9月15日は「ひじきの日」です。
この記事を読めばひじきの日が生まれた由来や歴史、そして意外と知られていないひじきの栄養や注意点まで、まるっと理解できると思います。
敬老の日にちなんだ記念日だと聞いても、正直「なんで急にひじき?」って思う方、けっこう多いんじゃないでしょうか。
私も最初に知ったとき、そのつながりがすぐには飲み込めませんでした。
健康を願う気持ちと海藻がどう結びついたのか順を追ってお話ししていきますね。
ひじきの日はいつ制定された記念日?
ここではひじきの日の基本情報と制定した団体について説明します。
制定は昭和59年、三重県ひじき協同組合による
ひじきの日は1984年(昭和59年)、三重県ひじき協同組合によって制定されました。
三重県は伊勢ひじきの産地として知られていて、地元の生産者団体が中心となってこの記念日を作ったんですね。
日付は毎年変わらず9月15日に固定されています。
制定の目的は大きく3つあると北村物産株式会社の公式サイトで説明されています。
ひじきの消費拡大、ひじきが健康食品であることのPR、そしてひじきが三重県の特産物であることのPRです。
単に記念日を作りたかったわけじゃなくて、産業としての切実な思いが背景にあったんだなと感じますね。
なぜ9月15日なのか
9月15日という日付は、当時「敬老の日」だった日に合わせて選ばれました。
敬老の日は2003年(平成15年)からハッピーマンデー制度によって9月の第3月曜日に変更されましたが、ひじきの日は日付を変えずに9月15日のまま残されています。
ちなみに敬老の日そのものの起源は、兵庫県多可郡野間谷村(現在の多可町)で1947年に開催された敬老会だとされていています。
ひじきの日に込められた由来と願い
ここを読むと記念日に込められた具体的な願いと、その背景にある考え方がわかります。
「食べて健康に長生きしてほしい」という願い
制定の趣旨としてよく紹介されるのが、「ひじきをもっと食べて健康に長生きしてください」という願いです。
これからの高齢化社会に向けて、単に寿命が延びるだけじゃなく健康に長生きすることが大切だという考え方がベースになっているんですね。
昔から「ひじきを食べると長生きする」という言い伝えがあったことも、日付選定の理由の一つとして挙げられています。
この言い伝え自体がいつ生まれたのかについては、正直はっきりした史料までは確認できませんでした。
あくまで昔からの言い伝えとして紹介されている範囲での話だと理解しておいてくださいね。
敬老の日との組み合わせが持つ意味
敬老の日にひじきの日を重ねた発想、個人的にはけっこう巧みだなと思いました。
長寿を祝う日と長寿食とされる食材を結びつけることで、ただの業界PRを超えて「食を通じた健康長寿への願い」というメッセージ性が生まれていますよね。
三重県ひじき協同組合は現在も、周辺市町村の敬老会や福祉施設に伊勢ひじきを寄贈する活動を続けているそうです。
記念日制定から40年以上経った今も、当初の趣旨が形として残っているのはなかなか珍しいケースかもしれません。
ひじき祭りなど関連イベントの歴史
ここではひじきの日に合わせて行われてきたイベントの歴史を紹介します。
昭和60年から続くひじき祭り
三重県ひじき協同組合はひじきの日をPRするために1985年(昭和60年)から「ひじき祭り」を毎年開催しています。
記念日制定の翌年から始まったということなので、単発のイベントではなく継続的な取り組みとして位置づけられていたのがわかりますね。
伊勢・おかげ横丁での配布活動
記念日当日には伊勢市の観光地「おかげ横丁」で全国から訪れる観光客に伊勢ひじきやパンフレットを無料配布する取り組みも行われています。
おかげ横丁といえば伊勢神宮の参道沿いにある人気の観光スポットなので、参拝客の多いタイミングを狙って伊勢ひじきの知名度を上げようとする戦略、なるほどと思いました。
三重県という地域産業と観光を結びつけた、地に足のついたPR活動だなと感じます。
ひじきの栄養価は本当にすごいのか
ここを読むとひじきの栄養にまつわる最新の事実と、以前と変わった点がわかります。
カルシウムの含有量は海藻類で最多クラス
干しひじき(乾燥)100gあたりのカルシウム含有量は約1,000mgとされていて、これは牛乳の10倍以上にもなる量です。
海藻類の中でも特に多いミネラルとして知られていて、骨の健康を意識する方には注目の食材と言えそうです。
鉄分の数値は実は大きく変わっている
「ひじき=鉄分が豊富」というイメージ、根強く残ってますよね。
でも実は、この数値には見直しの歴史があるんです。
日本食品標準成分表の2015年版改訂で、干しひじき100gあたりの鉄分含有量が55mgから6.2mgへと大幅に下方修正されました。
原因は測定方法にあったとされています。
かつて干しひじきの製造に鉄釜が使われていたため、釜の鉄分がひじき自体に溶け込んで測定値に反映されていたと考えられているんですね。
現在ステンレス釜で加工されたひじきの鉄分は6.2mg、鉄釜加工のものだと58.0mgという、加工方法によって10倍近い差が出るデータも報告されています。
この事実、意外と知られていないんじゃないでしょうか。
ゆでた後だとさらに数値は下がり、0.3mg前後になるという情報もあります。
食物繊維も豊富
干しひじき100gあたりの食物繊維は51.8gという報告があり、こちらは今も変わらず海藻類の中でトップクラスの含有量です。
腸内環境を整えたい方にとっては、カルシウムと並んで注目したい成分ですね。
意外と知られていないひじきのヒ素問題
ここではひじきに関する国際的な食品安全上の議論を取り上げます。
海外では摂取を控えるよう勧告されている
正直、これは日本ではあまり大きく報じられていない話だと思うのですが、ひじきには無機ヒ素が比較的高い濃度で含まれていることが国際的に問題視されています。
イギリスの食品基準庁(FSA)は2004年、ひじきの摂取を避けるよう消費者に勧告し、2010年にもこの勧告を再度発表しました。
カナダ食品検査庁(CFIA)も同様に、ひじきの摂取を避けるよう推奨していますし、香港の食物安全中心(CFS)、シンガポール食品庁(SFA)、アイルランドの食品安全庁(FSAI)なども、ひじきに含まれる無機ヒ素についての注意喚起を出しています。
英語版のWikipediaでも日本を除くカナダ、イギリス、アメリカの食品安全機関がひじきの摂取に対して注意を呼びかけていると明記されています。
日本国内での見解と対応
一方、日本の厚生労働省は2004年、ひじきの過剰摂取に注意を促しつつ、調理後1日あたり4.7g未満に抑えることを推奨するにとどめています。
全面的な摂取回避ではなく、量を抑えた上での摂取という立場ですね。
日本人が長年食べ続けてきた食文化がある以上、この差は各国のリスク評価の方法や食習慣の違いによるものだと考えられますが、正確な理由までは私も断定できません。
あくまで公表されている情報からの推測になります。
学術研究でも市販の乾燥ひじき粉末に含まれるヒ素の85%前後が無機ヒ素だったという分析結果が報告されています。
また日常的にひじきを一皿分食べ続けた場合の発がんリスクを算出した論文では、許容とされるリスクレベルを上回る可能性が示唆されたケースもあるようです。
とはいえ、これまでにひじきの摂取が原因とされる健康被害の報告は確認されていません。
たまに食べる程度であれば大きな問題にはならないとされていますし、水でしっかり戻してゆでる工程で無機ヒ素の量は一定程度減ると考えられています。
日々の食事の中で偏りなく、いろいろな食材を組み合わせて食べることが結局は一番大事なんだろうなと、個人的には思っています。

ひじきの流通事情
ここでは日本国内で流通しているひじきの産地についての現状を紹介します。
国内流通の多くは輸入品
国内で流通しているひじきのうち、およそ9割ほどが韓国や中国からの輸入品でまかなわれているという報告があります。
国産、特に三重県産の伊勢ひじきは、全体からするとかなり少数派の存在なんですね。
ひじきの日が三重県産のPRを目的の一つとしていることを考えると、この輸入比率の高さは、業界としてはずっと向き合ってきた課題なのかもしれません。
あくまで私の見立てですが国産ひじきの希少性や品質の高さを訴求する意味でも、この記念日が今なお続けられている理由の一つになっているのではと感じています。
まとめ
ひじきの日について由来から栄養、注意すべき点まで整理してきました。
最後にポイントをまとめておきますね。
- ひじきの日は1984年(昭和59年)に三重県ひじき協同組合が制定した記念日
- 日付は当時の敬老の日だった9月15日に由来し、敬老の日が移動した後も9月15日で固定されている
- 「ひじきを食べて健康に長生きしてほしい」という願いが込められている
- 1985年からひじき祭りが開催され、伊勢・おかげ横丁での無料配布などのPR活動が続いている
- カルシウムは干しひじき100gあたり約1,000mgと海藻類でトップクラス
- 鉄分は2015年の食品成分表改訂で55mgから6.2mgへ大きく見直された
- 無機ヒ素については海外の複数の食品安全機関が摂取を控えるよう勧告している一方、日本では量を抑えた摂取が推奨されている
- 国内流通の約9割は韓国や中国からの輸入品
9月15日を機に、ひじきの栄養価や食べ方の適量についてあらためて考えてみるのもいいかもしれませんね。


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