この記事を読めば畳の日の由来から歴史、そしてなぜ年に2回もあるのかまでスッキリわかると思います。
日本の住まいに欠かせない畳ですが実は専用の記念日があるって知っていましたか。
しかも1回だけじゃなくて年2回。
今日はそのあたりを丁寧に紐解いていきますね。
畳の日とはどんな記念日なのか
ここでは畳の日がどういう記念日なのか基本のところを押さえていきます。
年に2回ある珍しい記念日
畳の日は4月29日と9月24日の年2回設定されている記念日です。
1つの記念日に2つの日付があるのって、実はそんなに多くないんですよね。
私が思うにはそれだけ畳という存在が季節ごとの暮らしに深く結びついているからこその設定なんじゃないかなと感じています。
制定したのは全国畳産業振興会
この記念日を作ったのは京都府京都市南区に本部を置く全国畳産業振興会という団体です。
畳産業を盛り上げるための戦略的なPR活動を企画、推進している組織で、1997年に畳の日を制定しました。
日本記念日協会にもきちんと認定、登録されている正式な記念日なんですよ。
畳の日が生まれた背景と目的
ここを読むと畳の日がどんな思いで作られたのかが見えてきます。
畳産業をアピールする狙い
畳が持つ住宅材としての良さや敷物としての優れた点を広く知ってもらうこと。
それが畳の日を制定した一番の目的だとされています。
畳表の原料になるい草には調湿効果や香りによるリラックス効果もあるといわれていて、そうした魅力を再確認してもらう機会にしたいという思いがあったのかもしれません。
春の畳の日、4月29日の由来
このパートではなぜ春に4月29日が選ばれたのかを見ていきます。
かつての「みどりの日」との関係
4月29日はもともと昭和天皇の誕生日で、その後1989年から2006年までは「みどりの日」という祝日でした。
畳の日が制定された1997年はまさにこの4月29日が「みどりの日」だった時期にあたります。
現在は「昭和の日」になり、みどりの日は5月4日に移動していますが畳の日の日付自体は4月29日のまま変わっていません。
い草が育つ季節にちなんだ意味
い草は畳表を作るための原材料ですが、この時期に田園を一面みどり色に染めて育つんですね。
その緑と「みどりの日」の緑色をかけ合わせて、春の畳の日として4月29日が選ばれたと考えられています。
い草の緑と畳の記念日がリンクしているというのはなかなかセンスのある発想だなと思いました。
秋の畳の日、9月24日の由来
続いては秋の畳の日について。春とはまったく違う理由でこの日が選ばれています。
「清掃の日」「環境衛生週間」との関わり
9月24日は環境衛生週間、期間でいうと9月24日から10月1日にあたる週間の初日で「清掃の日」でもある日付です。
厚生労働省や自治体が主導する衛生啓発の取り組みと重なる日というのがまずベースにあるんですね。
衣替え前の大掃除を促す狙い
冬に向けての衣替えを前に畳を上げて大掃除をしてほしいという意図から9月24日が秋の畳の日に設定されました。
畳は普段なかなか裏返したり上げたりする機会がないものですから、季節の変わり目にメンテナンスを促す発想はすごく理にかなっているなと感じます。
ちなみに畳を長期間上げないままだと湿気がこもってダニやカビの原因になることもあるといわれていて、この点は畳を扱う店舗の情報でも共通して触れられていました。
畳そのものの歴史をたどる
畳の日をより深く理解するには畳自体の歴史も知っておくと面白いです。
奈良時代の御床畳
現存する最古の畳とされているのが奈良の東大寺正倉院に伝わる「御床畳(ごしょうのたたみ)」です。
聖武天皇が使ったとされるもので真薦を編んだ筵のようなものを5、6枚重ねて床にし、表面にい草の菰をかぶせて錦の縁を付けた作りだったそうです。
木製の台に載せて2台並べ、寝台として使われていたというのが定説になっています。
今の畳とは形も使い方もだいぶ違っていてどちらかというとベッドに近い感覚だったんですね。
平安時代から部屋全体に敷き詰めるまで
平安時代の畳は広い板の間の必要な場所だけに置くもので、座る人の身分によって枚数や縁の柄まで厳密に決められていたといいます。
畳の縁の色や模様で位階がわかる仕組みだったというのは、ただの敷物というより身分を示す道具でもあったということですよね。
部屋全体に畳を敷き詰めるスタイルが広がっていくのはもっと後の時代になってからのことです。
い草の生産と畳を取り巻く今
畳の日を知るなら原料であるい草の今の状況にも触れておきたいところです。
熊本県が生産量の9割以上を占める現状
い草の生産は熊本県に極端に集中していて国内生産量のおよそ9割から、年によっては99パーセント以上を熊本県が占めているというデータがあります。
農林水産省の資料でも熊本県の収穫量が約4,980トンとされていて、全国計のほぼすべてを1県で担っている計算です。
ここまで一極集中しているとは正直けっこう驚きました。
畳のある家が減っている現実
畳のある住まいの減少や生産者の高齢化を背景に、い草農家の数や生産量は10年前と比べて半分ほどに減っているという報道もありました。
この数字から自分なりに考えると、畳の日という記念日が果たす役割は今後さらに大きくなっていくんじゃないかなという気がしています。
年に2回、畳に目を向けるきっかけを作ること自体が産地や職人の技術を支える意味を持ち始めているのかもしれません。
あくまで私の見立てですがこういう文化的な背景を知った上で畳の日を迎えると、また違った気持ちになれると思うんですよね。
畳の日をどう過ごせばいいか
畳の日をきっかけにできそうなことを考えてみました。
畳の点検やお手入れをしてみる
秋の畳の日の趣旨に沿うなら畳を上げて風を通したり、簡単な掃除をしたりするのがぴったりです。
カビやダニの予防にもつながりますし、年に一度は畳の状態をチェックする習慣があると安心ですね。
い草の香りを楽しむ習慣を取り入れる
春の畳の日にちなんで、い草そのものの香りや質感を楽しんでみるのもおすすめです。
い草には独特のリラックス効果があるといわれていて畳のある空間で過ごす時間を意識的に作ってみると、案外心が落ち着くものです。
まあ、こればかりは個人差があると思いますけどね。
まとめ
畳の日についてポイントを整理するとこんな感じになります。
- 畳の日は4月29日と9月24日の年2回、全国畳産業振興会が1997年に制定した記念日
- 4月29日はかつての「みどりの日」とい草の緑色にちなんだ由来
- 9月24日は「清掃の日」環境衛生週間の初日にちなみ、衣替え前の大掃除を促す趣旨
- 畳の起源は奈良時代の御床畳までさかのぼる
- い草の生産は熊本県に集中していて生産量は10年で半減傾向にある
年に2回もある記念日ってそれだけ畳が季節の暮らしに深く根付いている証拠だと思います。
この機会にご自宅の畳に少しだけ目を向けてみてはいかがでしょうか。

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