この記事を読めば5月15日が「ヨーグルトの日」に制定された理由と、その背後にある科学者の物語、さらにヨーグルトが日本に根づくまでの歴史が丸ごとわかります。
「なんで5月15日なんだろう?」
って、ふと思ったことありませんか?
実は一人の科学者の誕生日に由来していて、そこには腸活ブームよりはるか前から続く壮大な研究のドラマが隠れているんです。
ヨーグルトの日は5月15日
「ヨーグルトの日」は毎年5月15日で「明治ブルガリアヨーグルト」で知られる株式会社明治が制定した記念日です。
一般社団法人・日本記念日協会によって正式に認定・登録されており、日本全国で広く認知される食の記念日のひとつになっています。
ちなみにこれは日本独自の記念日で、国連などの国際デーには登録されていません。
でも、ヨーグルトや乳酸菌の健康効果への注目が世界的に高まっているのは確かで、日本でも毎年この日前後にさまざまなキャンペーンやイベントが展開されます。

制定されたのはいつ?
明治乳業(現・株式会社明治)が記念日を制定したのは2012年のことです。
当時すでに定番商品として定着していた「明治ブルガリアヨーグルト」の価値をあらためて伝えようと、制定に踏み切ったという背景があります。
発売から約40年後に制定された記念日、ということになりますね。
5月15日の由来 メチニコフ博士とは
この記念日は1845年5月15日に生まれたロシアの微生物学者、イリヤ・イリノイッチ・メチニコフ博士の誕生日です。
彼の功績をたたえるためにその誕生日を記念日に選んだのです。
「科学の魔王」と呼ばれた研究者
メチニコフ博士は個性が強く少し変わった科学者だったため、「科学の魔王」というあだ名が付けられていたと言われています。
でも、その研究内容はいたって真剣で1908年に免疫(食菌作用)に関する研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した本物の天才でした。
当時の免疫研究は最先端の分野で、白血球が体内で細菌を食べて守る「食細胞説」を提唱したのも彼です。現代免疫学の礎を作った人物と言っても過言ではないかもしれません。
ブルガリアの長寿とヨーグルトの関係
メチニコフ博士が晩年に力を注いだのが「老化のメカニズム」です。彼は「腸内の腐敗菌が増えることで老化が進む」という仮説を立て、研究を重ねました。
そのなかで注目したのがブルガリアです。
ロドピ山脈の山麓地方には長寿者が多く、その地域の人々は自家製ヨーグルトを毎日たくさん食べていたという事実に着目し、「ヨーグルトに含まれる乳酸菌が長寿の秘訣だ」という「不老長寿説」を世界に向けて発表しました。
なんか、今でいう腸活の元祖みたいな話ですよね。
彼の主張は今日のプロバイオティクス研究の端緒となり、ヨーグルトが世界的に広まる大きなきっかけとなりました。
自らもヨーグルトを毎日食べて長寿を実証しようとした姿勢は思いのほかユニークで、研究への情熱がひしひしと伝わってきます。
ヨーグルト自体の歴史
起源は約1万年前
「ヨーグルトの日」の話をしているとそもそもヨーグルトはいつから食べられてるの?という疑問が湧いてきませんか。
発酵乳の歴史は古く、紀元前8000年ごろ、西アジアで羊や山羊の搾乳が始まった頃にまでさかのぼります。
木桶などに残した乳が偶然発酵して酸味のある食品になった…それがヨーグルト誕生のきっかけだと言われています。
ちなみに、紀元前1300年頃のメソポタミアでも発酵クリームの存在が確認されていて、8世紀にはトルコで「ユーグルト」と呼ばれる発酵乳があったことが記録に残っています。
もう数千年単位で人類と付き合いのある食品。すごいですよね。
20世紀に世界へ広まったきっかけ
ヨーグルトが世界的に知られるようになったのは20世紀初頭のこと。
まさにメチニコフ博士が「長寿の食品」として世界に発信したタイミングと重なります。
彼の発表によって、限られた地域の発酵食品だったヨーグルトが急速に国際的な注目を集めていきました。
日本とヨーグルトの歴史
大阪万博が変えた日本の食文化
日本でプレーンヨーグルトが根づいたきっかけは意外にも1970年の大阪万博です。
当時の明治乳業の社員たちがブルガリア館を訪れ、本場のプレーンヨーグルトを試食して衝撃を受けました。
当時の日本には砂糖や寒天で固めた甘いヨーグルトしかなくプレーンタイプはほぼ存在していなかったんです。
試食したスタッフが「この爽やかな酸味を日本人に届けたい」と奮起し、開発がスタートしました。
「明治ブルガリアヨーグルト」誕生まで
開発は簡単ではありませんでした。
ヨーグルトは乳酸菌一つや発酵環境で風味が大きく変わってしまう食品で、本場の味を再現するために何度もヨーロッパへ足を運び、試作を繰り返しました。
その結果、1971年に日本初のプレーンヨーグルト「明治プレーンヨーグルト」を発売。
その後、ブルガリア政府との長い交渉の末に国名使用の許可を得て、1973年12月17日に「明治ブルガリアヨーグルト」として正式に発売。
2023年には発売50周年を迎えています。
まとめ
- 5月15日は「ヨーグルトの日」は株式会社明治が2012年に制定し、日本記念日協会に登録された日本独自の記念日
- 由来は1845年5月15日生まれのメチニコフ博士の誕生日:ノーベル生理学・医学賞受賞の微生物学者で、ブルガリア人の長寿とヨーグルトの関係を世界に発信した人物
- ヨーグルトの歴史は紀元前8000年以上前に遡る、発酵乳は人類最古の食品のひとつ
- 日本にプレーンヨーグルトが広まったきっかけは1970年の大阪万博で明治ブルガリアヨーグルトは1973年に誕生
- 腸内環境への効果は現代研究でも実証が進んでいて毎日継続して食べることが推奨されている
5月15日はせっかくだからヨーグルトを一個食べながら、メチニコフ博士の壮大な研究に思いを馳せてみるのもいいかもしれないですね。

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