この記事を読めば「エメラルドの日」がなぜ5月4日なのか、誰が制定したのか、そしてエメラルドという宝石が持つ数千年の歴史までまとめてわかります。
「みどりの日」と「エメラルドの日」って、なんとなく似たニュアンスですよね。
実はこの2つ、深いつながりがあるんです。
ただ知っているようでちゃんと説明できる人は意外と少ないんじゃないかなと思っています。
宝石への興味がある方はもちろん、「今日は何の日?」と調べてたどり着いた方にもエメラルドの奥深い世界を知ってもらえたら嬉しいです。
エメラルドの日とは?基本情報
「エメラルドの日」は5月4日にエメラルドの美しさと価値を広く知ってもらうことを目的とした記念日です。
いつ誰が制定したのか
コロンビアエメラルド輸入協会が2000年(平成12年)に制定した記念日です。
日本記念日協会によっても認定・登録されています。
エメラルドといえばコロンビア産が世界的に最も有名なのでその輸入を担う協会が動いたというのは、なかなか納得感がある話ですよね。
ちなみに、制定当初は今と日付が違っていました。最初は4月29日に設定されていたんです。
4月29日はかつての「みどりの日」だったので、緑色の宝石であるエメラルドをPRするには最適な日付として選ばれたわけです。
なぜ5月4日に変わったのか
ところが2007年(平成19年)の祝日法改正によって「みどりの日」が4月29日から5月4日に移動しました。そ
れに合わせて、「エメラルドの日」も5月4日へと日付を変更したという経緯があります。
要するに「エメラルドの日」はずっと「みどりの日」と一緒に動いている記念日なんですね。
緑の宝石であるエメラルドが自然の緑を称えるみどりの日と並んで語られるのは、なんか。すごく理にかなっている気がします。
記念日の目的
緑色の宝石エメラルドをPRすることそれが記念日のシンプルな目的です。
エメラルドが5月の誕生石でもあることから、誕生日が5月の方には特に意味深い記念日でしょう。
エメラルドの名前の由来と語源
エメラルドという名前、その響きも美しいですよね。
実は、この言葉には数千年をかけた語源の旅があります。
サンスクリット語からたどる言葉の変化
エメラルドの語源はサンスクリット語で「緑色の石」を意味する「スマラカタ」にさかのぼります。
この「スマラカタ」がギリシャ語で「スマラグドス(smaragdos)」、ラテン語で「スマラグダス」→「スマラルダス」と変化し、さらに古フランス語で「エスメラルド」に変わって、最終的に現在の「エメラルド(emerald)」に落ち着いたのだそうです。
これだけの言語をまたいで変化してきた言葉というのはそれだけこの宝石が古くから世界中で知られていた証拠でもあります。
「緑の石」という本質的な意味
語源を追っていくとどの言語においても共通して「緑」「緑色の石」というコアな意味が保たれています。
名前そのものが色を表している宝石というのは、なかなかめずらしいかもしれません。
エメラルドの歴史 古代からつづく4000年の物語
エメラルドの歴史は人類の文明とほぼ重なるくらい古いんです。
宝石ひとつのストーリーとは思えないほど、波乱万丈な歴史をたどっています。
クレオパトラが愛したエジプト時代
世界で最初に知られるエメラルド鉱山はエジプトにあり、その歴史は少なくとも紀元前1700年代にまでさかのぼります。
紀元前1500年頃、紅海からエジプト内陸部に20km入った場所にエメラルド鉱山が発見され、それはやがてクレオパトラの所有となったといわれています。
クレオパトラはエメラルドへの情熱で有名で装飾品として積極的に使用していました。
在任期間中にその鉱山をほぼ使い果たしてしまったという逸話が残っているくらいです。…うん。クレオパトラらしいエピソード。
インカ帝国の「神の石」
南米のインカ帝国ではエメラルドは「神の石」として崇められていました。
宗教儀式に用いられ、特に太陽神インティへの供物として捧げられることも多かったのだそうです。
インカの人々は、エメラルドを使ったジュエリーや宗教儀式をスペイン人が来るはるか前からすでに500年以上継続していたことになります。
個人的にはこの「神へのお供え物として使うほど価値がある石」という感覚が、現代人のエメラルドへの憧れにつながっているのかなと思っています。
スペインによる征服と世界への拡散
16世紀、スペインの征服者たちがコロンビアに侵入してインカからエメラルドを奪い、さらに「ソモンドッコ(碧の石の神)」と呼ばれる鉱山の場所まで聞き出しました。
スペイン人たちは当時、金銀の方がはるかに価値があると考えていたため、エメラルドを金や銀と交換してしまったのです。
その交換がヨーロッパとアジアの王族にエメラルドの素晴らしさを知らしめることになりました。
スペインが「価値が低い」と思って手放したエメラルドが世界中に広まるきっかけになったわけです。
エメラルドと「みどりの日」の深いつながり
なぜ、緑の宝石と日本の祝日がこれほど密接に結びついているのか改めて整理してみましょう。
5月の誕生石としての位置づけ
エメラルドは5月の誕生石として国際的に認められています。
その理由はエメラルドの色が新春の緑の繁茂を表しているから、というのが定説です。
春から初夏にかけての瑞々しい新緑を宝石で表現するなら、確かにエメラルドしか考えられないですよね。
日本でいう「みどりの日」(自然に親しむことを目的とした国民の祝日)と、緑の宝石エメラルドが重なるのはとても自然な発想だったのかもしれません。
結婚記念日としての特別な意味
エメラルドは誕生石にとどまらず、結婚20周年(エメラルド婚)および35周年の宝石としても知られています。
日本では結婚55周年をエメラルド婚と呼ぶこともあるみたいです。
長い年月をかけて育んだ愛の象徴として、エメラルドが選ばれているのはなんとも素敵な話だと思います。
エメラルドの石言葉と象徴的な意味
宝石が持つ「言葉」というのはその宝石の歴史や人々の想いが凝縮されたものです。
エメラルドの場合はとくに豊富で、けっこう深い意味が込められています。
愛と幸福を象徴する言葉たち
エメラルドの石言葉には「幸運」「幸福」「希望」「愛」「癒し」「先見の明」「明晰さ」などがあります。
古代から「疲れた旅人を癒し、病気を治す」「舌の下に置くと未来が見える」「身に着けると言葉が巧みになる」「悪い魔法から守ってくれる」という信仰があったほどです。
現代の視点から見るとエメラルドのグリーンが視覚的に心を落ち着かせ、ストレスを緩和する効果があることは科学的にも部分的に裏付けられていて、古代ローマでは目の療法としても使われていたそうです。
「ジャルダン」 内包物が生む独特の美しさ
エメラルドといえばほぼすべての石に内包物(インクルージョン)があることで知られています。
他の宝石では欠点とされがちなインクルージョンがエメラルドの場合は「苔や庭園のように見える」として、フランス語で「庭」を意味する「ジャルダン」と呼ばれ、むしろ石の個性として容認されています。
この考え方、ちょっと好きなんですよね。
完璧ではないことを欠点と呼ばずに、「庭」と名付けてしまう感覚
内包物がまったくない透明なエメラルドは希少で特別な価値を持ちますがジャルダンがある石もまた唯一無二の表情を持っているわけです。
まとめ
- 「エメラルドの日」は毎年5月4日でコロンビアエメラルド輸入協会が2000年に制定。日本記念日協会に認定されている
- もともとは4月29日だったが、「みどりの日」の日付変更に合わせて2007年から5月4日へ移動
- 「みどりの日」と同日なのはエメラルドが緑色の宝石だからという、シンプルで直感的な理由
- エメラルドの語源はサンスクリット語「スマラカタ(緑色の石)」にさかのぼり、複数の言語を経て現代の呼び名になった
- 歴史はエジプト時代(紀元前1700年代)からはじまり、クレオパトラやインカ帝国でも重宝された
- 石言葉は「幸運」「幸福」「愛」「癒し」「先見の明」など豊富
- エメラルドに特有のインクルージョンは「ジャルダン(庭)」と呼ばれ、欠点ではなくその石の個性として扱われる
5月4日のみどりの日にふと空を見上げて「エメラルドみたいな新緑だな」と感じてみるのも悪くないんじゃないかと思います。
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