この記事を読めば9月1日の「マテ茶の日」がどうして生まれたのか、そしてマテ茶そのものがどんな飲み物なのかが一通りわかると思います。
「なんとなくCMで見たことはあるけど、実はよく知らない」
という方、けっこう多いんじゃないでしょうか。
私も最初は「マテ茶って結局お茶なの、それとも別物なの?」というレベルだったんですが、調べていくうちに南米の壮大な歴史とつながっていることに驚きました。
今日は肩の力を抜いてマテ茶の日について一緒に見ていきましょう。
マテ茶の日はいつでどんな記念日なのか
まずはこの記念日の基本情報からお伝えしますね。
日付や制定した団体を押さえておくと、この後の由来の話がすっと入ってくると思います。
9月1日に制定された理由
マテ茶の日は、毎年9月1日に定められている記念日です。
制定したのは東京都渋谷区に事務局を置く日本マテ茶協会でマテ茶をこよなく愛する仲間が集まり、日本国内での普及を目的として活動している団体なんですね。
この記念日は一般社団法人日本記念日協会からも認定・登録されていて、いわゆる「勝手に名乗っているだけ」の記念日ではなく、きちんと手続きを踏んで生まれたものだそうです。
日付の由来はシンプルでマテ茶の主要な生産国であるアルゼンチンで、毎年9月1日に収穫祭が行われることにちなんでいます。
南米では季節が日本と逆になるので9月1日はちょうど冬から春に移り変わる頃合いです。
この時期に一年の収穫を祝うお祭りが開かれることが、そのまま日本での記念日制定の理由になったというわけですね。
個人的には遠く離れた南米のお祭りの日をそのまま日本の記念日にしてしまうという発想が、なんだかロマンを感じるなと思いました。
日本マテ茶協会が目指しているもの
日本マテ茶協会の公式サイトを見てみると、マテ茶を「ラテンパワーの源」と位置づけて、鉄分やミネラル、カルシウムが豊富な南米生まれの飲み物として日本人に広めたいという思いがはっきり書かれています。
マテ茶は肉料理が中心の南米の食生活の中で、緑黄色野菜の代わりのように昔から飲まれてきた背景があって、そのため「飲むサラダ」という愛称でも呼ばれているんですね。
協会のキャラクターは太陽と月をモチーフにしているそうなんですが、これは「朝でも夜でもマテ茶を飲んでほしい」という願いが込められているとのことでした。
ちょっとした小ネタですけどこういう背景を知ると記念日そのものへの愛着もわいてきますよね。
マテ茶とはそもそもどんな飲み物なのか
記念日の話に入る前にマテ茶自体の正体を押さえておいた方が理解が深まると思うので、ここで整理しておきますね。
原料と産地の特徴
マテ茶は南米のアルゼンチン、パラグアイ、ブラジル、ウルグアイなどを原産とするイェルバ・マテというモチノキ科の植物の葉や小枝を乾燥させ、茶葉にしたものです。
これに水またはお湯を注いで成分を浸出させた飲料がマテ茶にあたります。
学術名は「Ilex Paraguariensis」といって、名前からもパラグアイとの深い関わりがうかがえますね。
面白いのは「マテ」という言葉自体、現地の言葉でひょうたんを意味しているという点です。
アルゼンチンやウルグアイ、ブラジル南部では伝統的にひょうたんでできた容器でマテ茶を飲む習慣があって、この茶器の名前がそのまま飲み物の名前になったとされています。
日本茶で言う「急須」が飲み物の名前になったようなものかもしれません、ちょっと不思議な感覚ですよね。
世界三大飲料と呼ばれる理由
マテ茶は紅茶やコーヒーと並んで世界三大飲料のひとつに数えられることがあります。
この位置づけは日本マテ茶協会をはじめ複数のサイトで繰り返し語られているものなんですが、正直なところ世界的な学術基準として明確に定義された「三大飲料」というランキングが存在するわけではなさそうです。
あくまで日本国内でマテ茶を紹介する際の慣用的な表現として広まっているものと捉えておくのが良いのかなと、自分の見立てでは思っています。
とはいえ、南米では日常に深く根づいた国民的な飲み物であることは間違いなくそれだけの存在感を持つ飲料であることは確かですね。
マテ茶とグアラニー族の古い歴史
ここからは記念日そのものというより、マテ茶がどんな歴史をたどってきたのかを掘り下げていきます。
由来を知るうえでこの背景を押さえておくと理解がぐっと深まるはずです。
先住民グアラニー族が育んだ文化
マテ茶の起源、現在のパラグアイを中心に、ブラジル南部やアルゼンチン北東部にかけて暮らしていた先住民グアラニー族にさかのぼるとされています。
グアラニーの言葉で「マテ」は単純に「植物」を意味するのだそうで、それほどまでにこの飲み物が生活の中心にあったことがうかがえます。
グアラニー族の間ではマテ茶は感覚を研ぎ澄まし、頭をすっきりさせ、肉体労働の疲れを和らげ、胃の不調にも効くと信じられていたようです。
伝説では月の神様が疲れ果てた旅人たちにこの木を贈ったという話も伝わっているのだとか。
神話として語り継がれるほど暮らしに根づいた特別な植物だったんでしょうね。
スペイン人による禁止と普及の歴史
ここが個人的にかなり印象深かったところなんですがマテ茶はかつて禁止された飲み物だった時期があります。
1616年、当時のブエノスアイレスを含むスペイン領の総督ヘルナンド・アリアス・デ・サアベドラが、マテ茶を飲むことを住民に禁止したという記録が残っているんです。
先住民グアラニーの人々がどこへ行くにもこの飲み物を持ち歩いている姿を見て、スペイン人たちは「不潔な悪習」だと決めつけたのだそうです。
ところが皮肉なことに禁止したはずのスペイン人植民者の間でもマテ茶は野火のように広がっていき、現在のボリビアやチリ、ペルーにあたる地域にまで浸透していったと伝えられています。
さらにその後、イエズス会の宣教師たちがマテ茶の栽培と交易に着目し、自分たちの最も収益性の高い作物のひとつに育て上げたという経緯もあるようです。
禁止されても広まっていくあたり、コーヒーやお茶が世界中でたどった道と似ていて嗜好品の力強さを感じますね。
マテ茶が日本にたどり着くまで
南米で生まれたマテ茶がどうやって日本のお茶の間に届いたのか。ここは日本ならではの独自エピソードなので、ぜひ知っておいてほしい部分です。
アントニオ猪木とアントンマテ茶
日本におけるマテ茶の歴史をたどると意外な名前が出てきます。
1970年代、プロレスラーのアントニオ猪木さんが「アントンマテ茶」という商品名でマテ茶を売り出したのが、日本での導入の始まりとされているんです。
もっとも、当時は日本人の食生活や味覚にまだなじみが薄かったのか、大きな普及には至らなかったようですね。
有名人が仕掛けても、時代が追いついていなかったということなのかもしれません。
太陽のマテ茶が起こした転機
日本でマテ茶の知名度が一気に上がったきっかけは2012年に日本コカ・コーラが発売した「太陽のマテ茶」だと言われています。
実際の販売実績を見るとその勢いはかなりのものでした。
発売からわずか2カ月、2012年5月18日時点で500mlペットボトル換算にして4,000万本超を売り上げたと、当時のプレスリリースで発表されているんです。
計画を大幅に上回る売れ行きだったとのことで、これはちょっと驚きの数字ですよね。
この大ヒットを機にマテ茶は南米のマイナーな飲み物という位置づけから、コンビニやスーパーで普通に手に取れる飲料へと変わっていきました。
日本マテ茶協会が2003年に発足し、9月1日を記念日として制定したのもこうした普及活動の流れの中に位置づけられるものだと考えられます。

マテ茶に含まれる成分と体への働き
記念日の由来からは少し離れますがマテ茶が「飲むサラダ」と呼ばれる理由についても触れておきたいと思います。
せっかくマテ茶の日を知ったのなら、その中身についても知っておいた方が楽しめるはずです。
ポリフェノールと鉄分の豊富さ
学術的な研究データを見てみるとマテ茶にはポリフェノールが緑茶よりも1.3倍から1.5倍多く含まれているという分析結果が報告されています。
東邦大学薬学部が2011年に行った研究ではマテ茶Aとマテ茶Bのポリフェノール含量がそれぞれ17.4%、19.9%だったのに対し、緑茶ではそれより低い数値だったと記載されています。
また別の研究でもグリーンマテ茶の鉄分量が緑茶やウーロン茶と比較して最も高い結果になったという報告があり、抗酸化活性についても緑茶やウーロン茶を上回る数値を示したとされています。
南米の人々は日本人に比べて年間の食肉消費量が3倍から5倍も多いにもかかわらず、体の酸化が原因とされる疾患が日本人の半分以下だという指摘もあり、これはマテ茶を日常的に多く摂取していることが関係しているのではないかと考察されています。
ただこれはあくまで研究者による推測の域を出るものではなく、因果関係が完全に証明されたとまでは言い切れない部分もありそうです。
カフェイン量が少なめという特徴
マテ茶のもうひとつの特徴としてカフェイン含量が緑茶の56%から67%程度にとどまるという分析結果もあります。
カフェインの刺激が比較的マイルドなぶん、中枢神経系への負担や心臓疾患のリスクを抑えられる可能性があるという見方も研究の中で示されているんですね。
とはいえカフェインがゼロというわけではないので、就寝前の摂取などは体質によって向き不向きがありそうだなと、個人的には感じています。
まとめ
マテ茶の日について由来から歴史、成分の話までじっくり見てきました。
最後にポイントを整理しておきますね。
- マテ茶の日は毎年9月1日、日本マテ茶協会が制定し日本記念日協会が認定した記念日である
- 日付の由来は、生産国アルゼンチンで毎年9月1日に行われる収穫祭にちなんでいる
- マテ茶はイェルバ・マテという植物の葉や小枝から作られ、南米では先住民グアラニー族の時代から続く長い歴史を持つ
- 一時はスペイン植民地政府によって禁止された過去もあったが、その後イエズス会の交易などを通じて南米全域に広まった
- 日本では1970年代の「アントンマテ茶」を経て、2012年の「太陽のマテ茶」ヒットで一気に知名度が上がった
- ポリフェノールや鉄分が豊富で、カフェインは緑茶より少なめという成分的な特徴を持つ
9月1日が近づいたらこうした背景を思い出しながらマテ茶を一杯試してみるのも良いかもしれません。
南米の壮大な歴史に思いを馳せながら飲むと、いつものお茶の時間がちょっと特別なものに感じられそうですね。
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