記念日協会によって正式に認定・登録されました。
制定の目的は明快で2013年に施行された「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(通称:小型家電リサイクル法)」の普及・啓蒙を図り、回収量を増やすこと。
個人的には法律を作るだけでなく、こうした記念日という形で一般市民へ届けようとする姿勢が印象的でした。
なぜ「6月9日」なのか
日付の選び方が、なかなか考えられていて面白いんです。理由は主に3つあります。
まず、6月は国が定める「環境月間」であること。
そして6月5日の「世界環境デー」に近い日付であること。
さらに、「小型家電を無垢な素材へ」という言葉の「無垢(むく)」=「む(6)・く(9)」から6月9日が選ばれています。
加えて、数字の「6」と「9」が回転させると互いの形になることから、リサイクル(循環)のイメージとも重なっているんですよね。
こういった語呂合わせや象徴的な意味を複数重ねて日付を決めるの、日本の記念日らしいなと感じます。
小型家電リサイクル法の歴史と背景
記念日をちゃんと理解するにはもとになった法律の成り立ちを知ることが大事です。
法律ができるまでの流れ
日本では1995年の容器包装リサイクル法を皮切りに、家電、食品、自動車などさまざまなリサイクル法が整備されていきました。
家電リサイクル法(正式名称:特定家庭用機器再商品化法)は1998年5月に成立し、2001年4月から施行されましたが、こちらは冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコンの「大型4品目」が中心。
スマホやカメラ、ドライヤーといった小型家電は長らく対象外のままで多くが「燃えないごみ」や「粗大ごみ」として廃棄され、大半が埋め立て処理されてきました。
それが問題視されるようになったのは小型家電に含まれるレアメタルや貴金属の資源価値が注目され始めたから。「都市鉱山」という言葉が広まったのもこの頃です。
小型家電リサイクル法の誕生
こうした背景から2012年(平成24年)8月に「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律」が成立し、翌2013年(平成25年)4月1日に施行されました。
これが「小型家電リサイクル法」として広く知られている法律です。
法律の目的は使用済み小型家電に含まれるアルミやレアメタルなどの金属をリサイクルして有効活用すること。
消費者だけでなく、事業者が処分する小型家電も対象になっています。
対象品目と「都市鉱山」の実態
小型家電リサイクル法の対象品目は全部で28類型あります。意外と広いんです。
具体的には携帯電話やスマートフォン、パソコン、デジタルカメラ、電子レンジ、掃除機、ヘアドライヤー、電気シェーバー、電動歯ブラシ、電子時計、ゲーム機、プリンター、電気マッサージ器、電動工具、蛍光灯器具などが含まれます。
要するに家庭で使う身近な電気製品はほとんどカバーされているイメージです。
日本の「都市鉱山」がいかに豊かか
これが本当に驚くんですが日本国内の都市鉱山には金が約6,800トン(世界の埋蔵量の約16%)、銀が約6万トン(世界の埋蔵量の約22%)も眠っているとされています。
リチウムは15万トン、プラチナは2,500トンという試算もあります。
資源のない国といわれる日本が、実は資源大国になりうる
そういう逆転の発想が都市鉱山という概念の面白いところだと思っています。
廃棄される小型家電をすべてリサイクルした場合の金額は、約844億円分に相当するというデータもあります。これはちょっとびっくりする数字ですよね。
ちなみに携帯電話1トン(約1万台分)から取り出せる金は約280グラム。自然の金鉱石1トンから得られる金が約5グラムなので、いかに濃縮された「鉱山」かが分かります。
東京五輪メダルと小型家電リサイクルのつながり
ここで一つ、他の記事ではあまり取り上げられない話をしますね。
2020東京オリンピック・パラリンピックのメダルは、全国から集めた使用済み小型家電から生まれたんです。
「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」という取り組みで、2017年4月から2019年3月にかけて全国で小型家電の回収が行われ、金・銀・銅メダル約5,000個分の金属を確保。
メダル製作に必要な金属量の100%をリサイクル金属で賄うことに成功しました。
オリンピック・パラリンピック史上、開催国の国民が参画してメダルをつくるというのは初めての試みでした。
「家にあったガラケーが誰かのメダルになったかも」と思うと、なんかちょっと感慨深いですよね。
回収の現状と課題
ここが正直、少し複雑なところで…。法律はあっても回収の実態はまだ課題が多いです。
回収量は目標に届いていない
学術的な調査によると、2018年度の実際の回収量は国が設定した目標のおよそ7割程度にとどまっています。
逆有償(回収にコストがかかること)で認定事業者に小型家電を引き渡している市区町村の割合も増えていて、採算面での問題が出てきています。
小型家電リサイクルの回収方法は市区町村によって大きく異なるのも、ひとつの課題です。
ボックス回収、ピックアップ回収、イベント回収など形式がバラバラで、「どこに持っていけばいいのか分からない」という声も根強いんですよね。
28類型という広さが仇になることも
対象品目が28類型と幅広い分、品質(含有金属の豊富さ)がまちまちで、採算性のある回収ができる品目とそうでない品目が混在しています。
学術研究では携帯電話やパソコンといった高品位の小型家電と、それ以外の雑多な家電を分けて管理する仕組みが必要だという意見も出ています。
どうやって回収に参加できるのか
実際に行動しようと思ったとき、一番困るのが「どこへ持っていけばいいか」ですよね。
市区町村の回収ボックスを利用する
最もオーソドックスな方法はお住まいの市区町村が設置している回収ボックスを利用すること。
役所や公民館、図書館などに設置されているケースが多く、豊島区のように区内複数箇所に設置している自治体もあります。
お住まいの市区町村の公式サイトで「小型家電リサイクル」と検索すると、最新の回収場所が確認できます。
認定事業者に依頼する
環境省・経済産業省から認定を受けた認定事業者に回収を依頼する方法もあります。
パソコンやスマートフォンなど計28類型の小型家電を回収・リサイクルしている事業者もあります。認定事業者のリストは環境省のサイトや小型家電リサイクル協会のサイトで確認できます。
まとめ
- 小型家電リサイクルの日は6月9日で一般社団法人小型家電リサイクル協会が制定し、2023年に日本記念日協会が認定
- 日付は「環境月間(6月)」「世界環境デーに近い」「無垢(む=6、く=9)」「6と9の回転によるリサイクルのイメージ」に由来
- 小型家電リサイクル法は2012年成立・2013年4月1日施行で28類型の小型家電が対象
- 日本の都市鉱山は金6,800トン(世界の約16%)、銀6万トン(世界の約22%)と非常に豊か
- 廃棄小型家電をすべてリサイクルすると約844億円分の資源になる
- 東京2020オリンピック・パラリンピックのメダル約5,000個分の金属は小型家電リサイクルで100%確保
- 現状では回収量が国の目標の約7割程度にとどまっており、普及啓発が引き続き課題
引き出しに眠っている古いスマホや家電、ぜひ近くの回収ボックスへ持っていってみてください。
たった一台の行動が誰かのメダルになったり、新しい製品の材料になったりするかもしれません。
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