毎年8月24日は「ドレッシングの日」なんです。
この記事を読めばなぜこの日付になったのか、誰が制定したのか、そしてドレッシングそのものがどんな歴史を歩んできたのかがまるごとわかると思います。
夏バテで食欲が落ちがちなこの時期に、なんとなくサラダにドレッシングをかけながら「そういえばこれ、何の日だっけ」と思った方も多いんじゃないでしょうか。
ちょっと気になったことをきっかけに、じっくり深掘りしていきますね。
ドレッシングの日とは何の日なのか
まず結論から言うと8月24日はマヨネーズやドレッシングを作っているケンコーマヨネーズ株式会社が制定した記念日です。
ここではどんな会社がどんな手続きで記念日として認めてもらったのかを見ていきます。
制定した企業と日付
ドレッシングの日を制定したのは東京都杉並区に本社を置くケンコーマヨネーズ株式会社です。
マヨネーズやドレッシング、業務用サラダなどの製造販売を手がけていて、業務用のロングライフサラダでは業界シェア40パーセントを持つとされる、いわば裏方の食品メーカーなんです。
制定の目的はドレッシングの新しい使い方をもっと知ってもらって、食生活を豊かにしてもらうことだったそうです。
日本記念日協会への登録
この記念日は2016年に一般社団法人日本記念日協会に登録されました。
実は登録の際には東京中野の中野セントラルパークで記念日登録証の授与式まで開かれていて、日付の決め方について「なるほど」とうなずく参加者の様子も報告されています。
個人的には企業が勝手に名乗っているだけじゃなくて、こうした第三者機関にちゃんと認定されているのが地味に信頼できるポイントだなと思いました。
8月24日になった由来を深掘り
ドレッシングの日の日付には実は二つの仕掛けが重なっていて、これが分かるとぐっと面白くなります。一つずつ整理していきますね。
語呂合わせの仕掛け
ドレッシングは野菜にかけて使うことが多いですよね。
そこから「野菜にかける」を「掛け算をする」に読み替えて、831という数字、つまり「やさい」を8×3×1と計算すると24になるという語呂合わせが元になっています。
ちょっと強引に感じる部分もあるかもしれませんが数字遊びとしてはよくできているなと感じます。
カレンダーの位置がポイント
もう一つの理由がわりと知られていない気がするんですがカレンダーで見たときの位置関係なんです。
8月31日は「野菜の日」として先に記念日登録されていて、週間カレンダーで表示すると8月24日はちょうどその一週間前、真上のマスに位置します。
この「真上から野菜にドレッシングをかける」というビジュアルのイメージを日付選定に使っているのが、ドレッシングの日ならではの発想だと思います。
多くの記念日は語呂合わせだけで決まっていることが多いので、カレンダーの見た目まで使っているのはちょっと珍しいケースなんじゃないでしょうか。
なぜ野菜の日と結びついているのか
ドレッシングの日を理解するには野菜の日とのつながりを外せません。ここでは両者の関係と季節的な意味合いを見ていきます。
野菜の日との関係
野菜の日は「や(8)さい(31)」という語呂合わせで8月31日に定められた記念日です。
ドレッシングの日はこの野菜の日を軸にして、あえて一週間前の8月24日をぶつけてきているわけですね。
つまりドレッシングの日は単体で存在する記念日というより、野菜の日と対になって初めて意味が完成する記念日だと言えなくもないというか、そういう構造になっている気がします。
夏の食欲不振対策という視点
もう一つ触れておきたいのが時期の意味です。8月下旬は夏バテで食欲が落ちやすいタイミングですよね。
ドレッシングをかけたサラダなら比較的さっぱり食べられるので、健康への願いも日付に重ねられているという説明がされています。
これはあくまで制定側が込めた意図という位置づけですが、実際に夏場は酸味のあるドレッシングが食べやすく感じるという人も多いんじゃないかなと思います。
制定したケンコーマヨネーズという会社について
日付の由来だけでなく、制定した会社そのものの背景を知るとこの記念日の見え方が少し変わってきます。
会社の成り立ち
ケンコーマヨネーズのルーツは1958年、神戸で設立された森本油脂株式会社という食用油の販売会社でした。
当初は関西の煮豆屋や総菜店向けに、コロッケ用の油やマヨネーズの原料として油を販売していたんですが、当時は総菜店が自家製のマヨネーズを作っていて、夏場に油と卵が分離してしまう品質のばらつきが課題になっていたそうです。
そこで1961年に業務用マヨネーズの製造販売に事業転換し、1966年にケンコー・マヨネーズ株式会社、1992年に現在のケンコーマヨネーズ株式会社に商号を変更しています。
業務用市場でのポジション
家庭用の売り場でよく見かけるキユーピーなどとは違って、ケンコーマヨネーズはどちらかというと業務用市場に強い会社なんです。
1977年には業界で初めてとされるロングライフサラダを発売していて、これが外食や中食市場の広がりとともに定着していきました。
つまりドレッシングの日を作ったのは消費者の目に直接触れる機会は少ないけれど、飲食店や中食の裏側を支えている会社だという点は、意外と知られていない部分かもしれません。
個人的にはここが一番の隠れた見どころだと感じています。
ドレッシングそのものの歴史をたどる
記念日の由来がわかったところで、そもそもドレッシングという食べ物自体がどんな歴史を持っているのかも掘っておきますね。
ここが分かると記念日への理解がさらに深まると思います。
古代ローマから続くオイルビネガーの伝統
油と酢を組み合わせるフレンチドレッシングのようなスタイルは、実は古代ローマの時代からあったと伝えられています。
マヨネーズについては18世紀フランス、ルイ15世の時代に作られたという説が広く紹介されていますね。
ただ、この起源説には諸説あって確定的な史料が乏しい部分もあるので、あくまで伝えられている話として受け止めておくのが良さそうです。
日本への上陸とマヨネーズの誕生
日本にマヨネーズが登場したのは1925年、大正14年のことでした。
現在のキユーピー株式会社の創業者である中島董一郎氏が、日本で初めてマヨネーズを製造販売したとされています。
戦前は高級品だったので生産量はそれほど多くなく、戦後の高度経済成長期に食の洋風化が進んだことで生産と消費が一気に伸びていったそうです。
家庭用フレンチドレッシングの登場
家庭用のドレッシング、いわゆるフレンチドレッシングが日本で初めて登場したのは1958年、昭和33年のことでした。マヨネーズよりだいぶ後の話なんですね。
ちなみにこの年はケンコーマヨネーズの前身である森本油脂が設立された年でもあって、日本のドレッシング文化の始まりと、後にドレッシングの日を作る会社の誕生が同じ年に重なっているのは、単純な巧妙な仕掛けというより歴史のいたずらみたいなものかもしれません。
もっとも、これは私の勝手な感想です。
和風ドレッシングと中華ドレッシングの誕生
1965年、昭和40年にはキユーピーが醤油ベースの和風ドレッシングを発売して、これが日本人の味覚に合っていたことでサラダ文化の普及を後押ししたと言われています。
さらに1978年、昭和53年には中華ドレッシングも登場し、ドレッシングの種類がどんどん広がっていきました。
ノンオイルドレッシングが登場したのは1987年、昭和62年とされていて健康志向の高まりに合わせて商品のバリエーションが増えていった流れがよくわかりますね。
ドレッシングの語源と意味
ここまで歴史を追ってきましたが、そもそも「ドレッシング」という言葉自体の意味も気になりませんか。最後にこの点を整理しておきます。
dressの意味
ドレッシングは英語のdressから来ていて、「衣服を着せる」とか「飾る」といった意味を持つ言葉です。
野菜にドレッシングをかけることを、野菜に服を着せて飾ってあげるイメージで捉えているというのは、なかなか素敵な発想だなと思います。
サラダを美しく着飾らせる調味料、という捉え方ですね。
JASの定義
日本農林規格ではドレッシングは、食用植物油脂と食酢または柑橘類の果汁を必須の原材料として、食塩や砂糖類、香辛料などを加えて調製し、水中油滴型に乳化した半固体状もしくは乳化液状の調味料、または分離液状の調味料であって、主にサラダに使うものと定義されています。
細かい規格まで決まっているのは意外と知らなかった方も多いんじゃないでしょうか。
ちなみに世界のソースや調味料、ドレッシングを含む市場規模は2026年時点で1916億8000万米ドル規模になると見込まれていて、年平均5.65パーセントの成長が予測されています。
日本国内の調味料市場全体も2021年度で1兆4699億円に達していて、単身世帯や共働き世帯の増加による簡便性への需要が背景にあるとされています。
ドレッシングはこうした大きな市場の中の一部を担う存在なんですね。

まとめ
ドレッシングの日について由来から歴史まで一通り見てきました。最後に要点を整理しておきますね。
- 8月24日はケンコーマヨネーズ株式会社が制定し、2016年に日本記念日協会へ登録された記念日
- 日付は「野菜(831)にかける」を8×3×1=24と読む語呂合わせと、野菜の日(8月31日)の真上に位置するカレンダー上の仕掛けの二つが重なって決まった
- 制定企業は業務用市場に強い会社で、家庭用市場のイメージとは少し違う立ち位置にある
- ドレッシング自体は古代ローマにルーツを持つとされ、日本では1925年のマヨネーズ、1958年のフレンチドレッシング、1965年の和風ドレッシング、1978年の中華ドレッシングという順で広がっていった
- 語源は英語のdressで野菜を飾るという意味合いが込められている
こうして見るとたった一つの記念日の裏に、企業の歴史も、食文化の歩みも、言葉の由来もぎゅっと詰まっているんだなと感じます。
8月24日が来たら、いつものサラダにちょっと違うドレッシングを試してみるのも良いかもしれませんね🥗
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