この記事を読めば5月2日「カルシウムの日」の意味や由来から、制定の背景にある100年以上の歴史まで、すっきり理解できます。
「なんとなく聞いたことあるけど、そもそもいつ誰が決めたの?」
と思ったことはありませんか?
実はこの記念日、ただの語呂合わせだけじゃなく、明治時代のある若き薬問屋の息子の熱い情熱が根っこにあるんです。
カルシウムと骨の健康が気になっている方にも記念日の由来をただ知りたいだけの方にも、きっと役に立つ内容になっていると思います。
カルシウムの日とは
5月2日のカルシウムの日は日本初のカルシウム錠剤を開発したワダカルシウム製薬株式会社が制定した記念日です。
骨の健康を守るためにカルシウムを摂ることの大切さを広く一般に伝えることを目的としています。
5月2日に制定された理由
日付の由来は「コ(5)ツ(2)」という語呂合わせ、つまり「骨」ですね。
シンプルといえばシンプルなんですが骨=カルシウムという連想がすごく自然で、覚えやすいなと思います。
丈夫な骨をつくるために欠かせないカルシウムをもっとたくさんの人に意識してもらいたい、という思いが込められているんです。
日本記念日協会への登録
ワダカルシウム製薬がこの記念日を申請し、2017年(平成29年)に一般社団法人・日本記念日協会によって正式に認定・登録されました。
つまり、まだ設立からそれほど時間が経っていないわりと新しい記念日なんですよね。
とはいっても制定の背景にあるワダカルシウム製薬の歴史は100年以上前にさかのぼります。
そのあたりは次のセクションで詳しくお話しします。
制定企業「ワダカルシウム製薬」の歴史
カルシウムの日を語るうえでこの会社の歴史は欠かせません。
ちょっと驚くほど深いんですよこれが。
1856年創業の老舗薬問屋が出発点
ワダカルシウム製薬の起源は1856年(安政3年)に大阪・道修町(どしょうまち)に創業した和漢薬問屋「和田卯助商店」です。
道修町といえば、江戸時代から続く日本有数の薬の町。
そういう土地で生まれた会社だということが、なんとなく説得力を持たせてくれる気がします。
その後、株式会社として正式に設立されたのは1948年(昭和23年)7月2日。
創業から法人化まで90年以上かかっているわけでその間の試行錯誤の歴史を想像するだけでも、けっこうロマンを感じます。
日本初のカルシウム錠剤が生まれるまで
「ワダカルシューム錠」が誕生したのは、1911年(明治44年)のこと。
開発したのは和田卯助商店の三代目・和田卯助(幼名:政治郎)という人物です。
彼を開発に突き動かしたのは1909年(明治42年)7月に大阪で発生した「天満焼け」という大火事でした。
死傷者692人、焼失家屋1万1300戸という大惨事を目の当たりにして、薬屋としての無力さを痛感したとのこと。当時28歳の若者だった政治郎が、そこから何かできることを模索し始めたんですね。
転機になった「ある女性の言葉」
大火の翌年、大阪天満宮を訪れた政治郎が出会ったのは「娘が結核で苦しんでいる、特効薬はないのか」と泣き崩れる年老いた女性でした。
当時の結核は事実上の不治の病。
その現実に心を打たれた彼は文献を読み漁り、カルシウムの可能性にたどり着きます。
大阪府立高等医学校(現・大阪大学医学部)の片瀬淡という研究者が「日本人に不足しがちなカルシウムを積極的に摂取することが健康の鍵だ」と提唱していたことを知り、政治郎は迷わず会いに行ったそうです。
何度も失敗しながら完成した「日本初」
カルシウムを錠剤にするのは当時の技術ではかなり難しかったはずで。
政治郎は西洋薬学に通じた人材を探し出し、量産のための機械を選定し、工程を何度も試行錯誤しながら、ついに1911年に日本初のカルシウム錠剤「ワダカルシューム錠」を完成させました。
商品名に自分の姓「和田(ワダ)」を入れたのは、品質への自信の表れだったといいます。
和漢薬の世界ではなじみのなかったカタカナの商品名も当時としては相当斬新だったみたいです。…なんか、ちょっとかっこいいですよね。
「安産のために」が爆発的ヒットの鍵
実は発売当初はまったく売れなかったそうです。
そこで政治郎が思い出したのが、母の言葉。
「女性は子どもを産んだら歯はガタガタ、骨はボロボロや」
という言葉をヒントに、1935年(昭和10年)から「安産のために」というキャッチフレーズで広告を展開。
これが命がけで出産に臨む女性たちに刺さり爆発的なヒットにつながりました。
自分の見立てでは現代のマーケティング視点で見ても、かなり本質的なアプローチだったんじゃないかなと思います。
日本人とカルシウム不足の現実
カルシウムの日が制定された背景には日本人のカルシウム不足という深刻な現状もあります。
データを見ると、意外と深刻だと感じます。
平均摂取量は推奨量を大きく下回っている
国の栄養調査によると日本人の成人のカルシウム平均摂取量は約480〜500mg/日とされています。
ところが、骨を守るために必要とされる量は1日800〜1000mg。そのギャップは300mg以上にのぼります。
しかも日本人のカルシウム摂取量はアメリカ人の約3分の1程度に過ぎないという指摘もあって、これはちょっと衝撃的でした。

なぜ日本人は不足しがちなのか
理由はいくつか考えられます。
- 日本の水は軟水で、カルシウムの含有量がヨーロッパなどの硬水に比べて少ない
- 伝統的な和食には乳製品が少ない
- 20歳前後が全年代のなかで最もカルシウム摂取量が少ない層となっている
ざっくりした感じで言うと日本の食文化と水質が組み合わさって、構造的にカルシウムが摂りにくい環境になっているとも言えそうです。
カルシウム不足が引き起こすリスク
慢性的にカルシウムが不足すると骨からカルシウムが溶け出し、骨粗しょう症のリスクが上がります。
それだけでなく、高血圧や動脈硬化、筋力低下(ロコモティブシンドローム)にもつながるとされています。
妊娠・授乳中の骨折やスポーツをする方の疲労骨折の原因になることもあって、骨の問題はどの世代にとっても無関係ではないんですよね。
カルシウムの吸収を高めるポイント
カルシウムは「摂るだけでいい」というわけじゃなく、吸収の仕方にも少しコツが要ります。
ビタミンDと一緒に摂ることが大切
カルシウムの吸収にはビタミンDが欠かせません。
ところが日本人の約60%はビタミンDが不足しているという研究結果もある。
つまり、カルシウムを摂っていてもビタミンDが足りなければ十分に吸収されない可能性があるんです。
日光浴(紫外線を皮膚に当てることでビタミンDが合成される)が減っている現代の生活習慣も、影響しているかもしれません。

摂取量の目安
- 女性:1日650mg、男性:1日650〜800mgが基本の目安
- 骨粗しょう症の予防を意識するなら、800mgが理想
- 妊娠・授乳期はさらに追加の摂取が推奨されます
なお、骨粗しょう症財団の情報によれば日本人はもともと摂取量が少ないため、「摂りすぎによる害」をそれほど心配する必要はないとのことです。
むしろ積極的に意識して摂っていくほうがよさそうですね。
まとめ
- 5月2日は「カルシウムの日」。由来は「コ(5)ツ(2)」=骨という語呂合わせ
- 制定したのはワダカルシウム製薬株式会社。2017年に日本記念日協会が正式認定
- ワダカルシウム製薬の前身は1856年創業の老舗薬問屋。1911年、三代目和田卯助が試行錯誤のすえ日本初のカルシウム錠剤「ワダカルシューム錠」を完成させた
- 日本人のカルシウム平均摂取量は約480〜500mg/日で、推奨量(800〜1000mg)を大きく下回っている
- カルシウムの吸収にはビタミンDが必要で、一緒に摂る意識が大切
5月2日がくるたびに
「今日は骨のこと、ちょっと考えてみようかな」
と思えたら、カルシウムの日の役目は果たせているんじゃないでしょうか。
日々の食事でカルシウムを意識してみるきっかけとしてこの記念日を活用してみてください。

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