8月26日は「火山防災の日」ということをご存知でしょうか。
この記事を読めばこの記念日がいつ、なぜできたのか、その由来や歴史的な背景がしっかりわかります。
噴火のニュースを見るたびに漠然とした不安を感じている方や、防災について何から知ればいいのか迷っている方にとってまさに知っておきたい内容だと思います。
火山防災の日はいつ制定されたのか
まずはこの記念日がいつどんな形でできたのかを整理していきますね。
令和6年から始まった新しい記念日
「火山防災の日」は8月26日でこれは令和6年(2024年)に定められた記念日なんです。
令和5年(2023年)に活動火山対策特別措置法、いわゆる活火山法の一部が改正されて、その法律が令和6年4月1日に施行されたことに合わせて制定されました。
国民の間に広く活動火山対策についての関心と理解を深めるというのが制定の目的なんですね。
御嶽山噴火から10年という節目
制定の背景として個人的にすごく印象深かったのが平成26年(2014年)の御嶽山噴火からちょうど10年という節目に合わせて改正法が施行されたという点です。
御嶽山の噴火では死者58人、行方不明者5人という大きな被害が出ていて、しかも紅葉シーズンの週末の昼どきという、登山者が最も多い時間帯に起きてしまったんですね。
あくまで自分の見立てですがこの痛ましい教訓を風化させないという意味も込めて、8月26日という日付が選ばれたタイミングには少なからず意味があったのではないかと思います。
8月26日が選ばれた理由
ここが一番気になる部分だと思うのですがなぜ他の日ではなく8月26日だったのか、その理由を掘り下げます。
浅間山に日本初の火山観測所ができた日
答えはシンプルで明治44年(1911年)8月26日に、浅間山に日本で最初の火山観測所が設置されて、器械を用いた近代的な観測が始まった日だからなんです。
つまり日付そのものが記念日というより、火山観測の歴史における記念日を、そのまま防災の日として採用した形ですね。
個人的にはこういう歴史に根ざした由来ってなかなか誠実だなと感じました。
浅間山が選ばれた理由
なぜ浅間山だったのかというと明治42年(1909年)頃から浅間山で顕著な噴火が相次いでいて、当時日本で最も活発な噴火活動を続けていた火山のひとつだったからです。
浅間山の麓に住んでいた人たちは、天明3年(1783年)の天明噴火のような大災害の再来を恐れていて、長野県知事が文部省の震災予防調査会に調査を依頼したことがきっかけになったそうです。
そして震災予防調査会と長野県立長野測候所が共同で「浅間火山観測所」を建設し、日本最初の近代的な火山観測がスタートしたわけですね。
ちなみにこの観測所跡地、令和6年5月21日に長野県小諸市の指定文化財になったそうです。
歴史がきちんと今にもつながっているのがなんだかいいなと思いました。
大森房吉という人物の存在
この観測所の設立に深く関わった人物として、震災予防調査会幹事で東京帝国大学教授だった大森房吉博士がいます。
彼は明治35年(1902年)に全島民125名が亡くなった伊豆鳥島の噴火災害の調査に加わった経験から、途切れることのない観測で本格的な火山観測を行う必要性を痛感したそうなんです。
単に研究のためだけでなく住民の安全確保を目的とした火山防災を早くから訴えていた人でもあったみたいで、この視点の先見性はけっこう驚きでした。
法改正で何が変わったのか
記念日の話だけでなく、法律自体にどんな中身が盛り込まれたのかも知っておくと理解が深まると思います。
活火山法改正の主なポイント
活動火山対策特別措置法の一部改正では8月26日の記念日制定以外にも、いくつかの重要な項目が盛り込まれています。
避難確保計画の作成に対する市町村長の援助、オンライン登山届の導入といった登山情報の提供をしやすくする配慮、噴火時に迅速かつ的確に情報を伝えるための仕組み、火山の専門知識を持つ人材の育成と確保、そして文部科学省への「火山調査研究推進本部」の設置などです。
この火山本部が2024年4月1日付で新たに設置されたことも実は今回の改正の大きな柱のひとつなんですね。
富士山や桜島の情勢も背景にある
法改正が急がれた背景には市街地近くで富士山の新たな火口が発見されたことや、桜島で大規模噴火の可能性が指摘されたことなど、日本各地で火山活動への警戒感が高まっていた事情もあったようです。
桜島に関しては姶良カルデラの地下に大正噴火(1914年)発生当時と同等量のマグマが蓄積されていると考えられていて、次の大規模噴火への備えが急務とされているんですよね。
ちなみに大正噴火は20世紀の日本における最大規模の火山噴火で、犠牲者は58名にのぼりました。
この規模の噴火が「次もありうる」と考えられているのは正直ちょっと不安になる話だなと感じました。
火山防災の日には何が行われるのか
制定して終わりではなく実際にどんな取り組みがされているのかも見ていきましょう。
国や自治体が行う行事
「火山防災の日」には国及び地方公共団体が防災訓練など、その趣旨にふさわしい行事を実施するよう努めることとされています。
実際に2024年の初回には、内閣府(防災担当)と火山防災強化推進都道県連盟が主催する制定記念イベントが開かれました。
気象庁の特設サイトも見どころ
気象庁は2024年3月29日に「火山防災の日」特設サイトを開設していて、浅間山の観測の歴史や火山防災の基本を、対話形式でわかりやすく解説しています。
子供にも分かるような優しい語り口で作られているのが特徴で、大人が読んでも案外新しい発見があるかもしれません。
まとめ
8月26日の「火山防災の日」について由来や歴史を振り返ってきました。要点を整理すると以下の通りです。
- 令和6年(2024年)に活火山法の改正に伴って新設された記念日
- 日付の由来は明治44年(1911年)8月26日、浅間山に日本初の火山観測所が設置され観測が始まった日
- 大森房吉博士らの働きかけによって浅間山に観測所が建てられた歴史がある
- 御嶽山噴火から10年という節目が制定の後押しになった
- 法改正では火山調査研究推進本部の設置や避難計画支援なども盛り込まれた
日本には111もの活火山があると言われていて、私たちの暮らしのすぐそばに火山が存在しています。
この記念日をきっかけに、自分の住んでいる地域や訪れる予定の場所に活火山がないか、一度確認してみるのもいいかもしれませんね。

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