この記事を読めばひろしま「山の日」がいつ、なぜ生まれたのか、どんなイベントが開催されているのか、国民の祝日「山の日」との違いまでまるごと理解できます。
「広島に山の日があるって聞いたけど、8月11日じゃないの?」
と思った方、実はそれ、正確には半分正解なんです。
広島県には国民の祝日とは別に独自の「山の日」があって、毎年6月の第1日曜日に設定されているんですよね。
しかも歴史をたどると、2002年からずっと続いてきたけっこう深い背景があります。
広島に住んでいる方も、旅行で訪れる方もぜひこの記事を読んで当日を楽しんでほしいなと思います。
ひろしま「山の日」とは
ひろしま「山の日」がどういうものなのかまずざっくりと押さえておきましょう。
6月第1日曜日に設定されている理由
ひろしま「山の日」は毎年6月の第1日曜日に設定されている、広島県独自の記念日です
制定したのは広島県東広島市に事務局を置く「西条・山と水の環境機構」という団体で、東広島・西条とその周辺の森林や小川、池、田畑など山と水を取り巻く自然環境の保全・育成を目的に活動しています。
この日付が6月になったのにははっきりした理由があります。
6月は環境省が定める「環境月間」なんですね。
そのため、環境への意識を高めやすいこの時期に合わせて設定されました。
第1回の「ひろしま『山の日』県民の集い」が2002年(平成14年)の6月1日と2日に開催され、その6月2日がちょうど第1日曜日だったことから、「6月の第1日曜日」という日取りが定着したというわけです。
記念日としての位置づけ
この記念日は「森林ボランティア・山歩き・自然観察など、様々なスタイルで山とかかわり、山を愛する日」として、一般社団法人・日本記念日協会にも正式に認定・登録されています。
国民の祝日ではないものの、広島県内では長年にわたって根付いてきたイベントとして、多くの市民に親しまれています。
誕生の背景と歴史
ひろしま「山の日」が生まれたのは実は偶然が重なった出来事がきっかけでした。
2002年、一つの提案から始まった
話は2002年2月に遡ります。
全国から約2,300人もの森林ボランティアが東広島市に集まり、「第7回森林と市民を結ぶ全国の集い」が開催されました。
北海道から鹿児島まで2泊3日の日程で行われたこの会合の中で、パネルディスカッションのパネリストのひとりが「山の日をつくろう」と提案したことが、すべての始まりでした。
そこから「各地域に山の日をつくっていこう」という流れになって、ひろしま「山の日」も誕生したんですね。
実は全国各地に独自の山の日が根付いていったのはこういった草の根の動きがあったからだとも言えます。

第1回は龍王山で1,500人が参加
同じ2002年の6月、第1回となる「ひろしま『山の日』県民の集い」が開催されました。
会場に選ばれたのは東広島市の龍王山(標高575m)。「酒の街・西条の水源の山」として市民に親しまれてきた山です。
森林ボランティアだけでなく、広島県山岳連盟・地元企業・大学・高校・みどりの少年団など幅広い参加を呼びかけた結果、なんと1,500人が集まりました。
「登山教室」「山の手入れ」「木工教室」「野鳥観察会」「山火事防火訓練」など、多彩なプログラムでスタートを切ったんです。
予想以上の盛り上がりだったとのことで私もこの熱量には正直驚きました。
「県民の集い」の内容と広がり
回を重ねるごとにその規模はどんどん大きくなっていきました。
参加者数と開催会場の変化
2002年の初回はたった1会場でのスタートでしたが、年々ネットワークが広がっていきました。
2019年(第18回)には広島県内の15市町・16会場で開催され、参加者は約14,000人にまで増加しています。
2026年の第24回ではさらに広い地域でも開催されることが告知されていて、例えば世羅町会場では6月14日(日)に「木工体験」「しいたけ菌打ち体験」「薪ストーブ体験」「山遊び体験」など盛りだくさんのプログラムが予定されています。
広島市の広島県緑化センター会場では2026年6月7日(日)に「ネイチャーゲーム」「自由工作塾」「山の手入れ体験」などが開催される予定で、入園は無料。
自由工作塾の材料費のみ1作品100円という、親子で参加しやすい設定になっています。

どんなプログラムがあるの?
プログラムの内容は会場ごとにかなり個性がありますね。主に以下のようなカテゴリで企画されています。
- 里山の手入れ(間伐・草刈りなどのボランティア体験)
- ネイチャーゲームや自然観察会
- 木工教室やクラフト体験(バードコールづくりなど)
- ハイキングや清掃登山
- 森林セラピーヨガ・ハンモック体験
- 地域の生き物展示や生態学の専門家によるガイドツアー
子ども向けのクイズラリーや木登り体験なども人気で、家族連れで参加しやすい雰囲気が年々広がっているみたいです。
山が身近にある広島ならではのリアルな体験型プログラムが揃っているのが特徴ですね。
広島の山の特徴と「里山文化」
ひろしま「山の日」が広島にしっくりくる理由、実は地理的な背景があるんです。
里山が多い広島県
広島県は北西部に中国山地が広がり、南側が瀬戸内海に面しています。
面積は8,480㎢、人口は約281万人で23の市町があります。
高い山は少なく、むしろ人の手が入った里山が多いのが広島の大きな特徴とされています。
広島市内に標高わずか71mの比治山があったり、宮島の弥山が535m、広島最高峰の恐羅漢山でも1,346mという、どこか穏やかなスケール感の山々が点在しているんです。
里山とは、が農業や林業で長年関わってきた山のこと。放っておくと荒れてしまうので、定期的な手入れが必要です。
ひろしま「山の日」はその「里山の手入れ」という一見地味な活動を、県民に広く体験してもらう場としても機能しています。
酒どころ西条と山のつながり
ひろしま「山の日」の発祥の地である東広島市・西条は、灘・伏見と並ぶ日本三大銘醸地のひとつとして知られる酒どころです。
おいしい日本酒の製造には、良質な水が欠かせません。
西条・山と水の環境機構が制定したのも、「山が水を育て、水が酒を育てる」という地域固有のつながりを守りたいという想いがあってのことなんですね。
第1回が龍王山(「酒の街の水源の山」)で開催されたのも、そういう背景があってのことです。
山を守ることが地域の食文化を守ることにも直結している、なんかそういう循環を感じます。
まとめ
ひろしま「山の日」について、ここまでの要点を整理します。
- ひろしま「山の日」は毎年6月の第1日曜日、広島県独自の記念日
- 2002年2月に東広島市で行われた森林ボランティアの全国集会での提案がきっかけとなり、同年6月に第1回を開催
- 制定したのは「西条・山と水の環境機構」で、日本記念日協会にも認定登録済み
- 8月11日の国民の祝日「山の日」とは別物で、ひろしま「山の日」のほうが14年も先行していた
- 2019年時点で15市町・16会場・参加者約14,000人と、規模が年々拡大
- 里山の手入れ体験やネイチャーゲームなど、家族で参加できる実体験型プログラムが特徴
- 2026年も6月7日(広島市会場)をはじめ、県内各地で開催予定
「山に行くのってちょっとハードル高いかな…」と思っている方こそ、ひろしま「山の日」はぴったりだと思いますよ。
ガッツリ登山じゃなくて、里山を歩いたり木工を体験したりと気軽に自然と触れ合えるイベントなので。ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。

コメント