毎年9月24日がどんな日か、ふと気になったことはありませんか。
この記事を読めば清掃の日の正式な由来や、そこに至るまでの日本の廃棄物行政の歴史がしっかりわかります。
なんとなく「掃除に関係ある日なんだろうな」くらいのイメージだった方も、読み終わるころには誰かに説明したくなるくらい詳しくなれると思います。
清掃の日とはどんな記念日?
ここでは清掃の日がどんな性質の記念日なのか、基本の部分から整理していきます。
制定日と主催官庁
清掃の日は毎年9月24日に定められている記念日で環境省が実施しています。
もともとは厚生省(厚生労働省)の所管だったんですが、2001年の中央省庁再編にともなって環境省に移管されたんですね。
最初にこの経緯を知ったときは「衛生の話だから厚生省なのは当然として、今は環境省なんだ」と、行政の役割分担の変化を感じて印象深かったです。
環境衛生週間との関係
清掃の日は単独の記念日というより、期間としての取り組みの起点にあたります。
9月24日の清掃の日から10月1日の浄化槽の日までの1週間が「環境衛生週間」として定められていて、この期間中に廃棄物の削減やリサイクルへの意識向上を呼びかける活動が全国で行われているんです。
ちなみにこの週間中は自治体主導の清掃キャンペーンが各地で実施されるケースが多いみたいですね。
清掃の日の由来 廃棄物処理法の施行
ここを読むとなぜ9月24日という日付が選ばれたのか、その直接の理由がわかります。
1971年9月24日に施行された法律
清掃の日の直接の由来は1971年(昭和46年)9月24日に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法、通称・廃掃法)が施行されたことです。
つまり法律ができた日ではなく、施行された日がそのまま記念日になっているというわけですね。
この法律は現在も廃棄物行政の基本法として機能していて環境省の白書でも根拠法として位置づけられています。
1970年の公害国会という背景
この法律が成立した経緯もかなり重みがあります。
1970年(昭和45年)11月24日から12月18日にかけて開かれた第64回臨時国会、いわゆる公害国会で公害関連の14法案がまとめて可決されました。
廃棄物処理法もこのうちの1本で当初「廃棄物処理法案」という名称だったものが、衆議院社会労働委員会での審議を経て「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」という名称に変わり、1970年12月18日に成立しています。
高度経済成長の裏側で深刻化していたごみ問題や公害への危機感がこの一気呵成の立法作業を後押ししたと言えそうです。
さらに遡る清掃の歴史 汚物掃除法からの流れ
ここでは、971年よりもっと前の、明治時代からの清掃行政の流れを追いかけてみます。
正直、ここまで遡って解説している記事は少ないので、じっくり見ていただけたら嬉しいです。
1900年、汚物掃除法の制定
日本で最初に廃棄物処理を法律で定めたのは、1900年(明治33年)の汚物掃除法(法律第31号)です。
当時は伝染病の流行、とくにペストの拡大を防ぐという公衆衛生上の目的が強く、ごみ収集を市町村の責務として位置づけたのがこの法律の大きなポイントでした。
条文を見ると
「市内ノ土地ノ所有者使用者又ハ占有者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ地域内ノ汚物ヲ掃除シ清潔ノ保持スルノ義務ヲ負フ」
といった文語体の表現が残っていて、当時の空気感まで伝わってくるようです。
1954年、清掃法への全面改正
その後、半世紀ほどこの汚物掃除法が清掃事業の基本として機能したあと、1954年(昭和29年)に清掃法へと全面改正されました。
汚物掃除法は同時に廃止されています。
この清掃法の時代を経て、さらに高度経済成長期のごみ問題の深刻化に対応する形で、先述の廃棄物処理法へとつながっていくんですね。
つまり清掃の日というのは明治から続く100年以上の廃棄物行政の積み重ねの、いわば節目のひとつと言えるのかなと思います。
なぜ9月24日なのか 日付をめぐる補足情報
ここでは9月24日という日付について、もう少し踏み込んで考えてみます。
施行日がそのまま記念日になった理由
これまで見てきた通り、9月24日は特別な語呂合わせや象徴的な出来事があったわけではなく、単純に廃棄物処理法という重要法律の施行日だったから記念日になった、というのが公式の由来です。
記念日というと語呂合わせや偶然の一致がきっかけになるものも多いですが清掃の日に関してはかなり実務的な理由で決まっているのが特徴的だなと感じます。
出回っている逸話については要注意
ネット上では「1954年のこの日に天皇陛下が伊勢神宮で自ら掃除をされた逸話が由来」といった説を見かけることもあります。
ただ、これは環境省など公式な情報源では確認できず、あくまで一部サイトで紹介されている逸話という段階のものです。
全く裏取りができていない情報なのでこれは憶測というか、都市伝説的な位置づけとして受け止めておいたほうが良さそうだと個人的には思っています。
清掃の日の公式な由来はあくまで1971年の廃棄物処理法施行だと考えていただくのが確実です。
環境衛生週間中に行われている取り組み
ここでは清掃の日を起点とした1週間で、実際にどんな活動が行われているのかを見ていきます。
全国的な清掃キャンペーンの実施
環境衛生週間の期間中は各自治体が主導する形でごみ拾いイベントや河川清掃、資源回収の呼びかけなどが行われています。
1970年代前半に「ごみ戦争」と呼ばれるほど都市部でごみ処理をめぐる住民運動と行政の摩擦が激化した歴史があることを考えると、この時期に環境美化を呼びかける取り組みが根付いていったこと自体、当時の切実な社会課題の裏返しだったのかもしれませんね。
家庭や職場でできる小さな行動
大掛かりなイベントに参加しなくてもこの時期にごみの分別を見直したり、資源ごみのルールを確認し直したりするだけでも、清掃の日の趣旨には十分沿っていると思います。
私が思うには9月24日をきっかけに1年に1回でも自分の暮らしのごみの出し方を点検する習慣をつけると、けっこう暮らしがすっきりするんじゃないかなと感じています。
まとめ
清掃の日について押さえておきたいポイントを整理しておきますね。
- 清掃の日は毎年9月24日で環境省が実施している記念日
- 直接の由来は1971年9月24日に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」が施行されたこと
- 廃棄物処理法は1970年の公害国会で成立した公害関連14法案のひとつ
- さらに遡ると1900年の汚物掃除法、1954年の清掃法という積み重ねの歴史がある
- 9月24日から10月1日の浄化槽の日までが「環境衛生週間」とされている
- 天皇陛下の掃除の逸話は公式な由来としては確認できておらず、憶測の域を出ない情報
こうして歴史をたどってみると清掃の日は単に「掃除を意識する日」というだけでなく、明治から続く日本の公衆衛生や環境行政の歩みそのものを映し出している記念日なんだなと感じます🍃
9月24日を迎えたらぜひご自宅のごみ出しルールや分別方法を、一度見直してみてはいかがでしょうか。
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