この記事を読めば6月3日の「なんもしない日」がどのように生まれ、どんな意味を持つのかがまるごとわかります。
「なんもしない日って、なにそれ?」
って思った人も多いかもしれません。
でも調べてみると現代人の心のSOS的な部分にすごく刺さるテーマで、個人的にはかなり共感できる記念日だなと感じています。
なんもしない日とは?
6月3日は「なんもしない日」という記念日です。
正式に一般社団法人・日本記念日協会によって認定・登録されています。
この記念日のコンセプトは、「1年に1日くらいは社会的な責任から解放されたり、何者でもなくなる日があってもいいんじゃないか」というシンプルな思いから生まれたもの。
何かをしたから評価されるんじゃなくてなんもしないことに価値があると再認識できる日、それが「なんもしない日」なんです。
由来は「レンタルなんもしない人」のスタート日
2018年6月3日 ひとりの男性がつぶやいた
なんもしない日の原点は森本祥司さん(1983年生まれ、名古屋市出身)が2018年6月3日にX(旧Twitter)に投稿した一文にあります。
『レンタルなんもしない人』というサービスを始めます。1人で入りにくい店、ゲームの人数あわせ、花見の場所とりなど、ただ1人分の人間の存在だけが必要なシーンでご利用ください。
— レンタルなんもしない人 (@morimotoshoji) June 3, 2018
国分寺駅からの交通費と飲食代だけ(かかれば)もらいます。ごく簡単なうけこたえ以外なんもできかねます。
当初は無料でスタートしたこのサービス、半年でフォロワーが10万人を突破してしまったんですよね。
意外と、いや、思いのほかすごい反響で。
そして6月3日という日付が「レンタルなんもしない人が動き始めた日」として、記念日の由来になったわけです。
森本さんってどんな人?
大阪大学大学院で宇宙地球科学を専攻した、れっきとした理系出身者です。
でも、優秀な周囲と自分を比べるなかで「自分が活躍できる未来が見えない」と感じ、小説家やお笑い芸人も模索した結果、「何もできない」と開き直ったことがこのサービスを思いついたきっかけだとか。
ちなみにサービス名の「なんもしない人」で、あえて「なにも」でなく「なんも」というくだけた表現を選んだのも森本さんのこだわりで、これが2024年の日本ネーミング大賞・審査委員特別賞にも繋がっています。
記念日が正式認定されるまでの経緯
フォロワー発信のクラウドファンディング
実はこの記念日、森本さん本人が申請したのではありません。
「レンタルなんもしない人」のファンであるフォロワーが、本人の了承を得たうえで動き出したという点が個人的にはいちばん印象深かったです。
2023年の活動5周年(活動開始は2018年6月3日)にあわせて、CAMPFIREでクラウドファンディングが立ち上げられました。
日本記念日協会への登録料165,000円、さらにCAMPFIREの手数料など目標金額は20万円に設定。
2023年3月に無事合格、6月3日に授与式
審査の結果、2023年3月24日に「なんもしない日」として正式に認定され、6月3日には東京都内で認定証授与式まで開催されました。
森本さんが実際にその場に立ち会い、認定証を受け取っています。
ちなみに当日は台風の影響があったらしく参加できなかった支援者もいたとのこと。なんかそれすら「なんもしない日」っぽい感じがしますね。
レンタルなんもしない人とは何者か?
サービスの内容
「ただそばにいる存在を貸し出す」それだけ。アドバイスもなし、共感のリアクションも最小限。ごく簡単な受け答え以外は何もしません。
活動開始から約7年半で依頼件数は約7,000件に上り、その内容は本当に千差万別。
- 一人では入りにくい店への同行
- 誰かがいるとサボらず片付けできるため部屋にいてほしい
- 花火の場所取りや行列並び(ただそこにいるだけ)
- 誰かに話したいがアドバイスやリアクションは不要な際の話し相手
- 呪いの人形と一晩過ごしてほしい(!)
…最後のはちょっと笑いましたが。
料金の変化
スタート当初は完全無料でした。
ところが依頼が増えすぎて、2019年9月に1件1万円に有料化。その後、2020年6月3日に再び無料に戻り、さらに同年10月1日から再び有料となり、1件30,000円で設定されています。
書籍・ドラマ化にも発展
NHK『ドキュメント72時間』で取り上げられ、書籍化も複数回実現。
2020年4月には増田貴久さん主演でテレビドラマ化されるまでになりました。著書のひとつ『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』(晶文社)は人気を博し、続編も刊行されています。
「なんもしない」ことが記念日になった本当の意味
成果主義社会への静かなアンチテーゼ
なんもしない日が誕生した背景には現代社会の「なにかしてないと価値がない」という空気への違和感がある気がします。
これ、けっこう多くの人が感じてることじゃないでしょうか。
クラウドファンディングの発起人も「なんかしたから評価されるのではなくて、なんもしないことに価値があるんだと再認識できる1日があると素敵」という言葉を残しています。
そこには、何者かでいることを常に求められる社会への、静かな異議申し立てがあると思います。
現代の孤独と「ただいる」ことの価値
森本さん自身も日本外国特派員協会でのイベントで「日本社会の孤独」について語っています。
依頼の多くが「身近な人に頼みにくいこと」であるという事実は人と人の繋がりが薄れていく社会構造を浮き彫りにしていますよね。
アドバイスでもなく、共感でもなくただそこにいる存在の価値 6月3日はそれを思い出させてくれる日でもあります。
まとめ
- 「なんもしない日」は毎年6月3日の記念日で一般社団法人・日本記念日協会が公式認定している
- 日付は森本祥司さんが2018年6月3日に「レンタルなんもしない人」のサービスをXで開始した日に由来する
- 森本さんのファン・フォロワーが本人の了承を得てクラウドファンディングを立ち上げ、2023年3月に正式認定、同年6月3日に授与式が開催された
- 記念日のコンセプトは「何かしたから評価されるのではなく、なんもしないことに価値があると再認識できる日」
- 「レンタルなんもしない人」は活動7年半超で依頼件数約7,000件、NHKドキュメンタリーや増田貴久主演ドラマなどで幅広く知られる存在になった

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