この記事を読めば国際家族デーがいつ・なぜ作られたのか、どんな目的を持つ記念日なのかが一通り理解できます。
「なんとなく聞いたことあるけど、実はよく知らない」
という方でも読み終わるころにはスッきり理解できるはずですよ。
国際家族デーとは
毎年5月15日は国際家族デー(International Day of Families)と呼ばれる国際記念日です。
国連が定めた「国際デー」のひとつで、家族に関わる社会問題への認識を高め、解決に向けた取り組みを世界規模で促すことを目的としています。
日本ではあまり馴染みがないかもしれないですが国連加盟国を中心に、政府やNGO・地域団体などがこの日を軸にイベントやキャンペーンを展開していて、意外とグローバルな動きがあるんですよね。
正式名称と基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 国際家族デー(International Day of Families) |
| 制定年 | 1993年(国連総会決議A/RES/47/237) |
| 記念日 | 毎年5月15日 |
| 制定機関 | 国際連合(国連) |
| 目的 | 家族問題への認識向上と、課題解決促進 |
制定の歴史と背景
この記念日がどうやって誕生したのか時系列で追うとけっこう面白いんです。
1989年 最初のきっかけ
国際家族デーの起点は1989年12月9日にさかのぼります。
この日、国連総会は決議第44/82号を採択し、1994年を「国際家族年(International Year of the Family)」に指定しました。
テーマは「変わりゆく世界における家族の役割と責任(Family:resources and responsibilities in a changing world)」で、
スローガンは「社会の中心から始まる小さなデモクラシー(Building the Smallest Democracy at the Heart of Society)」とされています。
当時の国連が感じていた危機感は、なかなかリアルなものでした。
この60年間で少数世帯の増加や晩婚化、離婚率の上昇によるひとり親家庭の出現、さらにはHIV/エイズの蔓延やグローバル化の影響など、家族の形が急速に変わっていったんです。
国連はそうした変化を受けて「家族は社会の基本単位である」という認識を世界で共有する必要があると考えたわけですね。
1993年 5月15日が正式決定
国際家族年の制定から4年後の1993年9月20日、国連総会はさらに一歩踏み込んで毎年5月15日を「国際家族デー」とすることを正式に決議しました。
決議番号はA/RES/47/237です。翌1994年からこの日が記念日として実施され、以降毎年継続されています。
1994年1回限りの「国際家族年」を、なぜ毎年継続する「国際家族デー」として恒常化させたのか。
それは家族問題が一年で解決するようなものではなく、継続的に社会へ働きかける必要があると国連が判断したから、なんだと思います。
実際、制定から30年以上が経った今も毎年テーマを設けて活動が続いていることを見ると、その判断は正しかったと感じますね。
毎年変わる「テーマ」の意味
1996年から毎年、国連事務総長がその年のテーマ(モットー)を発表する慣例が始まりました。
テーマはその時代の社会課題を反映していて時代ごとの関心がよく見えてきます。
- 2025年
家族重視の政策は持続可能な開発への道:第二回世界社会開発サミットに向けて - 2024年
Families and Climate Change(家族と気候変動) - 2023年
Family and Demographic Trends(家族と人口動態) - 2022年
Families and Urbanization(家族と都市化) - 2021年
Families and New Technologies(家族と新テクノロジー) - 2020年
Families in Development(開発における家族) - 2019年
Families and Climate Action(家族と気候変動への取り組み) - 2015年
Men in charge?Gender equality and children’s rights in contemporary families(現代家族におけるジェンダー平等と子どもの権利)
気候変動、テクノロジー、ジェンダー平等…時代とともにテーマがアップデートされていくのが、意外と印象深いですよね。
「家族」というキーワードでこれだけの課題が語られてきたということは、逆に言えば家族という単位がいかに社会のあらゆる問題と結びついているか、ということなのかもしれません。
国連が考える「家族」とは
社会の基本単位という位置づけ
国連は家族を「社会の最も基本的な単位」として明確に位置づけています。
そのため、家族への支援は単なる個人の問題ではなく、社会全体の安定と平和に直結するものだという考え方が根っこにあります。
国や文化によって「家族」の形はさまざまです。
でも、どの形であれ、その中で男女の平等が確保され、暴力や差別、貧困のない状態が望ましいとされています。
子どもが健やかに育つためには愛情だけでなく医療や教育といった社会的な支援も不可欠で、その窓口として家族が重要な役割を果たすという認識が、この記念日の根底にあるんです。
家族が直面する現代の課題
国際家族デーが毎年取り上げる課題にはこんなものがあります。
- 核家族化や少子高齢化への対応
- 家庭内暴力や児童虐待の防止と支援
- 移住・難民問題が家族に与える影響(2010年のテーマにもなっていました)
- HIV/エイズなどの感染症と家族のウェルビーイング(2005年テーマ)
- 障害を持つ人と家族の関わり(2007年テーマ)
- 育児と仕事の両立(ワーク・ファミリーバランス)(2012年テーマ)
こうして並べてみると家族という小さな単位が、実は社会のほぼ全ての課題を凝縮しているとも言えますよね。なんか。そういう感じ。
世界での取り組み事例
国連による公式イベント
毎年5月15日にはニューヨークの国連本部や各国拠点で公式行事が開かれています。
国連事務総長のメッセージが世界に向けて発信されるほか、その年のテーマに沿ったシンポジウムや政策共有の場が設けられます。
2025年は11月にカタル・ドーハで開催予定の「第二回世界社会開発サミット」に向けた準備として、家族中心政策の優良事例が共有されました。
モンゴルの事例
モンゴルは2006年からこの記念日を公式に祝っていて2003年制定の祝日法に基づいた取り組みを続けています。2025年時点で22周年を迎えているとのことで、アジアの中でも積極的に取り組んでいる国のひとつですね。
NGOや市民団体の活動
世界中のNGOや地域団体が、この日を中心にキャンペーンや講演会を実施しています。
育児支援や家庭内暴力の相談窓口の告知、家族の絆を深めるワークショップなど、その内容は国や団体によってさまざま。
日本でも一部の団体が啓発活動を行っていますが正直なところ認知度はまだまだ低いな…という印象です。
まとめ
- 国際家族デーは毎年5月15日、国連が1993年に決議し翌1994年から実施している記念日
- 起点は1989年の「国際家族年(1994年)」制定決議でその継続的な取り組みとして設けられた
- 目的は「家族に関する問題への認識向上」と「社会的・経済的課題の解決促進」
- 1996年以降、毎年テーマが設定され、気候変動・テクノロジー・ジェンダー平等など時代に応じた課題が取り上げられてきた
- 国連は家族を「社会の基本単位」と位置づけており、家族支援は社会全体の安定に直結すると考えている
- 日本の「家族の日(11月第3日曜日)」とは別の制度なので混同しないよう注意
5月15日が近づいたとき、ふと「今日は国際家族デーだな」と思い出してもらえたら、それだけで少しだけ家族のことを考えるきっかけになるんじゃないかなと思っています。
そういう記念日って案外悪くないですよね。

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