この記事を読めば7月1日「カレッジリングの日」がなぜ制定されたのか、その歴史的な背景や由来がまるごとわかります。
「カレッジリングって何?」という入門の方から、「なんで7月1日なの?」と気になっている方までここにある情報で全部解決できるはずです。
カレッジリングの日とは
7月1日に制定された記念日
7月1日は「カレッジリングの日」。
日本のカレッジリング専業メーカーである有限会社フィリップチャンピオンリングアンドカレッジリングが申請し、一般社団法人日本記念日協会によって正式に認定・公認された記念日なんです。
制定の目的はとてもはっきりしていて、カレッジリングの文化的な価値と歴史的背景を日本に広く知ってもらいたいということ。
卒業・創立記念・優勝記念など人生の節目を指輪という形で残す習慣を日本でも定着させたい、という想いがベースになっています。
なぜ7月1日なのか?日付の由来
日付の根拠はなんと190年以上も前の史実に基づいています。1835年7月1日、アメリカ陸軍士官学校(ウエストポイント)で当時の卒業生たちに任官式が行われた日がこの日付の由来です。
この史実はウエストポイントの全卒業生の名簿を編纂したジョージ・カラム氏が作成した「カラムレジスター」という歴史的資料に記録されていまして、そこに1835年7月1日が卒業・任官の日として明確に記されているんですね。
申請にあたってはこのカラムレジスターが根拠資料として提出されており、ただの語呂合わせや企業の都合ではなく、歴史的な記録に基づいた日付という点が印象深かったです。
カレッジリングの歴史
1835年ウエストポイントが起源
カレッジリングの歴史は1835年のアメリカにさかのぼります。
ニューヨーク州にある米国陸軍士官学校(通称:ウエストポイント)の候補生たちが、4年間の過酷な訓練を共に乗り越えた同期の絆を刻むために、揃いの指輪を作ったのが始まりです。
ウエストポイントはアメリカ陸軍の中でも最精鋭のエリート将校を育成する場所。そこで生まれた「同期全員で同じリングをつける」という発想はただのアクセサリーを超えた連帯の証でした。
最初のリングはシグネットリング(印台リング)のような形状で、封蜡を押すための紋章が刻まれていたといいます。
なんというか、当時の実用性とアイデンティティが混ざったすごくリアルなデザインだったんですね。
ヨーロッパのシグネットリングという源流
実はカレッジリングにはもうひとつのルーツがあります。中世ヨーロッパのシグネットリング(印台リング)という文化です。
シグネットリングの歴史は古代エジプト時代(紀元前1300年代)まで遡るともいわれていて、貴族や権力者が自身の紋章を刻んで封蜡(ふうろう)に使ったり、家柄や出自を証明するために身につけていたものでした。
14世紀の中世ヨーロッパでは「すべての公文書にはシグネットリングによる印がなければならない」と法律で定められていたほど、それだけ権威のあるアイテムだったんです。
その後、17世紀ごろのイギリス・オックスフォード大学の卒業生たちがこのシグネットリングをもとに卒業記念のリングを作り始めたとも言われています。
アイビーリーグ全米への広がり
ウエストポイントで始まったクラスリングの伝統は、やがてハーバード大学やイェール大学、プリンストン大学などアイビーリーグの名門校に広まっていきます。
高校や大学の卒業記念として全米に定着するにつれ、リングに込められる意味も少しずつ豊かになっていきました。
警察学校や軍の士官学校では今も必ずといっていいほど作られているそうですし、1970年代以降はMLBやNBA・NFLのチャンピオンリングという形にも進化しています。
卒業の証から、勝利の証へ。
リングという文化の懐の深さを感じます。
「カレッジリング」は実は和製英語
アメリカでは「クラスリング」と呼ぶ
意外に思われるかもしれませんが「カレッジリング」という呼び名は日本独自の造語です。
アメリカでは同じものを「クラスリング(Class Ring)」や「スクールリング(School Ring)」と呼んでいて、英語文化圏では「カレッジリング」という言い方はほとんど使われません。
ちなみに、「クラス(Class)」という単語には英語で「学年」「階級」という意味があり、クラスリングというのは「同じ学年・同じ階級を表すリング」というニュアンスです。
日本語的に「大学の指輪」のイメージで「カレッジリング」と呼ぶようになったのは、あくまで日本人が独自に作った表現なんですね。
日本には1960年代アイビーブームで普及
日本でカレッジリングが広まったのは1960年代のアイビールックブームがきっかけです。
当時、アメリカのアイビーリーグのファッションスタイルが日本の若者のあいだで爆発的な人気を集めていて、カレッジリングもそのムーブメントとともに一気に知られるようになりました。
VAN JACKETがアイビースタイルを日本に打ち出す中でカレッジリングを広めたパイオニアとして知られており、それ以来ずっとトラッドファッションの定番アイテムとして今日まで愛され続けています。
ウエストポイントの伝統的なリング儀式
リングをめぐる4年間の物語
カレッジリングの発祥の地であるウエストポイントではリングはただの卒業記念品ではありません。入学から卒業まで4年間をかけてリングに「命」を吹き込んでいく、非常に重厚な儀式の積み重ねがあります。
1年次には候補生自らの手で「リング・クレスト委員会」が発足し、約半年かけて自分たちの学年を象徴するデザインを考え抜きます。
3年次には「リング・メルト」と呼ばれる儀式が行われ、亡くなった先輩卒業生から遺族が寄贈したリングを溶かして、新しいリングの地金に混ぜ合わせるんです。
リング・セレモニーとリングの着用作法
4年次の8月、最終学年が始まると同時に「リング・セレモニー」が開催されます。
ハドソン川を一望するトロフィーポイントに候補生全員が集まり、一斉に開封の許可が下りる瞬間は、それはもう感動的な光景だといいます。
そしてリングの着用の向きにも深い意味があります。在学中はクラス・クレストを自分(心臓)側に向けて、まだ見ぬ未来と同期の絆を胸に刻む。
卒業後はリングを反転させ、アカデミー・クレストを自分側に向け、「義務・名誉・祖国(Duty,Honor,Country)」の理念を常に己の心に問い続けるための作法とされています。
シンプルだけどめちゃくちゃ格好いい考え方だなと思います。
カレッジリングのデザインの基本構造
トップ・左サイド・右サイドの三要素
現代のカレッジリングのデザインはウエストポイントで1917年に統一された形式が原型になっています。基本の構造はこうです。
リングのトップ(天面)には学校名と卒業年度、そして選べる宝石(ストーン)が配置され、左サイドには学校の公式紋章(アカデミー・クレスト)、右サイドにはその学年の候補生たちが自ら考えたオリジナルの紋章(クラス・クレスト)が刻まれます。
この「学校の伝統」と「その年の学生の個性」を両方リングに込めるというデザインの考え方は、現在まで世界中に広まった卒業記念リング全般の基本フォーマットになっていますね。
宝石、紋章に込められた意味
もともとのカレッジリングは封蜡を押すためのシグネットリングがルーツのため、リング天面の大きな石座や彫刻がポイント。
卒業年や学校名の彫刻に加えてスポーツや専攻、個人の想いに合わせた宝石を選べるのが現代のカレッジリングの特徴です。
欧米では結婚指輪をカレッジリングと同じ形式で作る文化もあるほど、生涯を通じて身につけるものとして認識されているのが印象的でした。
まとめ
- 7月1日「カレッジリングの日」は有限会社フィリップチャンピオンリングアンドカレッジリングが申請し、日本記念日協会に正式に公認された記念日
- 日付の由来は1835年7月1日、アメリカ陸軍士官学校(ウエストポイント)の卒業・任官式の日に基づいており、ジョージ・カラム氏のカラムレジスターという歴史資料に記録されている
- カレッジリングの起源はウエストポイントの候補生たちが同期の絆の証として作ったことに始まり、190年以上の歴史を持つ
- ルーツはさらに遡ると古代エジプト~中世ヨーロッパのシグネットリング文化にある
- 「カレッジリング」という呼称は日本独自の造語で、アメリカでは「クラスリング」と呼ぶ
- 日本には1960年代のアイビールックブームとともに広まった
- ウエストポイントでは入学から卒業まで4年間をかけた儀式(リング委員会、リング・メルト、リング・セレモニー)が今も続く
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