この記事を読むと10月14日の「美味しいすっぽんの日」がいつ、誰によって、なぜこの日に決まったのかがわかります。
あわせてすっぽんが日本の食卓で歩んできた長い歴史や、養殖の始まりまで一通り押さえられます。
「すっぽんって高級料理のイメージだけど、そもそもなぜ記念日があるの?」
「10月14日にはどんな意味が込められているの?」。
そんな素朴な疑問を持った方のために私なりに順を追ってまとめました。ちょっとした雑談のネタにもなると思います。
美味しいすっぽんの日の基本情報
ここでは記念日の名前や日付、制定した人たちといった土台の部分を整理します。ここを読むと、記念日の全体像が短時間でつかめます。
10月14日が「美味しいすっぽんの日」です
美味しいすっぽんの日は毎年10月14日です。
健康食品やヘルスケア製品の製造販売を行う大東ライフ株式会社と、熊本県山鹿市ですっぽん養殖業を営む有限会社井寺スッポン養殖場が共同で制定しました。
日本記念日協会が認定した記念日でもあります。
名前に「美味しい」という言葉が入っているのが個人的には印象的でした。
「すっぽんの日」とだけ名乗ることもできたはずなのに、あえて味を前面に出しているんですよね。
栄養や滋養のイメージが強い食材だからこそ、「まず美味しいんです」と伝えたかったのかな、というのが私の見立てです(あくまで想像ですけど)。
制定したのは養殖と健康食品の担い手
制定者の組み合わせもなかなか面白いところです。
片方は、すっぽんを育てて出荷する現場の養殖場です。もう片方は健康食品などを開発して届ける会社になります。
つまり「育てる人」と「届ける人」が手を組んでつくった記念日ということになりますね。
育てる側だけだと魅力が内輪で終わりがちで届ける側だけだと素材の背景が見えにくくなります。
両方がそろったからこそ、日付の意味づけにも説得力が出たのかもしれません。
10月14日になった由来
日付の理由は二つあります。ここではそのどちらもじっくり掘り下げます。
語呂合わせの「いちばんおいしい」
一つ目は語呂合わせです。
10月14日を「1」「014」と区切って、「いち(1)ばんおいしい(014)」と読みます。
ここで少し細かい話をします。
「1」は「いち」、「0」は「お」、「1」は「い」、「4」は「し」と読めるので、「014」で「おいしい」になるわけです。
数字のゼロを「お」と読ませる語呂は記念日の世界では珍しくありません。
でも「いちばん」と「おいしい」をつなげて、意味まできれいに通る例はそこまで多くない気がします。覚えやすさは抜群ですよね。
秋口に脂がのって栄養価が高まる時期
二つ目は季節の理由です。
すっぽんは秋口になると脂がのり、いっそう栄養価が高く美味しくなると言われています。自然に近い環境で育てる路地養殖のすっぽんは、水温が下がる10月ごろから冬眠に入ります。
冬眠前は栄養をたっぷり蓄える時期なので、まさに旬だという説明もあります。
冬を越すための準備期間だと考えると「秋に美味しくなる」という話にもうなずけますよね。
ここは私の仮説ですが、記念日の日付を「語呂」と「旬」の両方で裏付けられる点が、この記念日の強みだと思っています。
語呂だけならこじつけっぽく見えてしまいますし、旬だけでは日付を特定できません。二つが重なって10月14日という一日がしっくり収まったのだと感じます。
すっぽんと日本人の長い付き合い
記念日の背景にはすっぽんを食べてきた長い歴史があります。ここを読むと、「なぜ高級で滋養のある食材と言われるのか」の下地が見えてきます。
縄文時代の貝塚から骨が見つかっています
日本でのすっぽんの食の歴史は縄文時代までさかのぼります。貝塚からすっぽんの骨が出土しており、当時から食べられていたことがわかります。
縄文の人たちにとっては、貴重なたんぱく源のひとつだったのでしょう。
いまは高級食材というイメージが強いですがはじめから特別な料理だったとは限りません。
手に入る範囲で命をいただく、そんな営みの延長線上にあったのかなと想像しています。
ちなみにこの部分は出土品から読み取れる範囲を超えた私の推測です。
飛鳥から奈良の時代には献上品でした
時代が下ると、すっぽんは位の高い人たちのものになっていきます。
『続日本紀』には697年に文武天皇へすっぽんが献上されたという記録が残っています。
7世紀ごろには天皇に献上されるほどの高級食材として扱われ、上流階級の人のみが口にできたとされています。
縄文の貝塚から、天皇への献上品へ。
同じ生き物が時代によってこれほど立場を変えるのかと、調べていて驚きました。希少で体に良いと信じられた食材ほど、権力の近くに集まるのかもしれません。
江戸時代に庶民へ広がっていきました
大衆に普及したのは江戸時代以降とされています。
もともとは西日本で盛んに食べられていたものの、江戸時代には関東にも広まり、庶民の滋養強壮食として親しまれるようになったと言われています。
とはいえ、いまのように気軽に食べられたわけではないでしょう。
あくまで「庶民にも手が届く場面が出てきた」くらいの感覚だったと思います。
それでも特別な日に精をつける一品として根づいた流れは、現代の記念日の発想にもつながっている気がします。
養殖の始まりと浜名湖の物語
すっぽんが安定して食卓に届くようになった背景には養殖の技術があります。ここでは日本のすっぽん養殖がどう始まったのかを見ていきます。
明治時代の浜名湖で本格的に始まりました
静岡県の浜名湖はうなぎとすっぽんの養殖発祥の地として知られています。
いまから120年以上前、明治の時代に服部倉治郎さんと中村正輔さんが出会い、浜名湖でのすっぽん養殖が動き出しました。
1900年(明治33年)に浜名郡舞阪村吹上で6.5ヘクタールの養殖池がつくられ、本格的な養殖が始まっています。
服部家の歴史には、さらに前の段階もあります。
明治12年に初代の服部倉治郎さんが、東京の深川で金魚や鯉、うなぎとあわせてすっぽんを養殖したことが出発点だという説明です。
養殖のルーツがどこにあるかは資料によって語られ方に少し幅があるみたいです。
ですので、この記事では「明治期に浜名湖で本格化した」という大づかみな理解にとどめておきますね。
浜名湖が養殖に向いていた三つの理由
なぜ浜名湖だったのか。
浜松市の説明では気候が暖かいこと、養殖池をつくれる場所が多かったこと、そして東京と大阪の中間にあって出荷に便利だったことが挙げられています。
どれも、言われてみれば納得です。
変温動物のすっぽんは暖かいほど成長しやすいはずです。
それに加えて、大消費地への距離まで考えられていたとなると、養殖はすでに「ビジネス」として設計されていたのだと感じます。
すっぽんとうなぎを組み合わせた経営の工夫
初期のすっぽん養殖は市場がとても小さく、事業を軌道に乗せるのが難しかったそうです。
そこで、うなぎの養殖を並行して行うことで経営を安定させ拡大につなげました。
好きなエピソードなんです、これ。
すっぽん一本では立ち行かなかったから、うなぎという相棒を連れてきた。
いまの言葉で言えば「複数の柱をつくってリスクを分散した」ということですよね。
120年前の判断が現代の商売にも通用するのがすごいなと思います。
現代の養殖現場とこだわり
記念日を制定した養殖場の話に戻りつつ、いまのすっぽんがどんな環境で育てられているのかを見ていきます。
路地養殖と冬眠という育て方
浜名湖の老舗養殖場では路地飼育と呼ばれる方法を取っています。すっぽんが本来育つ自然に近い環境で、3〜4年かけて冬眠をさせながら育てるやり方です。
ここで言う冬眠は、先ほど触れた「10月ごろから始まる冬眠」と重なる話ですよね。
つまり、育て方の面でも秋は「冬眠に入る前の大事な時期」になります。
記念日の日付が10月半ばに置かれているのは、育てる人にとっても節目の季節だからと考えると腑に落ちます。
この関連づけは私の解釈ですが、そこまで外していないんじゃないかなとは思っています。
熊本県山鹿市の井寺スッポン養殖場
記念日を共同で制定した井寺スッポン養殖場は熊本県山鹿市にあります。
日本名水百選にも選ばれた菊池水源の流域で最高の血統を厳選して育てており、薬品などは一切使用していないと公式に説明しています。
九州の中心に位置し、夏は暑く冬は寒さが厳しい自然環境です。
水がきれいで、寒暖差のはっきりした土地というのは、すっぽんにとっても育ちやすい条件なのだろうと思います。
養殖場が育てる環境を選び抜いていると知ると食べる側も背筋が伸びますよね。
美味しいすっぽんの日の楽しみ方
最後に記念日をどう過ごすと楽しいかを考えます。
食べて栄養を感じる
すっぽんには良質なたんぱく質や必須アミノ酸、ミネラル、ビタミン類、そしてコラーゲンが含まれると言われています。
鍋やスープ、雑炊にするのが定番ですが専門店に足を運ぶのが難しければ、家庭向けのレトルトやスープ商品を選ぶ手もありますね。
ただ、食材としての魅力と、体への効果を断定することは別の話です。
すっぽんは医薬品ではないので「食べれば必ず元気になる」といった期待は持たないほうが安心だと思います。
あくまで季節の恵みを味わう楽しみとして取り入れてみてください。
由来を話題にして過ごす
私のおすすめは、食べながら由来を家族や友達に話してみることです。
「1014で、いちばんおいしいなんだって」
「縄文時代から食べられていたらしいよ」。
そんな一言があるだけで食卓がちょっと賑やかになりますよね。
手間をかけずに記念日を楽しむならこれがいちばんの近道かもしれません。気負わず、できる範囲で試してみてください😊
安全に食べるための心がけ
生き物由来の食材なので一般的な食品衛生の観点から、しっかり加熱して食べるのが基本です。
ここは細かい検証をした話ではなく、あくまで私の心がけとしてお伝えしています。
お店で提供されるものやきちんと加工された商品を選ぶとより安心して楽しめます。
まとめ
- 美味しいすっぽんの日は10月14日で大東ライフ株式会社と有限会社井寺スッポン養殖場が制定し、日本記念日協会が認定しています。
- 日付の由来は、「いち(1)ばんおいしい(014)」という語呂合わせと、秋口に脂がのって栄養価が高まる旬の時期の二つです。
- すっぽんは縄文時代の貝塚から骨が出土するほど古くから食べられ、697年には天皇への献上記録も残っています。
- 江戸時代に庶民へ広がり、明治期に浜名湖で本格的な養殖が始まって、安定して届くようになりました。
- 現代の養殖現場では冬眠をはさんで3〜4年育てる路地養殖など、自然に近い環境を大切にした育て方が行われています。
- 楽しみ方は食べるだけでなく由来を話題にするのもおすすめです。
効果を断定せず季節の恵みとして味わいましょう。10月14日は、ぜひ「いちばんおいしい」すっぽんの一日を、あなたなりの形で楽しんでみてくださいね✨



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