みそおでんの日とは毎年10月5日にあたる記念日です。
この記事を読めば制定した会社と由来、登録された経緯、群馬県とこんにゃくの関係、楽しみ方までひと通りわかります。
「みそおでんって、名古屋の八丁味噌の串おでんの日じゃないの?」
と思って調べ始めた方も多いはずです。私も最初は同じ想像をしていました。
ところが実際に調べてみると意外な答えが待っていました。
由来をさらっと知りたい方も誰かに話せる小ネタがほしい方も、順番に読んでもらえたらうれしいです。
みそおでんの日とは?基本情報
ここではみそおでんの日の日付や制定者、認定団体といった基本の情報がわかります。
毎年10月5日、制定したのはこんにゃくメーカー
みそおでんの日は毎年10月5日です。
制定したのは群馬県甘楽町に本社を置くこんにゃくメーカーの株式会社ヨコオデイリーフーズです。
記念日の目的は、同社の人気商品「田楽みそおでん」を広く知ってもらうことです。
同社の公式な説明ではこんにゃくの消費拡大を目指して制定された記念日、という位置づけになっています。
つまり、地域の食文化を祝う日というより、ひとつの商品の発売日から生まれた企業発の記念日なんですね。
ここを最初に押さえておくとこのあとの話がぐっとわかりやすくなります。

日本記念日協会に登録されたのは2016年
この記念日は2016年に一般社団法人・日本記念日協会によって認定、登録されています。
日本記念日協会は企業や団体、個人が申請した記念日を審査し、合格して登録料を納めると正式な記念日として認定する仕組みを運営しています。
登録後の2016年には群馬県甘楽町の「こんにゃくパーク」で記念日登録証の授与式が行われました。
2026年は登録から10年目という節目の年にあたります。
愛知県の味噌おでんとは別物です
「みそおでん」と聞くと、愛知県の味噌おでんを思い浮かべる方は多いと思います。
八丁味噌などの豆味噌をベースにしたタレを、大根や卵、こんにゃくにつけて食べる郷土料理ですよね。
けれど、記念日の「みそおでん」が指しているのは茹でたこんにゃくに甘辛い田楽みそをつけて食べる、群馬県で親しまれてきたこんにゃく料理のほうです。
同じ名前でも背景がまったく違います。
私の感覚ではこの食い違いこそが、記念日の名前を見て「あれ?」となる一番の理由かなと思っています。
みそおでんの日の由来は1994年10月5日
ここではなぜ10月5日なのかという疑問に、制定会社の歴史と一緒に答えます。
日付は語呂合わせではなく「発売日」
記念日の日付というと数字の語呂合わせを想像しがちです。
でも、みそおでんの日の10月5日は語呂とは関係がありません。
由来はヨコオデイリーフーズが田楽おでんにみそだれを添えて発売した、1994年(平成6年)10月5日という日付そのものです。
2026年から数えると発売から32年が経っています。
「10と5で何か読めるのかな?」と考えた方、実は私もそうでした。
調べてみたら、とても実直な理由でちょっと拍子抜けしつつも好印象でした。
前年発売の「みそ田楽」に秘伝のみそを添えた
同社の沿革によると1994年に「月のうさぎ田楽みそおでん」の販売が始まりました。
前年に発売していた「みそ田楽」に、オリジナルの秘伝田楽みそを添付した商品です。
つまり、発売日の10月5日はこんにゃくの味つけに秘伝のみそだれが加わった日でもあります。
公式のイベント情報でも、田楽おでんにみそだれをつけて発売した日にちなむと説明されています。
手軽に食べられる商品だったのが印象的です
この商品は串に刺さったこんにゃくでごま入りの田楽みそが付いています。
袋から出して温めるだけで食べられて、常温保存もできるとされています。
レンジか湯煎で温めるだけという手軽さも特徴です。
ここからは私の推測ですが1994年当時、温めるだけで田楽が食べられる商品は、家庭の食卓にとってかなり便利な存在だったのではないでしょうか。
調べ物をしていて「手間をかけずに本格的な味に近づける」という発想は32年たった今も古びていないと感じました。
制定したヨコオデイリーフーズとは
ここでは記念日の背景にある会社の成り立ちと、運営するこんにゃくパークのことがわかります。
創業1968年、群馬県甘楽町のこんにゃく専門メーカー
ヨコオデイリーフーズは1968年(昭和43年)に創業し、1989年(平成元年)に設立されました。
本社は群馬県甘楽郡甘楽町小幡にあり、こんにゃくを中心とした食品の製造、販売、開発を手がけています。
従業員数は2026年4月時点で254名です。
同社は創業から一貫して地元の豊富な水とこんにゃくいもを活かしたこんにゃくづくりを続けている、と公式に紹介されています。

2014年開業の「こんにゃくパーク」
同社が運営する「こんにゃくパーク」はこんにゃくが100年後も食べられるように、との思いで消費拡大を目指し、2014年にオープンしたテーマパークです。
工場見学やこんにゃくバイキング、手作り体験のほか、ショップや足湯、観覧車まであります。
工場見学は無料でこんにゃくとゼリーの製造工程を、パネルや映像で歴史や雑学とあわせて学べます。
みそおでんの日の登録証授与式がこのこんにゃくパークで行われたのも自然な流れだったと思います。
毎年のように続く記念日イベント
こんにゃくパークはみそおでんの日に合わせて毎年のように特別企画を行っています。
2025年は、9月20日から10月13日までバイキングコーナーでの企画が告知されていました。
記念日を「制定して終わり」にせず、10年にわたり参加型のイベントとして育てている点は、素直にすごいなと感じます。
群馬県とこんにゃくの深い関係
ここではなぜ群馬県発のこんにゃく料理が記念日になったのか、データから背景を読み解けます。
こんにゃくいもの約97%が群馬県産
作物統計調査によると、令和6年産のこんにゃくいもの収穫量は全国で51,400トンです。
そのうち群馬県が49,700トンで、全国シェアは96.7%にのぼります。
群馬県の研究機関のレポートでも、収穫量の95.3%、栽培面積の92.6%を群馬県が占めると整理されています。
ヨコオデイリーフーズ自身も、約95%が群馬県で栽培されていると説明しています。
年によって数字は少しずつ動きますが、「ほぼ全部が群馬産」と言って差し支えない状況です。
こんにゃくの記念日が群馬の会社から生まれるのはとても理にかなっていますよね。

群馬がトップになったのは戦後の話
こんにゃくの産地は昔から群馬県が一番だったわけではありません。
食品メーカーのコラムによると、江戸時代には水戸藩が栽培を奨励し、専売制を敷いて財源にしていました。
明治期は茨城県が生産量で圧倒し、大正期に群馬県が伸びたそうです。
戦後は群馬県が首位に立ち、昭和26年に全国シェア18%、昭和39年に30%超、昭和50年にほぼ半分、平成8年には80%を突破したとされています。
意外ではないでしょうか。
「ほぼ独占」の状態は実は数十年かけて築かれたものなんです。
収穫量は減少傾向、だからこその消費拡大
農林水産省の統計では令和5年産のこんにゃくいもは、全国の収穫面積が1,950haで前年より1%減りました。
収穫量は5万900トンで、前年産より2%減っています。
こんにゃくパークが「100年後も食べられるように」と掲げる背景には、こうした数字もあるのかもしれません。
これは私の見立てですが記念日は生産者と消費者をつなぐ、ささやかな入り口の役割を果たしているように思います。
みそおでんのルーツは田楽にあり
ここを読むとみそおでんという料理が、そもそもどんな歴史の上に成り立っているのかがわかります。
田楽はもともと田植えの芸能だった
「田楽」はもともと農耕に関わる芸能でした。
5月の田植えの時期に、笛や太鼓に合わせて歌い踊りながら作業をしたのが起源とされ、平安時代にはすでに行われていたといいます。
白い袴をはいて一本足の高足に乗って踊る田楽法師の姿が、串に刺した白い豆腐の形と似ていたため、料理にも「田楽」の名がついた、という説が知られています。
味噌田楽は室町時代に広がった
料理としての味噌田楽は平安末期に中国から豆腐が伝わり、拍子木型の豆腐を串に刺して焼いたことが始まりとされます。
室町時代にすり鉢が登場して味噌をすり潰せるようになり、永禄年間(1558年から1570年)頃には、焼いた豆腐に味噌をつける料理が流行したそうです。
食品メーカーの解説でも室町期に豆腐の田楽が広まったという説が有力で、1437年の『蔭涼軒日録』に田楽の表記が見られるとされています。
こんにゃくの田楽が庶民に広がったのは江戸時代
こんにゃくが庶民の食べ物になったのは江戸時代です。
そのため、こんにゃく田楽が一般化したのは、豆腐田楽より少しあとだと考えられています。
江戸時代にはこんにゃく料理の本『蒟蒻百珍』も出版され、人気の食材でした。
大坂では、こんにゃくを串に刺してみそをつけて食べる「こんにゃく田楽」が供されていたことが、1856年の『浪速の風』に記されているとされます。
「おでん」は田楽に「お」をつけた呼び名
おでんのルーツは田楽でその田楽に丁寧語の「お」をつけた呼び名だと言われています。
江戸時代には焼くのを待てない江戸っ子が、具材をみそで煮込む「煮込み田楽」にして食べていたそうです。
そう考えると「みそおでん」は、おでんの原点である味噌田楽の姿にそのまま近い食べ方だと言えそうです。
個人的にはこの点がいちばんの「なるほど!」でした。
みそおでんの日のまとめ
この記事のポイントを整理します。
- みそおでんの日は毎年10月5日です。
- 制定したのは群馬県甘楽町のこんにゃくメーカー、ヨコオデイリーフーズです。
- 日付の由来は、1994年10月5日に秘伝田楽みそを添付した「みそおでん」を発売した日です。
- 2016年に日本記念日協会に認定、登録され、2026年で登録10年目になります。
- 記念日の「みそおでん」は、愛知県の味噌おでんではなく、群馬県で親しまれてきた田楽みそのこんにゃく料理です。
- こんにゃくいもの収穫量は令和6年産で群馬県が全国の96.7%を占めています。
- ルーツは味噌田楽でおでんの原点に近い食べ方だと言えます。
10月5日はこんにゃくに甘辛いみそをのせて、ささやかにお祝いしてみませんか?🍢由来を知ってから食べると、いつもの一口が少しだけ特別になるかもしれません。
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