7月2日の「タコの日」は関西地方に伝わる雑節「半夏生」にタコを食べる風習が由来になっていて、田植えを終えた農家が豊作を願って食べ始めたのが起源なんです。
この記事を読めばタコの日がいつからあるのか、なぜタコを食べるのか、8月8日のタコの日とどう違うのかまで、しっかりわかると思います。
スーパーの鮮魚コーナーに7月になるとタコがずらりと並ぶ光景、見たことありませんか?
兵庫県に住んでいると毎年この時期になるとなんとなく「あ、もうタコの季節か」と感じるんですよね。
でも実際になぜこの日にタコを食べるのかちゃんと説明できる人って意外と少ない気がします。
今回はその由来や歴史をできるだけ丁寧に掘り下げてみました。
タコの日とは何か
タコの日は7月2日と8月8日の二つが存在していてそれぞれ全く異なる由来を持つ珍しい記念日なんです。
7月2日に制定された記念日
7月2日の「タコの日」はかつて存在した「蛸研究会」という団体が申請し、一般社団法人日本記念日協会によって認定された記念日です。
日付は固定の7月2日ではなく、実は「半夏生」という雑節の時期にちなんでいて、半夏生がほぼ毎年7月2日頃にあたることから、この日に定められたと言われています。
半夏生は夏至から数えて約11日目を指す言葉で梅雨明けが近づく時期の節目とされていますね。
8月8日にもある「タコの日」との違い
一方で8月8日のタコの日は広島県三原市の三原観光協会が制定したもので、タコの足が8本であることに語呂を重ねただけのシンプルな由来です。
三原はタコ漁が江戸時代から世襲制で続く名産地で、1996年からこの日に「タコ供養」を行うようになったことが記念日制定のきっかけになっています。
要するに、7月2日は農業の風習に根ざした由来、8月8日は数字の語呂合わせというまったく方向性の違う二つの記念日が同じ「タコの日」という名前を共有しているわけです。
ちょっと不思議な感じもしますよね。
タコの日の由来
なぜ半夏生にタコを食べるようになったのかその背景を詳しく見ていきますね。
半夏生という雑節との関係
半夏生は二十四節気とは別の「雑節」のひとつで、農家にとっては田植えを終えるべき目安の時期として大切にされてきました。
名前の由来はこの頃に「半夏(はんげ)」という別名を持つカラスビシャクという植物が生え始めることからきているそうです。
「農家はこの頃までに田植えを終わらすべし」という言い伝えがあり、半夏生はいわば農作業の節目を示す暦のサインだったんですね。
農家がタコを食べた理由
田植えを終えた農家がタコを食べた理由にはちゃんと意味があるみたいです。
タコの8本の足が吸盤でしっかり吸い付く様子を田に植えた苗が大地にがっしり根を張る姿に重ねて、豊作を願ったという説が広く知られています。
それに加えて、夏バテ防止という実用的な狙いもあったようです。
タコにはタウリンが豊富に含まれていて蒸し暑くなるこの時期の体力消耗を補う食材として、ちょうどよかったのかもしれません。
農作業で疲れた体をおいしいタコで労う。なんだか理にかなった知恵だなと個人的には思います。
タコの日の歴史
タコと日本人との付き合いは実はかなり古い時代から始まっているんです。
弥生時代から続くタコ食文化
大阪の池上・曽根遺跡からはタコを捕獲するための蛸壺形の土器が出土していて、弥生時代の頃から既にタコ漁が行われていたことがわかっています。
江戸時代になるとタコの足を薄く切って出汁と醤油でさっと煮る「桜煎(桜煮)」という料理も生まれ、見た目の美しさから風流な名前がつけられたそうです。
仕上がりの色と形が桜の花びらを連想させることからこの名前になったらしくて、こういう小さな逸話、けっこう好きなんですよね。
記念日として制定された経緯
半夏生にタコを食べる習慣そのものは古くから関西の一部地域で続いていたものですが、それを「タコの日」という公式な記念日として形にしたのは蛸研究会の活動がきっかけでした。
記念日協会への申請を経て認定されたことで地域の風習が全国的に知られる記念日へと姿を変えていったわけです。
とはいえ、蛸研究会自体は現在は解散しているとされていて、詳しい活動内容まではあまり情報が残っていないようです。
この点ははっきりとした資料が見つからなかったので、あくまで一般に言われている情報として受け止めてもらえたらと思います。
7月2日と8月8日、どちらが本家のタコの日?
二つのタコの日、どちらが先にできたのか気になる人も多いんじゃないでしょうか。
制定者や由来の違い
| 項目 | 7月2日のタコの日 | 8月8日のタコの日 |
|---|---|---|
| 制定者 | 蛸研究会(解散) | 三原観光協会(広島県) |
| 由来 | 半夏生にタコを食べる風習 | タコの足が8本という語呂合わせ |
| 関連行事 | 明石市の半夏生まつりなど | タコ供養(1996年から開催) |
| 地域性 | 関西地方の食文化が起点 | 瀬戸内海・三原市の漁業文化が起点 |
こうして並べてみると7月2日は農業や食文化、8月8日は漁業の街のPR活動という、それぞれ異なる土台から生まれた記念日だということが見えてきますね。
覚え方のポイント
正直に言うと私も最初はどちらが本物のタコの日なのか混同していました。
ただ整理してみると、半夏生の時期にタコを食べる風習自体は江戸時代以前から続く伝統的な習慣で、8月8日の方は1990年代に地域振興の目的で新しく作られた記念日です。
歴史の長さで言えば7月2日の由来が古いとも言えそうですが、記念日協会への正式な登録順がどちらが先かまでは明確な資料が見つかりませんでした。
ここはあくまで推測になりますが両方覚えておいて、季節ごとにタコを楽しむきっかけにするのが一番楽しい付き合い方かもしれません。
関西地方の半夏生にタコを食べる風習
実際に半夏生のタコ文化がどんな形で今も残っているのかを見ていきます。
明石市の半夏生まつり
兵庫県明石市では毎年半夏生の時期に合わせて「半夏生まつり」が開催されてきました。
明石はタコの名産地として知られていて、地元のタコを使った料理や催しが並ぶこの祭りは、地域の人にとって季節の風物詩になっているようです。
タコがもたらす栄養と夏バテ対策
タコには疲労回復に役立つとされるタウリンや抗酸化作用があるとされるビタミンEが含まれているそうです。
梅雨明け前後のこの時期は気温と湿度が一気に上がって、体がだるくなりやすいタイミングですよね。
そんな時期に栄養価の高いタコを食べる習慣が根づいたのは、当時の人たちの経験的な知恵だったんだろうなと思います。
科学的な分析が進んでいなかった時代でも体の調子と食材の関係をちゃんと感じ取っていたのかもしれません。
タコの日を楽しむ過ごし方
最後にタコの日をどう楽しむと良さそうか、いくつか考えてみました。
おすすめのタコ料理
刺身やたこ焼き、唐揚げなど、タコの楽しみ方は本当に幅広いです。
江戸時代から伝わる桜煮のような上品な一品を作ってみるのも季節を感じる過ごし方として良さそうですね。
冷えたビールにタコの唐揚げを合わせるのが一番だという声もあってこれは個人的にもすごく納得できる組み合わせです。
行事や催しに参加してみる
明石の半夏生まつりのように地域でタコにまつわる催しが開催されている場合は、足を運んでみるのもおすすめです。
三原市のタコ供養のような行事も含めると、タコという食材を通じて地域の歴史や文化に触れられるのが、この記念日のおもしろさだなと感じています。
まとめ
タコの日についてのポイントを整理すると次のようになります。
- 7月2日のタコの日は半夏生にタコを食べる関西の風習が由来
- 半夏生は夏至から約11日目にあたる雑節で田植えの目安とされていた
- タコの8本足が苗の根付きを連想させ、豊作祈願の意味があった
- 8月8日のタコの日は広島県三原市が制定した別の記念日で、足が8本という語呂合わせが由来
- タコ食文化は弥生時代の遺跡からも確認できるほど歴史が深い
コメント