「空き家の将来を考える日って、なんのために作られたの?」
そんな疑問を持った方のためにこの記事では制定の背景から日本の空き家問題の現状まで、わかりやすくまとめています。
そもそも「空き家の将来を考える日」って何?
5月26日は「空き家の将来を考える日」として日本記念日協会に正式に登録・認定されている記念日です。
空き家を所有している人やこれから空き家を抱えるかもしれない人が、家族そろって空き家の将来について話し合うきっかけを作ることが、この日の目的なんですね。
制定したのはどんな会社?
この記念日を制定したのは千葉県千葉市美浜区に本社を置く株式会社L&Fです。
同社は「日本空き家サポート」というブランド名で、全国47都道府県で空き家管理サービスを提供していて、独立系の空き家管理専門事業者としては国内唯一の全国展開をしている会社です。
2025年7月時点で審査を通過した優良不動産・住宅関連企業231社のネットワークを持っています。
個人的にはこういう民間企業発の記念日って、意外と社会的な意味があるよなと感じています。「空き家問題を啓蒙したい」という明確な目的があって作られているわけですから。
認定されたのはいつ?
株式会社L&Fは空き家問題の啓蒙活動の一環として一般社団法人・日本記念日協会に申請し、2023年(令和5年)に正式に認定・登録されました。
5月26日が選ばれた理由
なぜよりによって5月26日なのか気になりませんか?
空家法が全面施行された記念すべき日
この日が選ばれた理由は明確で日本で初めての空き家に関する法律「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」が全面施行された日が、2015年(平成27年)5月26日だったからです。
要するに日本の空き家対策の歴史における出発点にあたる日を記念日にした、ということですね。
空家等対策の推進に関する特別措置法とは
空家法は2014年(平成26年)11月に成立し、翌2015年5月26日に全面施行されました。
この法律ができる以前は放置された危険な空き家に対して行政が介入する明確な法的根拠がなく、いわば「手の出しようがない」状態が続いていたんです。
法律の目的は生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、そして空き家の活用促進にあります。
市町村が空き家の実態調査を行って倒壊の危険や衛生上の問題があるものを「特定空家」に指定して所有者への「助言・指導・勧告・命令・行政代執行」が可能になりました。

2023年の法改正で何が変わった?
空家法はその後も時代に合わせて改正されています。ここが、空き家問題を理解するうえで意外と重要なポイントなんですよね。
5つの主な改正ポイント
2023年6月に改正法が成立し、2023年12月13日に施行されました。主な変更点は以下の通りです。
1.空家等活用促進区域の創設
中心市街地などの重点エリアで、建築基準法上の接道規制や用途の制限を緩和し、空き家の建て替えや用途変更がしやすくなりました。
2.空家等管理活用支援法人の指定制度
NPO法人などを市区町村が「空家等管理活用支援法人」として指定できるようになり、専門知識を持つ民間団体が所有者へ相談対応などを行えるようになりました。
3.緊急時の代執行が可能に
災害時など緊急の場面では特定空家に対する勧告等の手続きを省略した代執行が可能になりました。
4.所有者不明の空き家への対応強化
市区町村にも財産管理人の選任請求権が与えられ、相続放棄や所有者不明の空き家への管理・処分が進めやすくなりました。
5.管理不全空家という新区分の創設
放置すれば特定空家になるおそれのある空き家を「管理不全空家」として新たに定義。
指導・勧告を受けた場合、固定資産税の住宅用地特例が解除されて税負担が大幅に増える可能性があります。
この固定資産税の問題、かなり大事なポイントです。
住宅が建っている土地は最大で固定資産税が6分の1に軽減される特例があるんですが管理不全空家に認定されると、その特例が剥奪される仕組みです。
日本の空き家問題の現状
記念日の背景には深刻化する一方の社会問題があります。
空き家は今や900万戸超え
総務省が2024年4月に発表した「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年時点での全国の空き家数は約900万戸、空き家率は13.8%と過去最高を記録しています。
2018年の849万戸(13.6%)から51万戸も増えた計算です。
さらに怖いのが将来予測で日本経済新聞の報道によると、このまま対策がなされなければ2038年には総家屋の3軒に1軒が空き家になるという試算もあります。
野村総合研究所の予測では2043年には空き家率が約25%に達する見込みです。

空き家の放置がもたらすリスク
空き家は持ち主にとっても近隣にとっても、いいことがありません。
管理が行き届かなくなると建物の老朽化が急速に進み、倒壊リスクや不法投棄、害虫・害獣の発生、景観の悪化につながります。
国土交通省の令和6年空き家所有者実態調査では使用目的のない空き家を持つ世帯の約4割が、今後も空き家として所有し続ける意向を持っているという実態も明らかになっています。
「なんとかしなきゃと思いつつも、手が付けられない」という状況が透けて見えますよね…うん。
「空き家の将来を考える日」が伝えたいこと
この記念日が単なる記念日ではなく、「行動のきっかけ」を社会に提供するために作られたというのが、個人的にいちばん大事な視点だと思っています。
毎年実施される意識調査
株式会社L&Fでは記念日に合わせて毎年、空き家に関する意識調査を実施しています。
2025年の調査では「現在、実家が空き家になっている方」を対象に、法制度の浸透度や空き家管理の実態を調査しました。
こうした継続的な情報発信が問題の可視化につながっているんですね。
空き家問題は「他人事」ではない
国土交通省の推計では、「その他の空き家」の戸数は2025年に420万戸、2030年には470万戸に達するとされています。
一方で住生活基本計画は2030年までに400万戸程度に抑えることを目標に掲げていて、政策と現実の間にかなりのギャップがある状態です。
今後、親や祖父母が住んでいた実家が空き家になる可能性は誰にとっても十分にある話。
「空き家の将来を考える日」は、そのタイミングで家族と話し合う機会を作ってほしいというメッセージなのだろうと感じます。

まとめ
- 「空き家の将来を考える日」は毎年5月26日、株式会社L&F(日本空き家サポート)が制定し、2023年に日本記念日協会が認定した記念日
- 日付は日本初の空き家専門法律「空家等対策の推進に関する特別措置法」が全面施行された2015年5月26日にちなんでいる
- 2023年の法改正で「管理不全空家」の新設や代執行の迅速化などが加わり、所有者の責任がより重くなった
- 2023年時点の空き家数は約900万戸で過去最高、2038年には3軒に1軒が空き家になるとの予測もある
- この記念日は、空き家を「他人事」にせず、家族で将来を話し合うきっかけを作ることが目的

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