この記事を読めば「カニカマの日」がいつ・なぜ制定されたのか、そしてカニカマそのものが世界中に広まるまでの知られざる歴史までまるごとわかります。
「毎月22日ってなんか特別な日だっけ?」
とふと気になったあなた、じつはそこには石川県の小さな水産加工会社が起こした、世界的な食革命の物語が隠れています。
食の雑学として周りに話したくなる内容がたっぷりなのでぜひ最後まで読んでみてください。
カニカマの日とは
カニカマの日とは6月を除く毎月22日に設けられた食品の記念日です。
制定したのは石川県七尾市に本社を置く水産加工メーカー「株式会社スギヨ」で、2017年(平成29年)に一般社団法人・日本記念日協会によって正式に認定・登録されました。
目的はシンプル!かに風味かまぼこ「カニカマ」のおいしさをより多くの人に知ってもらうこと。
この日にあわせてカニカマスマイルフォトコンテストなどのイベントも実施されています。
なぜ「22日」なのか?
日付の由来は数字の「22」を漢数字で書くと「二二」となり、この形がカニのハサミのシルエットにそっくりだから。
他にも両手でピースサインを作ったときの指の形がカニのハサミに見えることも、22日を選んだ理由のひとつとされています。
語呂合わせと見た目のイメージを組み合わせた遊び心あふれる由来ですね。
なぜ「6月だけ除く」のか
「じゃあなんで6月だけ外されてるの?」と思った方、鋭いです。
6月22日にはかに料理の専門店チェーン「かに道楽」が1990年(平成2年)に制定した「かにの日」がすでに存在します。
その由来は星占いで「かに座」の最初の日が6月22日にあたること、そして50音順で「か」が6番目・「に」が22番目にあたることの2つです。
つまり、本物のカニが主役の日と丸かぶりしてしまうため、スギヨは本物のカニへの敬意を込めて、6月だけあえて外したんです。
カニカマ側がカニに遠慮するという、なんともほっこりするエピソードだと思いませんか。
カニカマはどうやって誕生したか
じつはカニカマ、最初からカニを目指して開発されていたわけではありませんでした。
これがこの食品の一番の面白いところです。
「失敗作」から生まれた世界初のカニカマ
スギヨが1972年(昭和47年)当時、開発しようとしていたのは人工クラゲでした。
当時、中国産クラゲの輸入が滞っており、日本国内で代替品を作れないかという需要があったんです。
ところが研究開発の途中、専務の杉野芳人さんが「これ、カニに似ていないか?」と気づいたことで、一気に開発の方向性がカニへと転換されます。
その結果、同年に世界初のカニ風味かまぼこ「かにあし」が誕生。
その直後に日中国交正常化によって中国からのクラゲ輸入が再開されて人工クラゲへの需要はほぼなくなりました。
もし人工クラゲの開発が先に完成していたら、今頃カニカマは存在しなかったかもしれない。そう考えると、カニカマは奇跡の失敗作と呼んで差し支えないでしょう。
スギヨは江戸時代からの老舗
スギヨは創業者・杉野与作さんの名前に由来する会社で江戸時代に鮮魚問屋として創業してから380年以上の歴史を持ちます。
石川県・能登地方の小さな開発室から生まれたカニカマが、のちに全世界で食べられるようになるとは当時の開発者たちも想像していなかったはずです。
カニカマが世界に広まった経緯
カニカマはいまや完全に「日本ローカルの食べ物」ではありません。
意外にも世界で最もカニカマを食べている国はフランスなんです。
ヨーロッパへの普及
1980年代に入るとイギリスやオーストラリアをはじめとする旧英国連邦諸国の「フィッシュ・アンド・チップス」店でカニカマが食材として採用されたことから、欧州への普及が始まりました。
フランスではカニカマは「Surimi(スリミ)」と呼ばれ、1985年にはフランス初のスリミ製造工場が誕生するほどの人気に。
フランスとスペインは魚介類を日常的によく食べる文化があったことも、受け入れられやすかった理由のひとつとされています。

2022年はカニカマ誕生50周年
1972年の誕生から50年が経った2022年はスギヨにとって大きな節目の年でした。
記念キャンペーンが実施され、カニカマがどのように世界に広まったかを振り返る動画コンテンツなども公開されています。
能登の小さな開発室で生まれた一本のかまぼこが半世紀で世界の食卓に並ぶまでに成長した歴史は、日本の食品産業の誇りといえるでしょう。
まとめ
- カニカマの日は6月を除く毎月22日で、石川県七尾市のスギヨが制定し、2017年に日本記念日協会が認定
- 日付の由来は、漢数字「二二」の形がカニのハサミに似ているため
- 6月22日は「かにの日」(かに道楽が1990年制定)と重なるため、本物のカニへの敬意から6月のみ除外
- カニカマは1972年にスギヨが世界で初めて開発。もともとは人工クラゲの研究から偶然生まれた
- 現在、世界最大のカニカマ(スリミ)消費国はフランスで、1985年に現地製造工場が誕生するほどの人気
毎月22日にカニカマを食べながら、その数奇な誕生秘話を思い出してみるといつもの食卓がちょっと特別に感じられるかもしれませんよ。
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