この記事を読めば6月27日「障害者優先調達推進法の日」の意味・由来・歴史が一通り理解できます。
「なんか聞いたことあるけど、正直よく知らない」
という方も多いんじゃないかと思います。
実はこの記念日、障害のある方の「働く」を守るために長年動き続けてきた人たちの努力が結実した日なんです。
ちょっと深掘りしてみると思いのほか奥が深くて、個人的にはかなり印象に残りました。
6月27日が「障害者優先調達推進法の日」である理由
なぜ6月27日が記念日になったのかその直接的な理由を整理します。
公布日が記念日の由来
2012年(平成24年)6月27日、「国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律(通称:障害者優先調達推進法)」が公布されました。
この公布日がそのまま記念日の由来になっています。
なお、法律が実際に動き出した「施行」は翌年2013年(平成25年)4月1日です。公布と施行の日付が違うのは、施行までに国の基本方針の策定など準備が必要だったためです。
記念日として正式に認定されたのは2023年
「障害者優先調達推進法の日」という記念日が一般社団法人・日本記念日協会に正式認定・登録されたのは2023年(令和5年)です。
制定したのは全国の障害者が働く施設関係者で構成された「全国社会就労センター協議会」という組織。
障害のある方々の「働く・くらす」を支援するために1977年(昭和52年)に設立された団体で、この法律の成立に向けて長年ロビー活動を続けてきた主体でもあります。
「障害者優先調達推進法月間」もある
6月27日の記念日に加えて6月20日から7月20日の1か月間は「障害者優先調達推進法月間」として定められています。
この期間中、全国社会就労センター協議会と日本セルプセンターが連携して、自治体や企業への周知・啓発活動を実施しているんです。
障害者優先調達推進法とはどんな法律か
法律そのものの内容や目的、対象をわかりやすくまとめます。
法律の目的と仕組み
一言でいうと「国や地方自治体が、障害者の働く施設から優先的に物品や仕事を発注しましょう」という法律です。
具体的には障害福祉サービス事業所などが作ったパンや弁当、木工品、清掃サービスなどを国や都道府県・市区町村が優先的に購入・発注することが努力義務として定められています。
毎年度、調達の目標と実績を公表することも義務付けられているので、「やってるかどうか」が透明化されているのが特徴的です。
対象となる物品やサービスの例
発注できる品目は意外と幅広いです。
食料品ではパンや弁当、麺類、お菓子など。小物雑貨では、木工品やコースター、アクセサリー類。役務(サービス)では、施設の清掃作業や封入・シール貼りなどの軽作業、資源回収まで対応しています。
「そんなものも頼めるの?」という発見がありますよね。
なぜ「努力義務」なのか
法律を読むと「義務」ではなく「努力義務」という言葉が使われています。
これは、すべての調達を障害者施設から強制することが現実的でないためで、各機関が目標を設定して取り組む形になっています。
ただ、目標と実績の公表が義務化されているので、実質的なプレッシャーはそれなりにあるとも言えます。
法律が生まれるまでの歴史
障害者優先調達推進法が誕生するまでの長い道のりを振り返ります。
原点はアメリカの「JWOD法」
全国社会就労センター協議会(セルプ協)は、1978〜79年ごろにアメリカの「ジャヴィッツ・ワグナー・オーディ法(JWOD法)」という障害者向け官公需優先発注制度を研究したことが原点です。
「日本でも同じような仕組みが作れないか」という議論が、そこから始まりました。
実はこの「法制化への夢」が形になるまで30年以上かかっているんです。組織が1977年に設立されて、そこから数十年。長い。
「ハート購入法」の挫折
2008年、公明党・自民党の共同提案で「ハート購入法」という名称の法案が国会に提出されました。ところが政権交代の影響で廃案となり、しばらくこう着状態が続きます。
「やっと実現か」と思ったら廃案…という経緯を知ると関係者の方々の落胆は相当だったんだろうなと感じます。
2012年、ついに全会一致で成立
2011年末から再び動き出し、各政党への集中的な陳情活動が重ねられました。
そして2012年6月20日、障害者総合支援法と同じ日に、衆参両院で全会一致により可決・成立しています。
「全会一致」というのは国会ではかなり珍しいことでそれだけ障害者就労支援の重要性が党派を超えて認識されていたことがわかります。
個人的にはここが一番グッとくるポイントでした。
法律施行後の調達実績の推移
法律が実際にどれほど機能しているかを数字で確認します。
10年以上連続で過去最高を更新中
2013年度の施行から調達実績の金額は10年以上にわたって毎年過去最高を更新し続けています。
令和5年度(2023年度)の実績は、国・都道府県・市区町村などを合わせた合計で約235億円、件数は約14万5,888件。そして令和6年度(2024年度)の実績はさらに増えて、246億円を突破しました。

発注の中心は市町村
発注額の内訳を見ると市町村が約162億円で圧倒的に多く、次いで都道府県が約36億円、国は約13億円です。
「国より地方自治体のほうがずっと動いている」というのは、想像以上に実感として大きな数字でした。
国の発注額の約4割は厚生労働省が占めていて、次いで防衛省、文部科学省、財務省と続いています。
課題は「まだ知られていない」こと
数字は伸び続けているとはいえ、全国にある障害者就労施設への発注はまだ十分ではないというのが現状のようです。
記念日や月間を設けて啓発活動が続けられているのも、そういった背景があってのことですよね。
障害者優先調達推進法の日が持つ意味
この記念日が存在することの意義を少し掘り下げます。
「仕事を発注する」ことが支援になる
一般的な寄付や募金と違い、この法律が求めているのは「実際の仕事を依頼すること」です。
障害のある方が自分で働いて対価を得るという形が工賃向上や経済的自立に直結します。
仕事を「あげる」のではなく「依頼する」という姿勢が障害者の尊厳に関わる大切な視点だと思っています。
SDGsとの関連
障害者優先調達推進法は「誰ひとり取り残さない」を目指すSDGsの目標8(働きがいと経済成長)や目標10(不平等をなくそう)とも深く関連しているとされています。
この記念日を知ることがSDGsへの意識を高めるきっかけになることもあるみたいです。
兵庫県など地域ごとの取り組みも
地域レベルでも動きがあってたとえば兵庫県では、障害者就労施設から年間100万円超を調達した企業を知事が「ひょうご障害者ハート購入企業」として認定する仕組みを設けています。
認定されると、県の建設工事契約での加点など実際のメリットもあるので、企業側にも参加しやすい設計になっているんです。
まとめ 6月27日「障害者優先調達推進法の日」のポイント
- 6月27日は、2012年に障害者優先調達推進法が公布された日
- 記念日は2023年に日本記念日協会が正式認定、制定したのは全国社会就労センター協議会
- 法律の目的は、国・自治体が障害者就労施設から物品や役務を優先調達し、障害者の経済的自立を支援すること
- 法律の成立には「ハート購入法」の廃案など30年以上の歴史がある
- 施行後の調達実績は毎年過去最高を更新し、2024年度は246億円を突破
- 6月20日〜7月20日は「障害者優先調達推進法月間」として啓発活動が行われている
6月27日が近づいたら、ぜひ身近な自治体や職場が障害者就労施設に発注できるものがないか、ちょっと考えてみてほしいです。
小さな一歩が誰かの「働く」を守ることに繋がっていますよ😊
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