この記事を読めば6月16日が「麦とろの日」になった理由、その歴史的背景、そして麦とろが体にいい理由までひととおり理解できます。
「なんとなく聞いたことあるけど、そもそもなんで6月16日なの?」
って思ったことはありませんか?
実はこの記念日、シンプルな語呂合わせの裏に400年以上さかのぼる食文化の歴史が詰まっているんです。
麦とろの日の基本情報
6月16日が「麦とろの日」と呼ばれる理由をまず押さえておきましょう。
語呂合わせで生まれた記念日
「麦とろの日」は6(むぎ)・16(とろ)という語呂合わせから生まれた記念日です。
制定したのは、山梨県富士川町に本社を置く株式会社はくばくと「麦ごはんの会」で、2001年に日本記念日協会へ申請・認定されました。
はくばくは1941年(昭和16年)創業の穀物専門食品メーカーで大麦や雑穀、麦茶など幅広い穀物系食品を手がけています。
麦ごはんの普及に長年取り組んできた同社が、「麦とろを食べて元気に夏を乗り切ってほしい」という思いを込めてこの日を制定したのが始まりです。

記念日の目的と背景
記念日を制定した背景には麦ごはんのイメージアップという明確な目的があります。
日本人の食卓からだんだん離れていった麦ごはんを、もう一度多くの人の食生活に取り戻したい、そういう思いがあったのだと思います。
梅雨が明けて暑さが増してくる前のタイミングである6月を選んだのも、夏バテ予防という観点から意図的だったのかもしれないですね。
麦とろの歴史は400年以上前にさかのぼる
「麦とろの日」自体は2001年生まれですが麦とろそのものの歴史はそれよりはるかに古い。
江戸時代の東海道名物だった
麦とろの歴史の起点として必ず語られるのが静岡市駿河区の丸子(まりこ)宿にある「丁子屋(ちょうじや)」です。
創業はなんと慶長元年、1596年。関ヶ原の合戦よりも前から営業していて、初代・丁子屋平吉がとろろが採れる季節に旅人へとろろ汁を振る舞ったのが始まりとされています。
江戸時代に入ると丸子宿には十数軒ものとろろ汁店が立ち並び、東海道を行き交う旅人の間で「名物とろろ汁」として広く親しまれました。
それだけじゃなく、当時の有名人たちも丸子のとろろ汁を記録に残しています。
文学や浮世絵にも登場した麦とろ
丸子のとろろ汁は当時の文化的な記録にも度々姿を現しています。
- 松尾芭蕉が詠んだ「梅若菜丸子の宿のとろろ汁」という句
- 歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」の鞠子宿の絵に丁子屋が描かれている
- 十返舎一九の『東海道中膝栗毛』で弥次さん・喜多さんが立ち寄る場面
俳句、浮世絵、小説……当時の日本文化のあちこちに登場するほど、麦とろは人々の生活に根づいていたんですね。
なんか、江戸時代のインフルエンサーたちが全員この食べ物を推してたみたいでちょっと面白いなと思いました😄
江戸の三都では「贅沢品」だった
意外な事実として農村では質素な日常食だった麦飯が、江戸・大坂・京(三都)では贅沢品として扱われていたという記録があります。
大坂の医師・杉野権兵衛が1802年に書いた『名飯部類』には麦飯はとろろかだし汁をかけて食べると記されていて、都市部の人々がわざわざ手をかけて楽しむ食べ方として浸透していたことがわかります。
農村の庶民食が都市では洗練されたグルメとして再評価される、ちょっと面白い逆転現象ですよね。
麦とろが体にいい理由
「夏に麦とろを食べよう」と言われる根拠はちゃんと栄養学的にあります。
大麦の栄養素が白米とは段違い
麦ごはんに使われる大麦は白米と比べて栄養成分に圧倒的な差があります。
| 栄養素 | 大麦の特徴(白米比) |
|---|---|
| 食物繊維 | 約20倍 |
| カルシウム | 約4倍 |
| 鉄分 | 約2倍 |
| ビタミンB群 | 豊富に含まれる |
特に夏場は汗で失われるミネラルやビタミンB群を補給できるので、夏バテ予防の観点からとても理にかなった食べ物なんです。
とろろが消化吸収を助ける
とろろに使われる山芋にも、ビタミンB群・食物繊維・カリウム・マグネシウムが豊富に含まれています。
しかも山芋に含まれるジアスターゼ(でんぷん分解酵素)が胃腸の消化吸収を助けてくれるので、食欲が落ちやすい夏にもサラッと食べられるというのが大きなポイントです。
昔から山いもは「山のウナギ」と呼ばれるほど栄養価が高いと言われていて、江戸時代の人たちが経験的にこの食べ物を重宝していたのも、あながち間違いではなかったみたいです。
血糖値スパイクの抑制にも
余談に近いんですが麦とろごはんには血糖値スパイク(食後の急激な血糖値上昇)を防ぐ効果もあるとされています。
大麦に含まれる豊富な食物繊維が糖質の吸収を穏やかにしてくれるためで、健康管理の面からも注目されている食べ方です。
個人的には夏バテ防止だけじゃなくて毎日の食事に取り入れる価値が十分あるなと感じています。
400年続く老舗「丁子屋」の話
麦とろの歴史を語るうえで外せないのが丸子宿の丁子屋です。
茅葺き屋根が目印の現役店舗
丁子屋は1596年の創業から現在まで14代にわたって同じ場所でとろろ汁を提供し続けています。
店の前には松尾芭蕉の句碑や十返舎一九の碑まであって、富士山の大噴火も大政奉還も世界大戦も乗り越えてきた、まさに生きた歴史の証人みたいなお店ですね。
静岡産自然薯とかつおだしの組み合わせ
丁子屋のとろろ汁は静岡県産の自然薯を焼津産のかつお出汁で引いた白みそ汁でのばして麦飯にかけるというスタイルが特徴です。
市販のとろろパックとは素材も手間も全然違う。機会があれば一度食べてみてほしい、そういう一杯です。
まとめ
- 「麦とろの日」は毎年6月16日、6(むぎ)・16(とろ)の語呂合わせ
- 株式会社はくばくと麦ごはんの会が2001年に制定、日本記念日協会認定
- 麦とろの歴史は1596年(慶長元年)創業の丁子屋にさかのぼり、東海道の名物として江戸時代から親しまれてきた
- 大麦は白米と比べて食物繊維が約20倍・カルシウム約4倍・鉄分約2倍という栄養価の高さ
- 山芋のジアスターゼが消化を助け、夏バテ防止・血糖値スパイク抑制にも効果的
- 松尾芭蕉の句や歌川広重の浮世絵にも描かれた、日本の食文化に深く根ざした一品
6月16日が近づいたらぜひ麦とろごはんを食卓に並べてみてください。
400年以上受け継がれてきた味が夏の入口を元気に乗り越えるきっかけになるかもしれません😊
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